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私の推し活

私にはいわゆる「推し」がいない。
だから「推し」がいる人、「推し活」に励んでいる人を、とてもうらやましく思う。

生き方に迷いがないし、活動費と思えば仕事もバリバリこなせそう。メリハリがあり、キラキラしている。本当にうらやましい。

私も芸能人にドハマリしたことが何度かあるにはあったが、短期集中型なのである。

例えばダンスがすばらしい人にドハマリしたときは、録画やDVDを何回も見て、その振りをひととおり覚えると落ち着いてしまう。
「カッコイイ!」「覚えたい!」と思っているうちは、ものすごい情熱をそそぐが、自分の中にインプットできたら卒業なのだ。

その人のすることだったら無条件で全部好き……ということにはあまりならない。「この衣装で、この歌を歌いながらのダンスとフォーメーションが好き」と、ものすごく限定的。

衣装が前と違うとか、カメラのアングルが違うとか、そういうことでも興醒めしてしまう。だから同じ映像ばかり何回も繰り返し見てしまうのだろう。あんまり同じものばかり見るので、VHSの頃はテープが伸びて絡まったし、DVDではディスクが劣化した。

その人が自分の仕事に没頭している姿は好きだが、らしくない姿にはあまり興味が湧かない。
例えば視聴者に向けて頑張って雑談するタイプの映像とか、映画などの宣伝で俳優さんたちがクイズ番組に出演している姿だとか。

なんかこう、それはその人のやるべき仕事じゃないのでは、という感じがする。

いやたまには俳優さんたちのいつもと違う姿も見たいとは思うけども。でもやっぱり、その人が本職に専念しているときかなぁ、惚れるのは。

『情熱大陸』や『プロフェッショナル』などの密着番組は好き。あれは本職に専念している姿を見させてくれるし、密度が濃い感じがするから。

職人のように、自分の仕事と真剣に向き合っている姿はとても良い。
私もそうありたい。その姿にならいたい。こういう気持ちの延長に、推し活があるのだろうな。

いや思い返してみれば、私にも推しと呼べる存在はいたな。自分の小説の中に。
そうか物書きとしては、それが一番いいのかもしれないな。実際そうやって書いた小説は、選考委員さんにキャラが立っていると褒められた。

今は書けるだろうか、そういう登場人物を。
……書ける気がしないな。離婚を経験してから好みの男性像というのがなくなってしまった。
ますます推し活から遠ざかる。

恋愛以外のテーマで書くとか、逆に最低な男ばっかり書くとか……。ちょっとジタバタしないといけないなこれは。


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