見出し画像

#96 心のドーシャ、トリグナの話【アーユルヴェーダ、ヨガ】好きの質を高める

おはようございます。インド嫁です。アーユルヴェーダを勉強したり、ブログを書いたり、イベントを運営したりしています。

8/15は日本は終戦記念日ですね。インドは独立記念日です。この日は全国祝日、そして大々的な自衛隊のパレードやものものしいセレモニーが行われます。

インド門という観光名所がデリー市内にあります。このインド門は、第二次世界大戦で命を失った戦士たちの名前が刻まれています。これを聞くと私はいつも靖国神社を思い出します。

歴史的な解釈や、賛否両論あるのは承知でいうと、亡くなった方へのお弔いぐらいいいじゃないですか。日本は、非難よりも、Gotoよりも、賞賛を増やすキャンペーンを行った方がいい気がします。外からみていて、ディスる文化は恥ずかしいです。

さて、本日の質問です。

画像1

と頂きました。今日のテーマは、「心のドーシャ、トリグナの話」です。

気持ちを整理しよう

まずは、質問者さんの質問を箇条書きにします。

1.20年付き合ってる彼氏がいる
2.20年毎日ずっと大好きだったが突然好きじゃなくなった
3.別れたくない
4.好きという気持ちが復活する気がしない
5.彼氏への気持ちは薄れたが原因がわからない
6.また「好き」という気持ちをもてたらいいなと思う
7.6は可能か?

という感じです。今日は心の性質「トリグナ」の話をします。

誰もが持っている3つの心の性質

質問者さんが、アーユルヴェーダをご存じなければ、この部分はとばしてもらって、後半の結論に進んでくださいね。

過去にドーシャや、診断に関するブログを書いていますのでリンクを貼っておきます。このドーシャは、主に肉体的なドーシャ、又は脳や心臓で作られる性格に関するドーシャを言います。

今日の「ドーシャ」は心のドーシャと言います。アーユルヴェーダでは、この世にあるありとあらゆるものは5元素でできているという考え方です。この5元素にはそれぞれ相対的な特徴があります。

宇宙の構造と人間の体の構造は同じだという考えです。

インド古典ヨガは自分の心をコントロールする為の術が詰まっています。そのため、心の移り変わり、その人がもつ心のドーシャが存在すると教えられます。

サットヴァ・ラジャス・タマス
がそれです。

自分の感情はコントロールできる

3つのドーシャは心の性質と考えられ「トリグナ」と呼ばれます。またヨガスートラにもでてきますが、言葉が少し違います。このあたりは今回は省きます。

サットヴァは、いわゆる「いい人」です。前向きで、明るくて、慈悲深い、無償の愛、勤勉で、よく働きます。

ラジャスは王様という意味の「ラジャ」の名前の通り、リーダーシップ、向上心、目標達成、支配欲、自分にメリットがある者への貢献、などがあります。

タマスは、怠惰、三大欲求(睡眠、食欲、性欲)そのもの、無関心などです。

体のドーシャ(ヴァータ、ピッタ、カファ)と一緒で、どの人も3つ持っています。そして、人によって3つの割合が異なります。

体のドーシャとの違いは、アーユルヴェーダやヨガは食べ物や日常生活、ヨガの修行においてこの割合を意識的に変える事が出来ます。逆もしかり、日常生活によってラジャスやタマスが増える事もあります。

本当の好きとは何か

質問者さんの質問をもう一度みてみましょう。

1.20年付き合ってる彼氏がいる
2.20年毎日ずっと大好きだったが突然好きじゃなくなった
3.別れたくない
4.好きという気持ちが復活する気がしない

2は細かくあります。理由を「わからない」と書いてはいるものの、意思がはっきりしています。喋りたくない、会いたくない、キスも、性行為もしたくない、です。

「わからない」は考える事を自分で放棄しているだけ

質問者さんのようなケースもそうですが、「わからない」というのは実はすごく都合のいい言葉なのです。

算数のニガテな小学生がいるとします。

彼女は9+12がわからない、と言いました。

でも、9+2は11で、10にさらに10を足し、一の位は1 (縦に書いて足し算したら)わかると言いました。

そう、一瞬考える事を拒否しているだけなんです。

質問者さんはこれと一緒です。出来事に目をつぶっても、解決もしません。だから縦に書いて足し算するように心を整理して一つずつ考えましょう。

本当に毎日大好きでしたか?

