見出し画像

熱帯の自転車都市イロイロ市① ~フィリピン自転車旅5日目~

 フィリピン自転車旅11日間の旅行記の5日目です。全日程は以下のnoteにまとめています。

 この日は今回の旅の一番の目的地である、イロイロ市がゴールです。DMM英会話のフィリピン人講師から、フィリピンに自転車都市があるという紹介を受けてから3年後のこの日、ついに到着しました。感無量です。Bike Capital of the Phillipinesと呼ばれるだけのことはありました。年に1回Bike Festivalというイベントも行われています。

走行ログ

南国らしい天気の中快適に走る

 この日は平坦中心で天気もよく、かと言って暑すぎることもなく、ただただ快適に走れました。今回の旅の中で一番快適な1日だったと思います。7時間で160キロ走ってるので、自分の中ではペースもよかったです。

ホテルの朝食です。
平均年齢が若いフィリピンで珍しいご高齢の方。
「Thank you」を「テンキュー!」というのがかわいかったです。
坂を登るサイクリストを発見!
止まってカメラを向けながらピースサインをすると、返してくれました。ノリがいいです。
バナナの木を切り倒してるおじさん
サドルバックの日の丸はかなりイイです。
ザ・南国の写真が撮れました。ZOOMの背景にしてます。
ひたすらこんな道が続きます。こりゃ気持ちいい。

カフェのFacebookでタフなジャパニーズとして紹介してもらう

たまたま入ったCuarterpoint Cafe & Restoさんで厚遇を受けました。

いいお店でした

 注文した食事を食べていると、ネットにアップしたいので一緒に写真を撮ってくれと頼まれ、あとでお店のFacebookを見るとちゃんとアップされてました。いいねボタンもたくさん押してもらっており、フィリピンでちょっと有名になった気分です。Tkayasi Sonではないんやけど。。。(頼まれてちゃんと紙にTakayukiと名前書いたんですけど、なんでやろw)出発時に「国旗と一緒の写真も撮らせてくれ!」と出発時にもう1枚頼まれました。芸能人にでもなった気分です。

My long lost Japanise brother, Tkayasi Son,A solo bike rider from Japan to Manila to Cuarterpoint,So tough...!!! thank u so much making Cuarterpoint one of u'r lap station!💪💪💪🤣🤣🤣💕💕

Posted by Cuarterpoint Cafe & Resto on Monday, January 2, 2023
緑のきゅうりジュースが美味しかったです。
コンニチワ!サヨナラ!と話しかけてきた子たちです。

イロイロ市が近づくにつれ増えるサイクリスト

 補給をバッチリ済ませ、イロイロ市に向かって走ります。

追いかけてきた少年たち。英語がさっぱり通じず、何も話せませんでしたが、それでも笑顔です。
NINJAS ARE AWESOMEというTシャツを着ています。日本が好きで興味を持ったのかな?
サトウキビ畑(たぶん)
こっちはマンゴー(たぶん)
イロイロ市が近づくにつれサイクリストが増えるのを感じました。

 イロイロ市の手前で遭遇した地元サイクリストが一緒に走ってくれました。大興奮です。英語でのコミュニケーションが上手くいかず、困った顔をされてしまったのが残念です。チャリで走りながらの英会話はキツイです。イロイロ市の手前のLegansに住んでいるとのことで、そこでお別れしました。

いっしょ走ってくれたサイクリスト少年達

自転車首都には本格的ショップが多い

 自転車ショップの見学も兼ねて、タイヤに空気を入れることにします。事前に調べておいたILOILO BIKE SHOPさんにまずは向かいます。結局ここでは空気入れられなかったのですが、イロイロ市は本格的な自転車屋が多くてビックリです。まさにBike Capital!

