マガジンのカバー画像

ドローイング

88
運営しているクリエイター

2020年1月の記事一覧

コントラスト

この腐って死臭のしそうな感覚がある。鏡を見ればその感覚を入れてるらしき二足歩行の動物の姿がある。目の奥に、この光景の感覚があるらしい。鳥の鳴く声が聞こえる。顔周辺は清潔に見えるはずだけど、唇だけが脈打ち、内臓の淫らな欲望を表しているように見える。確かに姿を確認すれば、姿通りの感覚がある。頭から2点2本に枝分かれた箇所がある体が立ち誇っている。寒気、ぞわぞわした感覚が巡り、一瞬宙に浮いたような感覚も

もっとみる

赤と青が混ざり合うことなく、地平線のような隔たりと共に共存している顔がある。簡単な命、死んだら終わるこの生涯で備わった目的と快楽のままに意味を求めてひたすらに悩み続け曖昧に行き来を繰り返し好きなだけ抑揚しいずれ迎えと共に死ぬような命、そんな命とは呼べない命を宿している顔で、その顔をイメージすると私の最も知性のない素直な目的の所で恐怖してその顔へと顔が修正されてゆく感覚が顔の皮膚の表面に波のように溢

もっとみる

青春

俺は今日も悪口を冴え渡らしていた。
「おはようなんて言ってやらない。お前はいつも来てくれるからな、ショートケーキをきらっきらの白米の壮大性に乗せたような奴だな」
俺は起床直後の朝への悪口で今日のセンスを問う。今日の俺を名付けるなら「ピアノマン」だ。
おしっこをしながら中指を立てる。
「好きだぜ!トイレ!俺は毎日トイレが楽しみで堪らねえ!大好きだぜトイレ!ずっと一緒にいてやるからな!」
中指を立てな

もっとみる

ラブレター

学校にきて、自分の机に手紙が机に入っていた朝。

いつか死ぬって心の底からわかってみたい。今も生きている心地がしません。生きているってことは呼吸してるってこと?でもこの体が死んでも私は生きているような気がしちゃうのです!だったら私は何なのかしら、生きている人に聞いても仕方ないよね、でも貴方、一際死んでいるみたいだし、死ぬってやっぱり存在が消えるってことだから、存在が薄い君はまあまあ死んでるって

もっとみる

刺繍

豚が縫われていた。いつも食べられてばかりの豚が丁寧に矢継ぎ早に並べられ縫われ縫われ音は無かった。暗闇だったか、人は私だけで、円環の内に立ち止まり、首を人でなしに回していた。この首の動きからして、私は文化的に認知されている動物としての人ではないことは明らかだが、感覚としての人、遠心力で垣間見える姿は余りにも人ではない、感覚だけはそっと寄り添っていた。ぐつぐつして纏まりに欠けるアスファルトが肺胞に似て

もっとみる

末期ではない

暗い暗い何もないとも思えるけどそれは視覚的に見えないだけで空間があって隔たりがあるのならそれは何かがあることだしここには客観があって私が何もないと思うだけで誰かは見つけているかもしれないしそういう可能性ならあるといっても良いからとにかく可能性はあるしこの黒色のドットの一粒一粒にそういう可能性があったとして私はその中に包まれているということだから、携帯の液晶が月みたいに光っていると夜思う。月を持ち歩

もっとみる

想起の失敗

都会に無数に蔓延るダンゴムシと、その夜を共有している木、静かに佇むゴリラの群れ。時間割はゆうに自我を持つ頃だった。
チクタクチクタク
時計が鳴り止まないとき、たかしくんはキレた。
「読書!!!!!」
たかしくんは読書をしていて、読書をしているくらいだから理性はデブのワイシャツのボタンのようなもので、それゆえに時計に人間の言語を話しても通じないから理解を求める必要はなくてただ感情を吐露したら良いのだ

もっとみる