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JRの赤字ローカル線への税金投入は論外です

こんにちわこんばんわ。
全ての増税に反対し、全ての減税に賛成する自由人、七篠ひとり(@w4rZ1NTzltBKRwQ)です。

今日はこちらのニュースから。

JR西の赤字ローカル線 利用者の減少続く
JR西日本は30日、赤字ローカル線の最新の収支(2019年度~2021年度の平均)を公表しました。
全体的に利用者の減少傾向が続いているということです。

~中略~

100円稼ぐのにかかる費用を示す「営業係数」は、JR芸備線の東城~備後落合で2万3687円が最大です。
関西ではJR加古川線の西脇市~谷川2038円が最大で、2019年度までの3年間の平均に比べて、500円近く悪化しています。

「JR芸備線では100円稼ぐために2万3687円も掛かっている。」
いやはや、凄い数字ですね。

このような赤字ローカル線の話は全国にあり、これまでもその存続が議論になっていました。
その多くが「税金を投入して維持すべき」という内容で、滋賀県では公共交通を維持する財源として「交通税を創設しよう」という具体的議論も行われています。

結論から言います。

税金の投入なんか論外です。

そんなことより規制緩和をやりましょう。

まずこの議論ですが、以前書いた防衛費増税議論と同じで、多くの人はいろいろな論点をごちゃごちゃにして論じています。

この赤字ローカル線の件は

①過疎地域の住民の移動手段は必要か
②なぜローカル線は赤字なのか
③赤字路線は税金で維持すべきか
④他の移動手段はないのか

をそれぞれに考えるべきです。

まず「①過疎地域の住民の移動手段は必要か」の答えは簡単です。
「必要」です。

通学する高校生や運転免許の無い高齢者など、移動手段がなければ困る人はいます。
「全員便利な都会に移り住め」という乱暴なことも出来ませんから、「①過疎地域の住民の移動手段は必要か」と聞かれれば答えは「必要」です。

では次、「②なぜローカル線は赤字なのか」。
この答えも簡単で「利用者が少ないから」です。

ただでさえ人口が減っていく状況の中、地方に住む人は大半の人が車を持っているため、利用者が少ない。
これが赤字の原因です。

ではなぜ利用者が少ないのか。
ほとんどの人にとって鉄道は不便だからです。

便利なら当然鉄道を使います。
しかし維持費やガソリン代が掛かったとしても車の方が便利だから、免許がある人は鉄道を使わず自家用車を選ぶ。
だから赤字なのです。

では次の「③赤字路線は税金で維持すべきか」ですが、これは明確に「NO」です。

100円稼ぐために2万3687円も税負担したとして、何の意味があるのでしょう?

②でも書いたように赤字路線は利用者が少ないから赤字なのです。
大半の人は「鉄道には乗れない」ではなく「不便だから乗らない」のです。

それを税負担させるということは「大半の鉄道を必要としない人に無理矢理運賃を払わせる」ということです。

そんなことをしたとして、観光客や地元住民は「税負担したから鉄道に乗ってみよう」なんてことが起こるのでしょうか?
そんなわけがありません。
国民が稼いだお金を税金として取り上げ、利用者のいない鉄道の運営費に使えば全員が貧しくなっていくだけです。
需要がないものは潰れていくのが当たり前。
鉄道だってそれは同じはず。
これは仕方がないことです。

でもこれを言うと必ず出てくるのが

鉄道を必要とする少数の人の生活はどうなってもいいのか!

という声です。
しかし最初に「①過疎地域の住民の移動手段は必要」と言ったように誰もそんな話はしていません。
仮に手段が鉄道しかないなら「廃線=少数の人の生活はどうなってもいいのか!」というのもわかりますが、はたしてそうでしょうか?

そこで最後の「④他の移動手段はないのか」です。
こちらの画像をご覧ください。

これは「クワドリシクル」と呼ばれている乗りものです。
「クワドリシクル」とは「2人乗りの超小型モビリティ」のことで、この画像のシトロエンAmi(アミ)は実際にヨーロッパで販売されいるEV車です。

例えばフランスではこういった超小型モビリティが14歳から免許不要で乗ることができるので通学の足として活用されています。
また公共交通の無い地域の高齢者が、通院や買い物などの交通手段として利用しています。

車体価格は70万円ほどと決して安くは無いですが、月額2500円ほどでレンタル出来るサービスがあったり、1分あたり約30円で相乗り出来るシェアリングサービスもあり、少ない負担で利用できると多くの人に喜ばれています。

このシトロエンAmiはフランスだけでなく、スペインやイタリア、ベルギー、ドイツなどのヨーロッパ各地で販売される予定ですが、現段階で日本で販売されることはありません。

なぜなら日本の道路交通法では公道を走れないからです。

走れない理由は保安部品の問題もありますが、それ以前に日本では14歳の若い子が公道でこの「クワドリシクル」を走らせることが出来ません。

フランスでは免許なしで乗れるのになぜ日本では出来ないのでしょう?
フランスの14歳は日本の14歳にはない運転技術があるのでしょうか?
そんなはずはありません。

日本では規制があるから出来ない

ただそれだけです。
そこには何の合理的理由はありません。

運転が危険な状態の高齢者に対して免許更新の不可ではなく「運転免許の自主返納を促す」というもう免許の概念すらない意味不明の運転免許制度のせいで、動体視力も運動神経も優れる14歳がクワドリシクルに乗れないのが日本です。

他にも海外では当たり前にあるのに日本では規制されているUberなどライドシェアサービスをやればいいなど方法はあります。

赤字路線を鉄道会社や税金による国民負担にするくらいなら、クワドリシクルのリースやライドシェアサービスを事業として鉄道会社がやった方がよっぽど意味があるでしょう。

まとめると

①過疎地域の住民の移動手段は必要ですが

②そういった人達はローカル線の採算が取れるほどの人数がいない

③そんなローカル線を税金によって維持すればその負担は全員に行くだけ

④なのでクワドリシクルやライドシェアサービスを解禁して社会構造を変えるべき

だと私は思います、

ヨーロッパでも最初からクワドリシクルがあったわけではなく、交通渋滞や排ガス問題という社会課題の解消を目的に考えられ、導入されたものです。
そしてフランスでクワドリシクルに免許が不要になったのは2014年の免許制度変更で規制緩和したからです。

日本では鉄道に変わる便利な物やサービスが規制で禁止されているだけでしかありません。

「鉄道を必要とする少数の人の生活はどうなってもいいのか!」という文句はそういったものの多くを規制している政府に言うべきです。

鉄道が好きな方の存続させたい声もわかりますが、それはポケベル産業を存続させるためにみんなで税負担をするような話です。
みんながポケベルではなく、携帯電話を選んだのは「携帯のほうが便利でお金を払う価値があるから」です。
そしてその携帯電話も今やスマホに変わりました。

需要がないものを税負担という形で国民に無理矢理買わせることは百害あって一利なしです。

赤字ローカル線への税金投入なんて論外。
残したいなら残したい人達による寄付で運営するべきです。

ポケベルとスマホの規制緩和の話はこちらにも書いていますのでよろしければ是非。

ということで、今日はここまで!

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