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銀行とは何か

銀行が何かというと
「物価を安定させることを目的とした組織」です。
お金が紙切れだと少しイメージし辛いので金塊だとしましょう。
なんかキラキラして綺麗だからみんな集めたくなっちゃいます。
金塊持ってるやつも米は食わなきゃ生きてけないので米を買いに行きます。

(´-`).。oO金塊1つで米1俵
(´-`).。oOいや俺はキラキラさせたいから2俵出すよ!
(´-`).。oO俺は3俵だ!
と、なっていくのがデフレと呼ばれるものですね。

逆にキラキラしてるだけで腹は膨れんやんけ
と、多くの人が気づいてしまった場合
金塊1つに対して米屋さんが出してくれる
米の量は少なくなってしまいます。
これがインフレというやつです。

インフレが進んでもデフレが進んでも通貨を正常に機能させることが難しくなるので(金塊が取引に最適な手段であるということが難しくなるので)
インフレした場合には中央銀行が市場に出回る金塊の量を減らすために金利というものを付与します。
これは銀行に金塊を預けておくとその期間に応じてちょっと大きな金塊にして返してくれるというシステムです。
預けとくだけで大きくなるのは魅力的ですよね。
金塊の魅力は復活して米との均衡が保たれる方向に市場は動きます。

逆にデフレになった場合は金塊をばら撒きます。
金塊がありふれたものになれば相対的に価値は下がります。


ここで問題となるのは金塊の希少性故に金塊には
価値があるということです。
希少でキラキラしているということが価値の裏付けとなっているわけです。
実際には加工のしやすさも金塊の魅力の一つとされています。
わかりやすさのために金塊と呼んでいますが
これは「金」の話であり今も市場に存在するゴールドの話です。
金塊を家に置いておかねば米も食えぬのですが
加工したとて結局嵩張るので人々は金塊を
銀行に預けて発行してもらった預かり証を米との交換に使うことで
取引を楽にするという方法を思いつきました。
これが現在の紙幣の起源とされているようです。

そんな取引にも慣れてきた頃
銀行は金ではなく実際には預かり証そのものが
価値を持ち始めたことに気づき始めました。
昔は金塊を根拠に預かり証を発行していましたが
やがて金塊が価値を担保するシステムから
銀行が預かり証(今の銀行券)の価値を直接担保することで
市場を回しちゃうことにしてしまいます。


ここでよく陰謀論が絡んだ話がされがちなのですが
僕はそれらは半分くらいは正しいと思うし
半分は間違っていると思ってます。
陰謀論だとここで信用創造は詐欺だという話になるのですが
一応僕は市場に居座る身として解説をさせて頂こうと思うのですが
その場合はここで金塊という担保が何に移ったかを適切に捉える必要があります。
そうです。前述した通り銀行です。
わかりやすく銀行と呼んでいますがここで指す銀行とは中央銀行です。
つまり中央銀行そのものが現在の紙幣制度の価値そのものなのです。


(´-`).。oO中央銀行キラキラしてなくね?希少なの?

と、ちゃんと呼んでいれば即座に思うと思うので
解説をさせて頂きますと
紙幣はディティールを凝って偽札が作り辛いという
側面が金塊でいうとこのキラキラ部分であり(これはほぼ言い訳程度のやつなんですけどね)
希少であるかどうかも中央銀行は紙幣の流通量でコントロールすることができます。

流通量を上手くコントロールすることで
物価を安定させる。
この行為そのものが通貨の価値の担保となっています。
うちの紙幣に対して米がバカ高くなったりバカ安くなったりしないんだと
俺たちはそういう運用ができるんだぜと
信用してもらうことが中央銀行にとっては最も重要な仕事であり全てです。

ここまで理解した上で改めて日本円について考えてみましょう。
この20年間今ほど円安に傾いたことはなかったですよね。
その間日本の物価はどうでしたでしょうか。
他国と比べてもほぼ横ばいと言っていい推移でしょう。
つまり物価は安定していた訳であり
物価が安定している中では通貨の信用が損なわれる心配もないので
通貨の価値が一定の水準を保っていました。


しかしながらどうでしょう。
投資界隈に身を置いているのであれば
「2%の物価目標」というものが存在し
各国がそれを目指していることをご存知かと思います。
この目標を前にすると日本という国、日本の中央銀行は
ずっと劣等生という烙印を押され続けていたのは皆様ご存知のことと思います。
なぜ2%のインフレ状態が目標なのかというところを考えたいのですが
少しインフレであることは中央銀行にとって都合が良いのです。
通貨の希少性が薄れていくならずっと金利を付与して
少しずつ信用を調整するだけでいいからです。
反対に目標がデフレ2%だったとしたら信用を減らすために
通貨を調達(発行)するコストを銀行は負い続けなければなりません。
これが物価目標がインフレ寄りな理由です。

銀行は物価を安定的に推移させ
対通貨の取引を円滑に行わせ
その中で収益を上げることが目標だということですね。
つまり陰謀というかそもそもその陰謀と呼ばれるようなことが仕事なのが中央銀行なのです。


こんなことを執筆して何が言いたかったのかというと
多くの人が漠然と勘違いしているとチダルマが思っているのは
「銀行は与えられた仕事をこなしているだけ」ということです。
政治も陰謀も関係なく中央銀行の仕事は
「物価を安定させて自身の信用を保ち続けること」なのです。
そのなかで国が安定的に円滑に回っていなければ
物価も安定的に推移させることは難しいので
時に政治や国民の感情を少し加味してあげているだけにすぎないのです。


ここまで書き連ねたことを踏まえて指標を見れば
少し見方が変わる人もいるのではないでしょうか。
全ては物価が安定的に推移するために行われている事柄に過ぎず
それは銀行が信用され通貨の価値が毀損されないために行なっていることに過ぎません。
物価が安定するためなら多少景気が悪くなろうが知ったことではないのが銀行なのです。
大義のため、より多くの人が円滑に生活を営むためそのようなことが行われています。
我々は相場の前では無力であると思いがちですが
我々が銀行を信用しないと総意が取れた時点で
簡単に通貨は爆ぜるのです。

壮大げなお話になりましたが今回は
中央銀行と紙幣がなんなのかというお話をできるだけわかりやすく書こうという記事でした。
それだけが全てとは言いませんが信用創造は
銀行が紙幣を運用して物価を安定させる上で発生する正当な利益だということもわかりますよね。
大変ですもん物価の安定。
そんな感じで、ありがとうございました。



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