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東京15区補欠選挙についての所感

この記事では、東京15区補選の情勢や当落を争うとみられる3氏についての私の所感を述べたいと思う。

東京15区補選の情勢については、ネット上に流れている情報(真偽不明のものもあるが)や国民民主党の玉木代表の上記ポストを見る限り、立憲民主党の酒井氏が先行しているものとみられる。

ではまず、その酒井氏について。
酒井氏は区議会議員を2期務めており、2期目の途中で辞職し昨年12月の区長選挙に出馬し落選した。落選はしたものの、一定の顔見世効果はあったと見られ、区議として2期4年半の活動してきたこと等々を考慮しても情勢調査で先行しているのは自然なことに思われる。

また、共産党とが候補者を取り下げたことも基本的にはプラスに効果があると見られる。一方で共産党が候補者を取り下げたことにはマイナスの効果もある。いわゆる「立憲共産党」と捉えられる形をとることで逃げる票もあるとされ、そこは浮動票を獲得するうえでのハンデになると思われる。その辺りも考慮すると伸びしろは他2氏と比べるとあまりないのではないかと思う。

立憲民主党は江東区には1人しか区議はいないものの、区議の活動量はかなり多く、ポスターの数は柿沢氏、金澤氏に次ぐ枚数と言われている。
酒井陣営は江東区内に1,000枚のポスターを掲示する予定で、4月9日地点ではすでに600箇所で掲示を終えたとのことで急速に準備が進んでいることがうかがえる。
「区民の声を聴く、聴く、聴く。話すより聴く酒井なつみ」というテーマで活動しているとのこと。支持層が被るとされる須藤元気氏をはじめとした他陣営への票の流出をいかに阻止して逃げ切るかという情勢だと思う。

次に乙武氏について

乙武氏はファーストの会の副代表に就任し、出馬会見のバックにもファーストの会のポスターはズラリと貼られていた。しかしそれにも関わらず、その出馬会見では「無所属」で出馬することが語られ、有権者に大きな違和感を抱かせる結果となった。その会見に対しては否定的な声が多く、政治ジャーナリストの安積氏はこれで2000~3000は票が減ったとYouTubeの動画内で発言している。
また、推薦をめぐってのゴタゴタもあり、乙武氏についてはネガティブな話題が先行していたように思われ、失速を感じた。

そんな中で4月13日には小池都知事との演説会では、やはりさすがの集客力というべきか、少なくとも300人はいたとみられる聴衆に対して、小池氏の演説は乙武氏に絡めたもので福祉の話題が中心、乙武氏も「障害者の当事者である私しかできないことがある」など演説していたが、演説を聴いた人には好印象を持った方が多いようで、私はこの演説会で潮目が変わったかなと思う。

立憲民主党の泉代表などは「東京の選挙は瞬発力」と語っている。これに関してはすべての地域がそうだとは思わないが、少なくとも江東区に関しては、豊洲などの湾岸タワマンエリアはこれに該当すると思う。そういう意味では特に当該地域では乙武氏は伸びしろがあるように感じる。

そして何より小池氏がバックについている影響は大きい。
告示後も頻繁に江東区に入ると見られ、他陣営にとってはかなりの脅威になると思われる。
また、公明党を動かせるかもしれない力を持っているという点も大きい。
公明党は前回の区議選で合計3万弱の得票を得ており、仮に女性部が動かなくても全体の2~3割が動くだけで数千票単位で票が動くこととなり選挙戦には大きなプラスとなる。

一方で、今回の補選では大幅に投票率が下がると見られ、特に湾岸エリアでは他地域と比べると投票率が低く傾向にある地域が多く、浮動票を取り込みたい乙武陣営にとっては懸念材料となるだろう。

最後に金澤氏について

金澤氏は前回の衆院選の公認時から江東区で活動を続けており、現地点で5年目となる。国政に向けたで活動してきたことで、ポスターの数は先月地点では圧倒、また地域イベントへの参加、地域コミュニティへの挨拶まわりなどを積極的に行っており、この辺りは同じく江東区で活動を続けてきた酒井氏に対してアドバンテージがあると思われる。

また、本人のツイートや、下に掲載の維新deGO!の動画、上記ポストなどを見る限りでは、特に事務所のある深川エリアではかなり浸透しているようだ。
維新deGO!の動画内においては「知らない所から来た人に選挙をかき回されたくない。」との声があり、特に深川・城東地域、年配層においてはそのような方が一定いるとみられる。この点では、江東区での活動歴が長い金澤氏と酒井氏に大きなアドバンテージがあるだろう。

4月14日には吉村共同代表が5か所で応援演説に入った。
江東区の維新としては今まで見たことない多さの聴衆で盛況だったようだ。
演説内容は主に政治とカネの問題についてだったが、豊洲の演説見た選挙芸人の山本期日前氏は「金持ちの多い豊洲で、身を切る改革などの内容がハマっていなかった」と指摘しており、地域特性に応じた演説内容の改善の余地はありそうだ。いずれにしても、ここまで吉村氏がコミットするということは、金澤氏がそれなりに良い位置に付けていると見てよいだろう。

維新は選挙戦後半に伸びる傾向があり、また前回衆院選では、神奈川13区(立憲・太氏)、兵庫11区(維新・住吉氏)など地道にドブ板を行ってきた候補者が選挙戦で大きく伸ばした例もあり金澤氏がそれに続くかどうか。
そこで、やはり支持層の被る乙武氏の存在の影響は大きいだろう。
維新の支持率が高いとされる高所得者層の多い湾岸エリアにおいて、乙武氏に票が流れる可能性があることは金澤氏にとってはかなり痛手となる。しかし一方では、先ほど述べたようなアドバンテージもありどこまで伸びるか。
先日の吉村氏の演説ではトップを走る立憲民主党を意識する部分が随所に見られたがこれと同時に、いかにして乙武氏への票の流出を防ぐか、という点が重要になると感じている。難しい話だが・・・

最後に

株式会社ソーシャルラボ代表取締役の新田氏が上記ツイートをしているが、寝技を使えるのは小池氏にほかならず、これがうまくいった場合には乙武氏が一気に優位に立つ可能性もある。
金澤氏も自民党支持層から票が入る可能性がないわけではなく、通常の伸びしろと合わせてどこまでいくか。
酒井氏は伸びしろは少ないと見られ、今ある票をしっかり繋ぎ留めて逃げ切れるか。

そして大事なのが、衆院補選の前に来週には目黒区長選挙があります。これの結果によっては衆院補選にも影響が出るでしょう。少なくとも都民・国民の推薦する伊藤ゆう氏が当選することになれば、乙武氏には間違いなく追い風になるでしょう。

記事は以上です。ありがとうございました。

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