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テレワークゆり物語 (103)起業の背中を押した言葉

「旦那さんにご飯を食べさせてもらってるから、できるんでしょう?」

「起業の背中を押した言葉」というと、前向きな応援メッセージが多いと思うが、私の場合は違っていた。

1997年冬頃、自分のホームページ(当時はブログなどなかったので珍しかった)に、ずっと考えていたことを書いた。

在宅ワークというと、データ入力やテープ起こしの作業しかできないと思われているが、そうではない。たとえ在宅でも、ネット上で、会社のようにチームで働くことができれば、より高度な仕事ができる。
結婚や出産で会社を退職した、有能な女性が集まれば、家に居ながら、大きな仕事ができるはず。

これに対して、ある男性(ビジネスマン)が、冒頭の言葉を言ったのだ。
その真意は、以下だ。

ビジネスにならない(儲からない)事を考え、それに一生懸命になれるのは、主婦だから。夫が働いて、生活に困らない。安全な状況で、無茶なことを語れる。家族を支える男性は、そんなことはできないんだよ。

一部、田澤の想像含む

女性のみなさん、主婦の皆さん、どうか怒らないでほしい。
いまから、四半世紀前のことである。

しかし、当時の私は「カチーン」ときた。そして、考えた。

確かに夫の給料で、スーパーに買い物に行って、お米を買っている。
(いやいやソコではないでしょう)
「旦那に食べさせてもらっている」という事実には反論しない。
しかし、それを理由に、私が考えていることを「儲からない」と決めつけていることに「カチーン」ときた。

何とか見返すことはできないか。

私が、会社を辞めた優秀な女性たちとチームを組んで、在宅ワークで仕事をして収入を得ても、やっぱり「主婦だから」と言われるだろう。

そうだ、会社にしよう。

会社なら「収入」と「支出」が明確だ。
自分の考えていることが、ビジネスとして成り立つことを証明しよう。もう、夫の給料の話など、言わせない。

しかし、私は起業はもちろん、会社経営の知識も経験もゼロ。
しかも、夫は転勤族。数年ごとに住む場所が変わる。果たして、会社を作るなんて、可能なのか?

「背中は押された」ものの、実はここからが大変だった。 つづく・・・


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