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「緊急事態宣言」を受け東京はどうなる? 小池百合子知事会見

東京都用冒頭

小池都知事の会見のポイント

・5月6日まで都内全域を対象に外出の自粛を強く要請する
 
・施設の使用制限などを要請する対象について国と調整したうえで、4月9日までに都としての案を作成し、4月10日に発表、11日から実施したい

・都として新たに2つの条例を制定
1)「東京都新型コロナウイルス感染症対策条例」
都が新型コロナウイルスに関する措置を推進し、都民・事業者が感染症対策に協力する。このウイルスに関連する者に対し、不当な差別的取り扱いをしてはならない。

2)「東京都における新型コロナウイルス感染症のまん延の影響をうけたものの権利、利益の保全等をはかるための特別措置に関する条例」
新型コロナウイルスのまん延の影響を受けた人に、各種資格の認定期間を延ばしたり、奨学金の返還期日を延ばしたりできる。

会見冒頭 知事の発言内容

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みなさんこんばんは。

まず、本日の感染症が判明した方々の事についてお伝えいたします。本日は80名の感染が判明いたしております。4月1日からの1週間でありますけれども、都内の感染者数が4月1日に66名。次97名、89名、117名、そして143名。83名に下がって、今日は80名でありますけれども、いずれにしましても大変高水準で推移をしているところであります。累計いたしますと1196名となりまして、非常にひっ迫した状況が続いていると。重大局面は変わらずという事でございます。

本日、国が7つの都府県を対象といたしまして、令和2年4月7日本日、もしくは8日0時になるんでしょうか。7都府県を対象といたしまして、令和2年4月7日から5月6日までの30日間を期間といたします「緊急事態宣言」を発した所であります。都におきましては、全域が対象地域となったわけでございます。

国におけます緊急事態宣言を受けまして、都としてまずは感染の拡大防止のためにも重要な柱といたしまして、都民の皆さんに対して、4月8日の午前0時、特措法が発令される、そしてその特措法の45条第1項に基づきまして、「外出の自粛要請」を行います。区域は東京都内全域。期間は5月6日まで。

緊急事態措置の一貫としてお示ししております施設の使用制限などでございますけど、現在は対象制限などについて国との間で調整を行っているところでございます。引き続きこの具体的な内容につきましては、国との調整を行って都としては4月9日までに、現状を鑑みますと、できるだけ早く明確にしていきたいということから、4月9日までに都としての使用制限に関しての成果を得たい、成案を得たいと思います。外出の自粛の効果も踏まえながら、翌10日の発表、11日からの実施。こういうスケジュール感で行きたいと存じます。東京といたしましては、大変スピード感も重要という事でございまして、このような日程を考えたいと思います。

ポイントでありますけれども、やはり引き続きになりますけど、改めて申し上げたいと思います。大事なことなのでもう一度ということですが。「ステイホーム」おうちにいてください、このアナウンスであります。外出をひかえてください。外出をしないてください。そして外出せざるを得ない場合には密閉、密集、密接、この3つの密を避ける。もうこれ何度も申し上げていることであります。どうぞよろしくお願いいたします。そして人と人との間隔を約2メートル、間を開けて下さい。これらのことにご協力をいただきたい。

本日緊急事態宣言が発令されました。それを機にさらにみなさま方のご協力をいただきたい。みなさまご自身を守るためです。家族を守るためです。大切な人を守るためです。そして私達が生活するこの社会を守っていくためであることを改めて申し上げたいと思います。

それから何度も申し上げますが食料品、医薬品などの生活の必需品ですね。お買い求めるための外出、通院などは制限はございません。また交通機関の運行も運休など要請することはございませんので、性急な帰省など、また移動は控えていただきたいと思います。

それから企業などにおかれましては、業務を行う際にテレワークの活用を本当に徹底していただきたい。そして、できるかぎり在宅勤務を行うなど通勤は最小限にとどめていただきたいと存じます。今日も東京商工会議所のみなさま方とテレビ会議を行いました際にその旨、ご協力をお願いしたところであります。

なお、今回の緊急事態宣言の発出をうけまして、都として新たに2つの条例を先決により制定することといたしました。

1つ目の条例ですがタイトルが「東京都新型コロナウイルス感染症対策条例」でございます。この条例におきましては、都の責務、都民、そして事業者の責務、これを定める。それから知事の付属機関といたしまして、新たに東京都新型コロナウイルス感染症対策審議会を設置すること。この2つが柱となっております。都の責務でありますけれども、新型コロナウイルスの感染症にかかる措置を総合的に推進する。そのことを規定いたします。それと共に都民、事業者に対しましては感染症対策への協力、そして新型コロナウイルスに関連する者に対しまして、不当な差別的取り扱いをしてはならない。このことを規定した条例でございます。