ILOILO BIKE SHOPさんです
JAPANESE BIKEというカテゴリーがあります。
おそらくカゴ付きのママチャリ的な自転車のことだと思います。
高級な自転車たちです
パーツも本格的。日本のプロショップと遜色ないです。
フィリピンの自転車メーカーDEVELにDURA-ACEです。ホリゾンタルがカッコいいです!
次に買う自転車はフィリピン愛の表現としてDEVELもありです。
正直、DURA-ACEをフィリピンで見かけるとは思いませんでした。お金持ちもいるんですね。格差社会です。
赤いおじさんに空気入れを頼みましたが、うまく入らなかったようで応援にきた人が試行錯誤してくれています。結局空気入れが壊れてるとのことで、入りませんでしたw 空気抜けただけじゃねーか!
次に見かけた自転車屋さんで空気を入れてもらいました。
フィリピンが本来右側ですが、左側を通行するサイクリストです。
信号がなく、道路を渡るがかなり大変だったので、こうなってしまうのもうなずけます。
道路インフラは課題が多いと感じました。

道路インフラは課題山積みだが、それでもサイクリストが多い自転車首都

 いよいよイロイロ市の中心部に到達。ネットでよく見てきた素晴らしいサイクリングレーンを自分の目で見ることに大興奮。。。のはずだったのですが、むしろ課題が多いと感じました。実態は日本にもよくある歩行者と自転車で共用の、いわゆる自歩道です。そのせいか、普通に車道を走ってる人も多く見かけました。自転車が歩行者と車両の中間的扱いで、結局どこを走っても中途半端な扱いを受けるというあるあるな問題です。あとで通行人から教えてもらったところによると、土日だけ自転車専用レーンになるとのことだったのですがそれにしても、ガタガタで走りづらいよなあ。
 道路インフラにはこのような問題を感じましたが、サイクリストの人口の多さには驚きました。若年男性が中心だったもののとにかく数が多いです。人口構成的に、若年層が多いというのもサイクリストの多さの理由だと思います。
 日常使いよりはスポーツとしての利用がメインかと思いましたが、SMモールの駐輪場にもたくさん自転車が停まっていたので、買い物でも使われていると思います。夜なのに「おはよー」と話しかけてきたカップルがいたので、イロイロシティめっちゃサイクリスト多いね、サイクリングレーンビューティフルだね、と感動を伝えておきました。

よくネットでアピールされている、イロイロ市自慢のサイクリングレーンに到着。
サイクリングレーンならフラットな道にして欲しいな・・・
ここを走らないサイクリストも多かったです。自転車は車両なんだから歩行者と混在はダメだろと言いたい。
USWAG ILOILOのモニュメント前で記念撮影。
USWAGはProgressやAdvanceの意味らしいです。
橋の上の自転車レーンです。これは狭すぎて走りずらかったです。普通に車道走ってる人のほうが多かったですし、自分も基本はそちらを選びました。
路上駐車に占領される自転車レーンです。日本でこの光景を見るたびに胸糞悪くなっていますが、イロイロ市も同じ問題を抱えているようです。
日本の自転車ナビラインと同じで法的拘束力はないということでしょうか。

 ここからは高級ホテルやオフィスが並ぶ通りです。こちらは道が広く、自動車||自転車+バイク||歩行者という区分の道路になっていました。さきほどの悪しき自歩道型とは違う構造で、イロイロ市の道路担当の人も、試行錯誤してる途中なのかなー、と感じます。

これならサイクリストが路上駐車に悩まされることはありません。
自転車が左側、バイクが右なんすね。
でも車道を走ってるバイクもいるし、複雑すぎるんじゃないかあ。
バイクが自転車レーンに侵入してきます。物理分離がないと自転車レーンが侵されるのは自動車でもバイクでも同じということでしょうか。

イロイロ市の自転車チームに加入!

