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同人誌図書館があったらいいな

同人誌を扱った図書館があったらいいな。
小さくていいから。
単なる思いつきだけど。
すでにどこかにあるのかな。

ここで取り扱うのは文芸の一次創作作品がいい。
つまり小説やエッセイ、詩や俳句といった、文章系のオリジナル作品。文学フリマの図書館バージョンといった感じ。

二次創作マンガは、基本的には扱わない。
マンガ系の同人誌即売会はあちこちにあるから、ここで扱わなくても大丈夫だろう。あと万が一著作権とかでもめると怖いから、マンガも文芸も二次創作はナシの方向で。

この図書館では、外の世界とふれあう機会の少ない文芸作品と作家さんたちに光を当てたい。

――ちなみに私は、こういう作家さんたちを「作家志望」だとは思わない。ちゃんと作品を書き上げている時点で、それは立派な「作家」である。
「作家志望」というのは、「作家になりたい」と思いながら何も書いていない人のことだと私は思っている。

アマチュア作家さんたちの場合、例え良質な作品を書いたとしても、有料であるがために読んでもらう機会が失われることもある。かといって無料ならバンバン読まれるわけでもないが。

だけど図書館なら、好きなだけ試し読みができる。文学フリマの見本誌コーナーのように。
見本誌コーナーと違うのは、持ち帰って熟読できること。図書館だから。

文芸同人誌図書館に置く本は、少数でいいので、基本的に寄贈してもらい、利用者さんにも無料で貸し出す。お金が発生しないことで、作家さんも読者も、気軽に利用できる場になったらいい。

初めて作った、拙い本でもいい。
子供が書いた本でもいい。
無名の作家さんの本でもいい。
印刷所顔負けの、クオリティーの高い手製本でもいい。

書きたい気持ち、本にしたい気持ち、読んでもらいたい気持ち。そういう尊い気持ちを、変な制限かけずに、もっとこう、情熱のままに伸び伸びと育んでほしいのだ。

「そんなのは友達同士でやれ」って思うかもしれないが、友達がいない場合もあるし、「知り合いに読ませるなんて恥ずかしすぎる!」という場合もあるし、その気持ちは痛いほどわかる。
ペンネームを使って、まったくの赤の他人に読んでもらう方が気が楽ということもある。

「だったらネット上でやれ」というご意見もあるだろうし、それもひとつの選択肢だから構わない。私もやってる。

だけどやっぱり、「本」が好きなんだよね。
ページを繰るときの紙の手触り。
表紙をなでなでしたり。
伏線に気付いてパラパラめくって読み返したり。
お守りのように本を持ち歩いて、心が惑ったときにそっと開いたり。

だから電子書籍じゃなく、「本」にしたい。

それにマンガに比べて、文芸はまだまだ即売会などが少ないと思う。
だから文芸同人誌図書館がきっかけとなって、作家さんたちが感想をもらって励みにしたり、筆力をみがく修行ができたらいいと思うし、大きく羽ばたいてもらったら嬉しい。

文芸同人誌図書館では、「稼ぐこと」ではなく、「読んでもらう」という最初の一歩を育めたらいい。


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