2本目の条例でありますが、「東京都における新型コロナウイルス感染症のまん延の影響をうけたものの権利、利益の保全等をはかるための特別措置に関する条例」ということで行政上の利益のことを申し上げているわけであります。権利利益のことであります。この条例は新型コロナウイルスのまん延の影響を受けた者のものですね、権利利益の保全等をはかるということで、都の行政手続きに対して特別措置を実施するための手続きを定めるものであります。具体的には行政上の権利、利益が満了日を延長すること。例えば各種資格の認定機関というのがあります。これをこの条例によって延ばすことができる。それから、例えば食品営業許可の更新など、この間になかなかできないということで、それを延ばすことができる。それから奨学金の返還、これについても延ばすことができるなど、これらのことが考えられる。そのための条例であります。要は行政上の権利の利益の満了日を延長すること、および期限内に履行されなかった行政上の義務の履行の免責の規定を設けるという中身になっております。

都民のみなさま方と私たち、一丸となってこの国難をどうにか乗り越えていきたい、どうぞみなさまご協力のほどよろしくお願いを申し上げます。以上、私から緊急事態宣言が発令され、それにおきまして、都が様々な法律に基づいた措置を今行っているところでありまして、今日の時点でのご報告をさせていただいたところでございます。

【質疑応答】

Q.休業要請等をする施設の対象の範囲について、国と調整が必要な点というのはどういう点なのか。

多羅尾副知事:
まず、現在が非常に厳しい状況であるということにつきまして、都と国との間に認識の差異はないと考えております。ただ、施設の使用制限等におきましては、もちろん迅速にやる必要がありますけれども、多くの方が関係するということがございますので、やはり、分かりやすさとか、そういったものが非常に大切でございますので、そういった細部の調整を行っているというところでございます。

小池知事:
加えますと、国の緊急事態宣言後は緊急事態措置として、法律で言いますと45条に基づく外出の自粛要請、それから、法律第24条に基づく施設等の使用制限の要請ということで検討してきたわけでありますが、東京の危機的状況ということを踏まえまして、都の考えている緊急事態措置の内容を必ず実現していくことが都民のみなさまの命を守ることにつながるということから、様々な具体的な内容、それから、近接県との関連もございますので、これらについて国との調整を行っているということでございます。

Q.休業要請について、東京都の考えと国の考えでの相違点を具体的に教えていただきたい。

多羅尾副知事:
今も申し上げましたように、どうしたらいいのかわからない、迷っておられる方、色々いらっしゃると思います。ですので、そういったところをわかりやすくするために、今、国と調整を行っているところでございます。ですから、昨日お示ししたようなものの、さらに、どなたが見ても分かりやすいものであるとか、より合理的な理解が進むように、という観点から、国とともに整理をしているところでございます。

Q.成案を示したいという9日に向けての協議のポイントや、どのような案にしたいとお考えなのか。国との協議を行う上で気を付けたいこと。どのようなタイムスケジュールを考えているか。保育園について都としてどう対応していきたいのか。

小池知事:
それでは、まず私から最初のご質問に対して。まず、この緊急事態宣言、国による法的な裏付けがある宣言でございます。これまでも何度か、私と、東京都といたしまして、現在が感染爆発重大局面にあるということを、何度も申し上げ、そして外出の自粛をはじめとするみなさま方にご協力を賜ってきたところであります。しかし、これによって、国による宣言によって、それがさらに強くみなさま方に対しての外出の自粛をまず明確に後押しをしてくださると、その状況が整ったことを喜んでいるところでございます。そして、その目的は何かというと、やはり、命を守ることであると、このように当然のことながら考えます。そのためには何かというと、感染症の拡大をいかにして防止し、かつ抑制し、緩和していくかというのが大きな目的でございますので、そのために東京都としてどういうかたちでこの感染の拡大を防止するか、最も有効な方法は何なのか、ということを鑑みながら、事業、それぞれございますけれども、それを分けていく、ということで国と調整をしていきたいと考えております。目的が何か、このことが最大のポイントになろうかと思います。命を守ることだと思います。そして、それを集中的に行わないと、結局だらだらとすることが経済にとっても結果的にはマイナスになると考えています。

多羅尾副知事:
昨日もお示ししたと思いますけど、緊急事態措置の対象となる施設は大きく3つのカテゴリーに分けられます。1つ目が基本的に休業を要請する施設でございます。これについては、非常に影響も大きいということから、先ほどから繰り返し申し上げて恐縮ですが、やはりわかりやすい説明の示し方、理由がより合理的にわかるということ、そういうことが非常に大切でございますので、この辺を重点的に整理しているところでございます。それから2番目が施設の種別によっては休業を要請する、ということでございますから、まさにその種別の内容、状況をよく仕分けして、これはお願いする、これはお願いしないということを、基準みたいなものを重視して調整をしております。それから3番目が社会生活を維持する上で必要な施設、生活インフラ、生活必需施設・サービスになろうかと思うんですが、それはむしろ安定して運営を継続していかなければならないということで、これはこれでカテゴリーを明確にすることは非常に大切なことだと思います。ただ、生活必需とは何なのかということで、これはやっぱり多少いろいろご意見があるかと思いますので、より多くの方が納得していただけるように、生活必需とは何なのか、これを改めて国と整理しているところでございます。私からは以上です。

