5/26◎モダンマジック/真の瞑想を実現させるタロットカードの「スキャニング」

●おいでになった本。

魔術実践の具体的で丁寧な解説。

●タロットについては、「スキャニング」という瞑想方法がおもしろい。古いテレビのブラウン管には走査線というものがあった。画面の映像は一度に全体が表示される訳ではなく、電子銃と呼ばれる装置が光線を画面に向けて一点ずつ発射していった。これはタイプライターの文字が一文字ずつ印字されるように、まず画面の一番上の横一列を描き、次にそのすぐ下の行を描き、これを高速で繰り返す。このとき横のラインの一本一本が走査線で、画面をよく観察するとこの線が見える。

カードの「スキャニング」では、ブラウン管の電子銃のように視点を絵の上に移動させていく。上から下に向けて約1.5cmごとの水平の帯として見て、右上から視点をカードを右から左に移動させる。左端にたどり着いたら、その下の帯をまた右から左へ。カードの全範囲をカバーするまでこのプロセスを繰り返す。部分的にカードを観察しながら視点を動かしながら、スキャンした部分を記憶する。

スキャンが終わったらカードを裏にして、記憶を頼りに1帯づつ頭の中で再現し、カード全体を視覚化する。

それができたら、また右上からスタートし、今度は同様の動きでイメージを消していく(非スキャンする)。カード全体が消えるまで繰り返す。

カードが消えると共に、意識も消去され、頭の中の独り言も停止する。真の瞑想が実現する。

●カードを記憶して視覚化するために、全体を見たり細部を見ようと視線をあっちこっち動かしたりすることがあるけれども、強制的に1.5cmずつの帯で分割して視線を動かせば、見逃しが少なくなりそう。

こういう感じで全体が具体的、実用的。