新卒入社した会社を1年で辞めた脱走兵の今-「V字回復の経営」書評

今月の田端大学の課題noteです。

読んでいて自分の過去/現在の経験と重なる箇所が多かったので実体験を元に書いてみます。

■こんな人に読んで欲しい

会社で活躍したい人
組織の中でどう立ち回ればいいのか悩んでいる人
組織を変えたいというマインドを持っている同志

■新卒で入社した会社の話

所謂高学歴と呼ばれる大学の学部/大学院を修了して入社したのは、創業約10年、100名ほどの規模のWeb広告代理店でした。未だに何故その学歴でそんな会社に?と色々な人に聞かれますが、その話は置いておいてここでの経験を書きます。

入社した会社は、良くも悪くもベンチャー気質でした。入社して2週間で一人で現場に放り出されてWeb広告の営業をひたすらにやっていたのが懐かしいです。優秀な上司や同僚に恵まれたことあり、営業成績もそこそこに良く、入社半年ほどで会社の取引高トップ2の代理店を任せて頂けたりしました。また、営業だけではなくバナーを制作したり新しい広告メニューを考えたり、会社の利益になることであれば何でもやるゲリラ戦のマインドがついたのはこの会社での経験の賜物です。

■不振と退職

入社してから1年弱経ったころ、会社の状態はあまり宜しくない状態に落ち込みました。(前職の名誉のために書きますが、今は回復したらしいです。)尊敬していた上司達が次々に退職していき、売上も落ちていく。そんな状況の中で、私はここにいても得られるものは少ない・この状況は自分には変えられないと考え、より上流の広告やコミュニケーションに携わるべく転職を決意しました。

ここで重要なポイントとして挙げますが、この時の会社は「不振事業の50の症状」の殆どに該当していたと思います。また、私はこの状況は、自分のせいではないと他責にして逃げ出した「脱走兵」「裏切り者」であったと感じています。

■転職してみて

結果、転職した先は、業界最大手のPR会社群の中でWebコミュニケーション領域を扱う会社です。
営業から一転して、Web広告のプランニング/運用担当になりました。それまで扱ったことの無かったDSP広告・リスティング広告・SNS系の広告などを短期間で覚えるため、色々な本を読んだり、検索しまくったりと奮闘した結果、入社3ヶ月で社内勉強会を開ける程度には成長できました。

■そして3年が経って

勤め上げる力が無かった自分ですが現職ではなんとか3年ほどやってくることができました。Web広告から始まって、前職で培ったゲリラ戦マインドを活かし、Webサイトのディレクション、SNSマーケ、カメラマンなど色々なことに手を広げて今では何担当かわからない何でも屋になりました。昨年は9名のチームのリーダーを任せて頂けたり、今はマネジメント研修に参加させて頂いています。

■今感じていること

現職の会社も設立から約15年、社員数が100人に到達しようとしています。
今、日頃考えていることはこの規模になると組織としての統制が取りづらくなるのではないか?ということです。また、会社としてある程度安定するので「自分に与えられたことだけをやっていればOK」「それは自分には関係ない」というマインドの人が少なからず生まれるのではないかということ。今、経営的に安定していても、そのマインドが蔓延った後に業績不振に陥ると自分が逃げ出した前職と同様の状況になってしまいます。

■そうならないために持つべき考え方

この3年で自身の領域を広げてきた私ですが、常に意識していたのは自分に課されているミッションです。様々な解釈があるとは思いますが、私が考える会社員のミッションは「会社の長期的な利益に貢献すること」です。このことを意識していたからこそ、会社の利益になることを提供できるよう課題を見つけ、自身の出来る幅を広げてこられたと思っています。

■V字回復の経営を読んで

V字回復の経営を読んで感じたことは「常に課題を生み出し、解決していくこと」の重要性です。経営不振に陥っていたアスター事業部の抱えていた課題は大きく分けると下記3つです。

①社員が課題を把握していない
②課題があったとしても、それを自身が解決できると思っていない
③全て他責にする社内体制になっている

つまり、アスター事業部の社員は会社のことは自分には関係のない他人事として認識していたわけです。しかし、社員だけが悪いわけではありません。会社にも問題があります。「うちの会社は何を言っても変わらない」「頑張っても損」と思わせてしまう会社の組織体制が彼らを生んだと思います。社員も被害者の1人という見方もできます。

「社員1人1人が課題を見つけ、解決しようとする」この体制を取り戻したことが本書での黒岩莞太らが成し遂げた最大の功績だと思います。

■ゲスト感覚からホスト感覚へ

ここで過去に取り上げた福本さんの名ツイートを再度登場させます。

このツイートを本書に当てはめて過大解釈すると「課題を出される側」から「課題を提供して、共に解決に取り組めるホスト側」になることが重要なのでは?と思いました。

「会社の長期的な利益」のために現状に甘んじることなく、課題を見つけ解決していく。それが組織に貢献できるサラリーマンなのではないでしょうか。

■本書を読んだ上でこれから取り組みたいこと

私が、これまである程度の成果を出してこられたのは「自分がやりたいと思ったこと」「変えたいと思ったこと」を受けられてくれる上司・会社があったことだと感じています。自分の行動で周りを変えられるという一種の過信もあったと思います。そのマインドを若手の後輩たちに根付かせていき、会社の利益に貢献していきたいと思っています。自ら課題を見つけて解決のために自走する習慣を根付かせてあげたいです。

昨年読んだ中で特に良かった本である「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」にも書かれていましたが、人を育てることのレバレッジは大きいです。

その上で「創って、作って、売る」の商売の基本を忘れないよう、現状に甘んじることなく、競合の調査や業界の動きに常にアンテナを張って、自分たちの提供するものの価値を高めて行きたい次第です。

偉そうなことを書いていますが、普段業界の方などのお話を伺っていると自分がまだまだ至らない雑魚であることを痛感します。(そうやって外を知ること、そこから課題を見つけることこそが大事だと思っています。)

■心情抵抗型(改革後期フォロワー)の皆さんへ

このnoteを読んだ人の中には、オンラインサロンに入っている事や日曜の夜にこうしたアウトプットをしていることを意識高いと嘲笑う人も一定数いると思います。かつての自分もその1人だったのですが、そのスタンスでは何も変えることは出来ません。面倒な評論家として煙たがられるだけです。

日本の労働生産性の低さが今問題になっています。仲間内で足を引っ張らず、共に頑張れる社会を目指す方が明るい未来が待っているのではないでしょうか。

先日、すがけんさんが会社で勉強会を開催して下さった際に仰っていたのが「価値とは相手に対して提供できた変化」。 組織・社会に対して良い変化を起こせるよう共に頑張りましょう!!

■仲間が欲しい

何かの間違いでこんな私と一緒に働きたいと思って下さった方がいたらご連絡頂けると嬉しいです。Web広告の運用経験がある方を特に探しております!!

以上です。

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