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復職診断書を決めるぞ大作戦

[更新履歴]
3/2 21:00 初回公開
誤記・表現は適宜修正
3/2 21:15 校了・Xに投稿
3/5 18:00 「(5) 産業医面談に向けて」を追記

(1) はじめに

 ここで扱う「復職診断書」とは復職時に提出する診断書のことです。このサイト(mediment)によると、労基法には、休職の定義や休職期間の制限などについての定めがないため、休職制度自体がない会社もあり、同様に、復職についての規定を細かく整備していない会社も多いようです。
 個別の事情に依りますが、診断書の提出は、会社の定めに従うことが原則です。職場(例えば、人事担当者)、病院(主治医やSW)と事前相談しておくと安心です(事前相談せずに進める方がいるという話もチラホラ聞きます…コワイ)。
 そして、復職診断書には、傷病名に加えて、主治医の意見を付記することができ、本人・家族が希望する「復職にあたっての配慮」を医学的な見解に基づいて記載してもらえる可能性があります。
 以下に、私の例を紹介します。

(2) 事前相談

 私は、慣れた環境から社会復帰したいという希望があり、退職した職場に再度の中途採用という(レアだと思う)パターンです。復職の為に提供した情報がどのようなルートで現場(所属部署)に行くのか見当がつかなかった。
 そこではじめに、就職先の人事に相談した結果、総務部を通じて現場にいくことが判明(事前相談1)。つまり、復職診断書の記載内容は総務の人には見られることになります。会社には産業医がいるので、普通に考えると採用後に産業医との面談があって、現場に伝わると思われます(現時点では推測)。よって、現場で対応できるような事項は上司に直接相談し、診断書には、総務の許可が必要になる可能性がある大まかな内容に留める方針を希望しました。
 そして、主治医との面談では、職務内容や職場の環境を主治医に説明しながら、働く上で配慮が必要と考えられる事項を伝えて、医学的な意見を求めました(事前相談2)。
 このように、職場と病院と家族の間に入って調整することが必要で大変だった。

(3) 家庭内での調整

 主治医との面談の前に、どのような意見を求めるべきか、家庭内で協議しました。その後、主治医が医学的見地に基づいて診断書に意見を記載することになります。僕は楽観的な考えなのに対し家族は慎重な考えなので、意見をまとめることはなかなか難しかった。
 以下は、我が家でまとめて、主治医に伝えた内容を紹介します。

  1. 就労は医学的に問題無い

  2. 慣れるまではメインの業務に専念(それ以外の業務を外す)

  3. 目標があると達成に向けて無理する性格なので配慮して下さい

  4. 慣れるまでは在宅勤務を増やす、満員電車を避けるような柔軟な勤務時間

  5. 勤務時間外のオンライン会議は本人の負担にならない範囲で行えば、言語リハビリに繋がるので好ましい(オンライン自己研鑽を始める予定で、成長への意欲をアピールする為)

 1年休んだので給与を2倍にするという配慮の希望は妻が却下した…愚夫ッ(ぐふっ)

(4) 医師面談と仕上げ

 2024年当初から受けた標準注意検査法(CAT)の結果は、注意障害は改善傾向で、処理速度は低下というものだった。処理速度低下によってノルマへの「配慮が必要」という根拠に使えるとの説明だった。
 また、診断書の傷病名の記載についての修正を家族が希望すると虚偽申告になる恐れがあるとのことで、人事担当者に知られたくない内容は、意見(配慮の項目)に書かないようにすれば、産業医が傷病名を見れば分かるけど、人事には具体的なことは分からないでしょう、との説明だった。
 そして、患者数が少ないせいか速やかな対応だった。大きな病院だと何度も行くのも待つのも大変なはず。

 なお、項目の3を「性格」のせいと主張したのは家族だったけど、医師に掛かれば「(リハビリの取組を)観察すると、日標量を達成しようとして、無理をして頑張りすぎる傾向が感じられ、一定のご配慮を賜りたく感じられる」となった。この作文を見ると、根拠を示しにくい項目は「傾向…を感じる」というように観察結果を根拠にして意見するみたいだった。そして、処理能力低下は職場にネガティブな印象を与えかねないという理由で、意見に反映させるのを家族が反対した。(誰がどう受け止めるかは分からないけど、「家族の意向は素直に聞く方が自分に得」というのは間違いない心構え)

(5) 産業医面談に向けて

 産業医面談について関連サイトを調べるとともに、産業医に直接質問して回答を頂いたのでまとめてみた。ご回答ありがとうございます。
 個別の事情は分からないので、自身が面談する産業医&職場の方針を優先してください。ネット情報ではメンタル不調からの復職の事例が多いみたいです。

休職者に対する復職面談は、安全配慮義務の観点で重要な役割があります。…復職面談は、復職の可否のみならず、復職時の制限事項の確認をするうえで大切です。ただし、復職の判断基準を誤らないために、復職面談にあたっておさえるべき注意点もあります。

復職面談とは、産業医と休職従業員の間で実施される、職場復帰を見据えた面談です。復職面談の目的は主に「復職可否の判断」と「制限事項の検討」の2つに分けられます。

産業医による復職面談とは?目的や復職の判断基準を解説(ワーカーズドクターズ)

 産業医は、面談結果から判断した「就業上の措置」は会社側に伝えるけれども、面談で聴取した個人情報は会社側に伝えることはありません。
 産業医は面談で「診断書」と「本人の意見」を基に、「就業上の措置」の必要性を検討します。
 面談では体調、病気の経過、今後の治療方針(内服や通院)、現在の症状、日常生活の自立度(通勤や身支度)、タイピングなどの作業能力、業務に対する懸念点について確認されます。その流れで就業制限の要否が判断されていくので気になることは遠慮なく面談時に話した方がいいです。

(6) 復職時の心構え

 女性陣(妻と妹)が育休明けで職場復帰する時にやった工夫を教えて貰った。工夫自体は病後復帰でも使える可能性がありそう。頂いた意見の例は、例えば…

  1. 自分の状態に働き方を合わせる

  2. 完璧なクオリティを求めずに、合理的に割り切る

  3. 周りの人を頼る

(教えて貰うたびに追加予定)
(「家族の意向は素直に聞く方が自分に得」なのは間違いないです)

 とりあえず、社会復帰が軌道に乗るまでベストを尽くしたい。

(ヘッダー画像は、また行きたいフライブルク大聖堂@ドイツ, 2013年10月27日撮影)

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