実は、質問者さんの質問の言葉を見ると、主にラジャスの性質が入っています。

言葉の「目」が全部自分に向いているのです。

質問者さんが意識して、自分の事だけを書いた、という可能性はあります。しかし、それにしても相手の事を考えた言葉が一つもありません。

もしかしたら、「私は彼の事が好き」と思い込んでいるだけ、かもしれません。もしくは「彼は私の事が好き」と思い込んでいるかも、です。

ラジャスの性質は、もう一つはっきりと表れています。

3.別れたくない、です。

ここも主観は「私」です。彼の前で泣いたり、キスを拒んだ時に相手がどう思ったか考えましたか? 

たとえ20年も一緒にいても、相手が別れたい、と考えていたらどうするのでしょう。それでも相手の気持ちを無視して「別れたくない」と言えますか?

ラジャスが優勢だと、支配欲が強くなります。ラジャスの性質は全て自分軸に考える事が多いです。

全て過去が作り出している幻覚

質問者さんは

6.また「好き」という気持ちをもてたらいいなと思う
7.6は可能か?と書いています。ここの回答を言いますね。

それは「あなた次第」です。

もし、質問者さんがそのままでいれば、お互い幸せになる事はありません。というか質問者さんも、心と体がちぐはぐになっている状態が長く続けば、それは体にも影響します。

「今ここ」を考えるだけ

過去に、どんな事があったかはわかりません。また何年付き合ってもかまいません。でもそれは過去です。今は過去ではありません。

今のこの瞬間の気持ちがあなたの本当の気持ちです。

これはヨガのグルジの教えですが、人は頭の中に倉庫を持っています。そこには、過去に出会ったものが「記憶」として残っています。

でも、この「記憶」にまとわりついている「感情」が不必要なのです。本来「記憶」は事実のみで、それにいいも悪いもないです。それによって現在のあなたの意思が影響されている事が問題なのです。

無償の愛とは、見返りを求めない事

今の質問者さんの、相手に対する感情は、ご自身でも書いている通りです。本当は理由はあると思います。でも、前に書いたように、考えるのを拒否しているだけです。

顔を見るのも嫌で泣いてしまうぐらいなら、会わない方がいいです。これは、あなたの心と体をバラバラにしないための結論です。

しかし、20年付き合った人が、たとえ数週間でも会わない日が続けばその愛は冷めてしまうのでしょうか。

あなたが、彼を好きだったように、彼もあなたを好きでいてくれました。「好き」という気持ちに嘘はないと思います。でも、その好きは「ラジャスの好き」ではなかったですか?

それを「サットヴァの好き」にしましょう。

好きの質を高めます。

「私を好きだからその人が好き」は、相手に失礼です。その人のいい所をみつけましょう。尊敬できるところとか、見習う所とかを探すのです。

そして、相手が何故自分を好きでいてくれるかも、聞いてください。(落ち着いたらでいいです)

サットヴァの好きは、母親がわが子に捧げる「好き」です。見返りを一切求めない無償の気持ちです。

サットヴァを増やす為には

あなた自身のサットヴァを増やすには、まずあなた自身が幸せにならなくてはいけません。そのためには、まず体を健康にして、心が穏やかになるような生活に変えてください。

特にラジャスは体のピッタと連動している場合が多いため、ピッタを増やす食べ物や日常生活は避けるといいです。

それが、短期的に彼と会わない、という結論ならば、キチンと自分の気持ちを言葉にして、彼に誠意をもって伝えましょう。

自分の気持ち、相手の気持ち、どちらもちゃんと考えるのです。

人間は、他のどの動物よりもこの「考える力」を神様から頂いています。これをしっかり使いましょうね。質問者さんが幸せになれるよう、心から祈っています。

このブログでは、質問者さんの質問をアーユルヴェーダ的、インド的にお答えしていきます。お気軽に質問をお寄せください。

それでは、素敵な一日が過ごせますように。
















この記事が参加している募集

習慣にしていること

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?