「不満を生む場所ではなく、解消する場所に」週刊フォースプレイス#10

タクシーはフォースプレイスになる。
現代人の居場所として、タクシーが意外と必要な存在になると思っています。
それはメンタルヘルスにおいてもです。

タクシーといえば「時間を買う」とも表現され、その時間でお仕事をしたり
電話をしたり、束の間の休息にしたり。
利用者によって様々な使い方がされます。

今後は「居場所を買う」という表現も利用者によってはあるのではないかと思っています。

今回の記事はフォースプレイスについて語っていくシリーズの第十回で「不満を生む場所ではなく、解消する場所に」のお話です。

「タクシーを移動手段からエンタメに変えていく」
日本タクシーエンターテインメント協会 
発起人 ヨナシロ
です。

週刊フォースプレイス、、、
タクシーはフォースプレイスになると思っているヨナシロがフォースプレイスについてタクシーがフォースプレイスになる理由を書く連載です。
これまでの記事
「落ち着ける場所を探すあなたへ」週刊フォースプレイス#1
https://note.com/taxi_driver1/n/nb762f5159d4a
「繋がらない繋がりという安心」週刊フォースプレイス#2
https://note.com/taxi_driver1/n/n904cbf32db53
「フォースプレイスは令和元年」週刊フォースプレイス#3
https://note.com/taxi_driver1/n/n1ca7e55a6c15
「タクシーの“顕在的な居場所”“潜在的な居場所”」週刊フォースプレイス#4
https://note.com/taxi_driver1/n/n7ccfc10d7144
『「役に立つ」から「意味がある」へ』週刊フォースプレイス#5
https://note.com/taxi_driver1/n/nc5db2693bf9c
「フォースプレイスの具体例」週刊フォースプレイス#6
https://note.com/taxi_driver1/n/n5b49798a5e1c
「おじさんの威張れる場所」週刊フォースプレイス#7
https://note.com/taxi_driver1/n/nd78a99e6714d
「自立するために居場所を増やす。」週刊フォースプレイス#8
https://note.com/taxi_driver1/n/n773cec40c14f
「タクシーはメンタルヘルスの役割も担う」週刊フォースプレイス#9
https://note.com/taxi_driver1/n/nbcc05b7f2c2f

愚痴も、くだらない話も、どこにも話せない悩みも、
タクシー運転手なら話して困ることも、どこかに漏れることも
悩みを利用されることもありません。

他人ではありますが、密室で同じ空間を共有しているところが
他人以上の安心感をもたらしてくれます。

そんなタクシーの存在は意外と重要だと僕は思っています。


暴行問題の起きるタクシーを逆手に取る

一昨日、昨日と、暴行問題をプラスに転換する考えの記事を書きました。

一つ一つを短くまとめてみます。

タクシーでは度々暴行問題が起きます。
しかし、それ以上に表に出ていない傲慢なお客様の存在があり、暴行問題になる手前のことであれば結構あったりします。
その原因を大きく二つに分けると
①運転手の態度が悪かった場合(運転手が悪い)
②お客様が態度が悪かった、不機嫌だった場合(お客様が悪い)
となりますが、実際はこれをさらに砕いていくので複雑です。
運転手側の問題もありますが、今回はお客様側に焦点を当ててみています。
傲慢になるお客様にも、それなりに理由が存在し、
【X(その日の出来事)+Y(最近の悩み)+Z(性格)=X+Y+Z(人の感情、態度)】
こういった式でお客様の傲慢さが現れたりすると考えています。
そして、その傲慢さには、お客様の弱さが存在していると思います。
「度々起きるタクシー運転手の暴行問題には、タクシーの強みが隠れている。」
https://note.com/taxi_driver1/n/nc3898df7807c
僕も一度、酔っ払いに絡まれる経験がありました。
短く説明すると、
酔っ払いが不機嫌で、1人なのに何故か助手席に乗ってきて、走っている最中に扉開けようとするわ、メーター止めろと言い出すわ、言い掛かり付けて払わないとか言い出すわ、自分で助手席乗ってきたのに手動の助手席のことを「なんで開けねぇんだ、降ろさねぇつもりか?」と言い出すわで面倒くさかった。
結局変なところで払って降りていった。
この間、何度も停まって進んでを繰り返していました。
外から見てどう感じるかは分かりにくいですが、これは酔っ払いトラブルとしては軽い方だと思っています。
そんなお客様にも、威圧的な態度以上に弱さを感じていてそれが解消される場としてタクシーが存在出来れば良いと思うようになりました。
本当の意味で話を聞いてくれる居場所です。

これらの話から、フォースプレイスという結論に至ります。


不満の解消されるあなただけの居場所

タクシー運転手ごときが偉そうなことを言いますが、
タクシーは唯一何を言っても周りに聞かれない場所です。

会社の同僚に言いにくい愚痴も
周りに相談しにくい家族の悩みも

どこにも打ち明けられない中で、
“誰にも言えないことを言える”
“一生会わないからこそ打ち明けられる相手になれる”

繋がっていないが、繋がっているようなその時だけの安心は
タクシーがもたらしてくれると思います。

スマホを持っていていつでも電話がくるという意味ではカフェとなんら変わりないですが
「人に自分の話したい話を聞いてもらう」という部分では他の居場所にはありません。

それを僕はサードプレイスに次ぐ「フォースプレイス」として謳っています。

僕が考えるフォースプレイスは
「誰にも言えないことが言える」
「漏れないから安心できる」
「相槌や共通の話題は必要なく話したいことを話せる」
です。

話したければ話す、話したくなければ話さない。
それ以外に必要なものはなく、誰にでも居場所となる可能性があると思っています。

残念ながら「タクシーは不満を生む場所」というイメージも存在しています。
そのイメージから、タクシーでの出来事をネガティブに捉え、トラブルになることもあるかもしれません。
今回のトラブルもそんなところから発展したかもしれませんし、この出来事でそのイメージを更に強固なものした方もいるかもしれません。

そこにはお客様の傲慢さも存在しますが(運転手の態度の場合もあり)、傲慢さの裏に隠れたお客様の弱さというモノがあり、もしそれを解消できる場所としてタクシーがあるなら
きっとトラブルは減り、
「タクシーに乗れば良い気持ちになって一日を終えることが出来る」
なんて現実もあると思います。

決して難しい話ではないと思います。

度々起きるタクシーの暴行問題には、
その暴行を起こした人や何か話したいことがある人にとって自分だけの居場所になれるという強みが隠れているというお話でした。



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