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神話の類似性

日本神話とギリシア神話が類似してるとは明治時代から言われてるそうだ。

ただ自分は具体な事例を2つしか知らない。冥界下りと羽衣伝説。
どちらもギリシアというより世界各地に見られる。

類似する原因は大きく3つ考えられる。

①起源が同じだから
②深層心理が共通だから
③偶然と確率

神話の類似性というテーマが自分にとってポイント高いのは例え上記のどれであっても面白いとこ。


①は歴史的ロマンを感じる
例えば海幸彦山幸彦の釣り針を貸借する話は人類が脱アフリカした頃の神話を起源とする可能性がある、とどこかで読んだ。
世界中の神話から類似性を摘出することは人手では困難だったが、昨今コンピュータによる言語分析、統計解析が進展しわかってきたとかなんとか。
ほんまかいなと思うけどほんとなら凄い。技術的にもどうやってデータ化しどんなアルゴリズムで解析したのか興味が湧く。

②は神秘性を感じる
代表的なのはユング。正直自分はユングを全く信じてないが、ユング用語にワクワクを感じてしまうのも事実。
シャドウ、アニマ、グレート・マザー、シンクロニシティ等々。
生物的構造が同じなのだから心理的構造、特に意識による修正が入り辛い深層心理の構造が共通でもなんら不思議はない。であれば深層心理が表出するパターン所謂「元型」により物語が共通化する可能性はある。

③偶然・確率。これはこれで面白い
数百のエピソードを持つ神話群なら1,2個類似した話が逆に無い方がおかしいというもの。
算数クイズで面白がられる「クラスメイトに同じ誕生日の子がいる確率は意外と高い」と同じ。人間心理と確率現象のギャップ。認知心理学ぽく、なんとかバイアスみたいな名前が既にあるかもしれない。
もしそうなら人が「物語」を区別するのはストーリではなく登場人物や演出なのかもしれない。構造的には類似した物語を演出によって「違う物語」と認識している可能性がある。「神は細部に宿る」というもの。


きっと①②③以外にも神話が類似する可能性はあるだろう。
そんな神話論が出てきたらそれが一番読んでみたい。

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