梶原副知事:
それでは私から、保育園の関係でございますけれども、今日、文京区長からもお話がでました。当然、医療関係者のみなさまであるとか、保育士のみなさま、あるいはライフラインを担っているご家庭のお子様、これは保育園が必要だということになります。ただ、一方でなるべくお家でみられる方、あるいはテレワーク等でみられる方については、家庭でみていただきたいという要請もでております。都としては、各区市町村と連絡をとりながら、統一的な方針を出すということで今調整をしているところでございます。

Q.きょう知事いつもと違うマスクをつけていらっしゃるが、マスク問題はどう考えているか。

知事:
本当にマスクが今や世界の通貨をしのぐ存在になってきているのではないかということで、マスク外交などという言葉まで出てきております。本当に、マスクは1つの安全の印とされているだけにみなさまお求めになる、色々と工夫もされていると思います。医療用のマスクの確保等につきましては、今日も、それぞれの病院でどれくらい必要なのかなど、チェックをし、さらに確保に、都としてしっかり対応していきたいと思っています。ちなみに、今日のマスク、わたくしのマスクは手作りで、近所の方がお届けいただいたものでございまして、みなさんやはり色々な工夫をされているということかと思います。

Q.緊急事態措置の対応方針ついて、昨日(6日)わざわざ示した部分あると思うが、結果的に昨日の発表より少し後退したような発表となった。この経緯、どうしてこのような形になったのか。

小池知事:
基本的には、まだまさに調整を行っているということでございます。都といたしましてはやはり、重大局面にあるという認識もございます。それは、国の方も同じだからこそ、今日の宣言につながったものだと思います。しっかりと有効な、効果的なものにするためにも、しっかりと調整を続けていくということで、方向性については変わりございません。ただ、東京とすれば、やはり1日1日が大事でございます。今日も入院しておられる方は1101名。ベッドの方も今週中に1700を確保ということで進めております。今日、ホテルにお移りいただいた方の数は合計で11名。移動していただく方法など、ひとつのモデルケースを、重ねていって、そしてできるだけ病床もより柔軟に確保できる体制も作っていく。こういうのは全部、時間との闘いでございまして、後退をしているというか、時間、こちらの方は時間と闘っておりますけれども、そこは共有しているものと考えておりますので、できるだけ早く、成案を得たいと考えてございます。

Q.具体的に国とやりとり、調整している部分を可能な範囲でお教えいただけないか。

多羅尾副知事:
昨日一定のものをお示ししたということについてですけど、まず、やはり緊急事態措置というのは非常に重要なものでございますから、なるべく早く都民の方に事前にお知らせして、理解していただくということは必要でございますから、これは、できるだけ早く実施するとしてお示ししたものでございます。一方で、その、措置の内容をよりわかりやすく、そして効果的にやるためには、やはり、様々な意見を調節する必要もございますので、それは国と今日やりまして、数日の時間が必要だという結論になりましたので、昨日から今日の流れについては、終始、首尾一貫した考えのもとにやっているというふうに考えております。

Q.本来、今日(7日)きちんと出したかったというのが都としての狙いだったということか。

多羅尾副知事:
基本的には、そういう考えもございましたし、国の方も当然のことながら、時々刻々変化する状況の中にあって、国としても全部を見る視点から色々な考え方も次々と出ているということもあると思いますので、そういう状況の中で、今日のような流れになったということでございます。繰り返し申しますけど、出す以上はより効果的に、ということはやはり基本だと思います。

Q.9日に成案を得て11日に実施というのはなぜか。

多羅尾副知事:
先ほどから申しましたとおり、事前により、都民の方に理解していただくために、一定の周知期間が必要という考え方で、成案を得て直ちにというよりも事前にご説明し、お知らせしている。そういう趣旨でございます。

Q.周知期間は2日で十分ということか。

多羅尾副知事:
ですので段階的に昨日、概概要はお示ししているということでございます。

Q.施設使用の制限の要請をして、要請に従わなかった場合、段階が上がり要請や指示になるという点、何をもって従っていないというふうに判断するのか、どのようなタイミングで指示になるのか、現時点のお考えは。