 モロ教会前のモロ公園というところを歩いていると、自転車集団を見かけました。

すごい自転車の数です。

 こっそり写真を撮っていると、話しかけられ(絡まれ?)て仲良くなりました。これも日の丸を掲げていた効果だと思います。今回の旅では魔法のような役割を果たしてくれました。

チームMURIONの仲間たち
楽しいです。

 テンション高い少年たちです。動画でステッカー!ステッカー!と言ってますが、彼らの自転車チームMURIONのステッカーを貼ってくれています。(後日再会したときにMURIONの由来をきいても、Don't mindと言われ教えてくれませんでした)
 カメラを取り出そうとハンドルバーバックを開けようとするときに、なにかプレゼントを貰えるのと勘違いしたような反応をしていました。何かお返しを持ってくればよかったなー、とここで学びます。貰ってばかりで申し訳ないです。
 あとは弱虫ペダルを知っていたようで、オノダ!オノダ!と叫んでました。一旦落ち着け!と言いたくなるテンションの高さです。

貼ってもらったステッカーです。TEAM BOBBY、MURION、よく意味が分からん。
ネットで検索してもでないです。
公園を出ると、別の自転車グループにも声をかけられました。「Welcome to the Phillipines!」と言ってもらい接待を受けている気分です。日本向けの情報発信くらいのことはしてお返しせねば、と思ったのはこのときです。

高級ホテルで4300円のディナー

 1日くらい贅沢してもええやろと思ったのと、湯船につかりたかったのが理由で高級ホテルのリッチモンドに泊まります。朝食抜き11000円。たけー!正直ここまでいいホテルじゃなくてもよかったです。

高級ホテルリッチモンドです。
一人で泊まるには贅沢すぎでした。
どんなに高級ホテルでもトイレに紙を流せないのは同じです。湯船あると思って予約したのになかったのはショックでした。さらに上のグレードの部屋だけなんだろうなー

 レストランを探すのも面倒だったので、高いだろうなと思いつつ、ホテルの中のレストランで夕食にします。ドレスコードありと書かれてましたが、サイクルジャージにサンダルでいけました。メニューをGoogleTranslateで翻訳しつつ選びますが、結局勘で注文。写真があるメニューが少ないのは外国人にはイメージわきづらくて困りますね。以下の写真のメニューとマンゴーシェイクで1830ペソ(約4300円)です。たけー!

1品目。普通っちゃ普通でした。
2品目。これもまあ、普通。。。
注文したのにしばらく来ず、確認すると通ってなかったことが分かり、時間がかかりました。
3品目。ギマラス島にはいけないけど、ギマラス島のマンゴーは記念に食べておきたいということで、それが使われてるらしいマカロンを注文。
10時に店閉めるので早く食べてくれ的な雰囲気で味わう感じではなかったという。。。いや2品目注文通ってなかったせいやん。。。

イロイロ市からの学び

 3年前の台湾旅のときに現地のサイクリストの少なさに驚いて以来、熱帯での自転車活用には限界があると思っていました。
 ですので台湾よりさらに暑いフィリピンでこれだけサイクリストが多い都市を目の当たりにしたのは予想外でした。雨季の存在、未完成な道路インフラ、(日本や台湾よりは)所得が低いといった点でも条件は悪いはずです。
条件が悪い中でもサイクリスト人口が多い理由には、年1回のBike Festivalや土日の自転車専用レーン化のようなイベントが、フレンドで一緒に何かを楽しむフィリピンの文化にマッチし、若年男性の間に自転車ブームを作ったことがあるのではないかと推測します。その国の文化にあった自転車普及戦略が必要だと感じます。
 自転車や必要なその他の装備を揃えるだけのお金を持ってる人が増えているという、フィリピンの経済成長も前提にあるでしょう。かなり本格的な装備のサイクリストも多かったです。
 あとは、暑いゆっても、朝とか夜ならまあ頑張ったら走れますし、結局慣れるってことなんですかね。だとすると、熱帯でも自転車都市は十分成立し得るということのようです。
 学びも多く、さらに現地のサイクリストとの交流もでき、最高の1日でした。Bike Festivalのときにまたきたいですね。

6日目に続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?