多羅尾副知事:
それは、非常に、対象となる業種、業態、個々の店舗、施設、様々でございますので、これは一概にこうだということは申し上げることは難しいですけれども、要は実効性という観点から見て、お願いしたことに対して実効性が上がっているかどうかということを判断をして、必要であれば次のステップに進んでいくと、こういう考え方でございます。

Q.1か月後の都内の感染状況について、どのようなイメージを持っているか。都民へのメッセージとしてお伺いしたい。

小池知事:
ではそれは私から。この間はやはり、1か月間という期間、ギュッと凝縮して、そして国が法的な裏付けと共に出された宣言を都民の皆さんと共有することによって、初めて大目的である感染症の拡大を防止する。そしてこの拡大を少しでも下げていくということだと思います。今、傾向を見ておりますと、やはりクラスターというか院内感染であったり、どこかで1つボコっと関連する方々の感染ということがわかっていた、そういう局面と、今はなかなか不明であるという、そういう感染源がわからない数が増えているということについては、これは1つ1つのクラスターについて、潰していくということのみならず、みなさまの行動変容を促していかなければ、また人と人との距離ということで、ソーシャル・ディスタンスという言葉がありますけれども、これらについても、みなさまのご協力を得てやっていくということだと思います。また、様々これからも日々感染者数が報告をされていますけれども、それも1つの目安であり、ただ目安と言っても、その人の人生かかっているわけですし、命もかかっているわけですから、それらのことをしっかりと都民のみなさまとも共有しながら、そして都庁としての責務をしっかりと果たしていきたいと。どれくらいの数値かっていうのは、なかなかお答えすることはできませんが、ここはギュッと1か月間でどこまで絞れるかっていうのを、むしろ都民のみなさま方と共有しながら進めていきたいと。そして、大目的を果たしたいと思っております。

Q.安倍首相は「2週間でピークアウト」という専門家の見解を紹介していたが、都としてはどうか。

小池知事:
それは地域によって違うと思います。そしてまた特に東京の場合はいわゆる繁華街などが各地にございます。それからその数が少ない地域と、ここを重点的に行っていけばいいという地域と、また違ってくると思います。ですから東京の場合はやはりメガシティということもございます。それだけにスピード感と、それから面積、それらも考えながら、効果のある方法でもって、東京は進めていかなければならない、そこを国としっかり調整していきたいと思っております。

Q.施設の使用制限ついて、調整中ということだが、都としてはどういう施設を使用制限すべきとお考えか。国との調整が整わない部分あった場合、特措法外で、都として協力を要請することはありうるのか。

多羅尾副知事:
何を優先して、何を重視して、そういう施設の基準を作っていくのかというご質問であったと思うのですけれども、やはり影響度が高いといいましょうか、感染防止の観点から見て課題が多いところ、これは先月のことでございますけれども、東京都としてはK-1の問題がございまして、あれは非常に色々大規模なイベントということでございまして、都外の対応ではございますけれど、やはり非常に影響度が大きいということで、粘り強く主催者の方と交渉させていただきまして、一定のご理解を得て無観客試合というところに落ち着いたということでご協力に感謝しているところでございます。例えば、こんなことのように影響度の多いものを重点的にやっていくと。そしてまだ調整中ではございますけど、やはりその事業を営む方の中にも、大企業の方もいらっしゃいますし、小規模の方もいらっしゃいます、まあ中小企業といった方がいいんでしょうか、そういった人への配慮ということもやはり必要なんだろうという視点も大事にして、調整をしているんですと。こんなようなことでございます。

小池知事:
やはりひとつひとつ、お店の方、業界の方、どうやってこの間生きていこうか、本当に必死でございます。従業員がいる、家賃が必要だ、色々ございます。それらのこともしっかりととらえながら、一方でこの感染症がそのままだらだらと、引き続き広がりを見せたり続いていくことは、結果としてみんなを弱くしていくということでございます。そういうことからも、都としまして、むしろご協力いただける店舗等についての、それにはしっかりとお答えすることで、先ほどから大目的という言葉を何度も使っておりますけれども、感染症拡大の防止をしなければ、みなさまのこれまでの生活は取り戻せない、そしてこれまでのお仕事が続けられないということでございますので、ひとつひとつの業種をどうするかという調整をただいま行っておりますが、常にこのことを頭に入れながら、みなさま方にもご協力をいただく、そしてまたライフラインとして、絶対に止めることのできない業種、金融業など、まさにその一つの例でございますし、医療機関は当然でございます。それらのことをしっかりと仕分けをしながら、そしてまた感染の拡大を防止するために、ご協力を願わなければならない、そういった方々へのどのような対応をするかということを、まさしく調整しているところでございます。大目的、そのためにも、みなさま方のご協力を引き続きよろしくお願いを申し上げたいと存じます。この後初めての審議会を設けさせていただきますので、都からの報告をこれにて終わらせていただきたいと存じます。ありがとうございました。


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