深夜のフィリピンで野犬に追われる恐怖 ~フィリピン自転車旅4日目~
フィリピン自転車旅11日間の旅行記の4日目です。道中の最大の恐怖が野犬だったというのは、台湾自転車旅との共通点になりました。
全日程は以下のnoteにまとめています。
11時ロハス港出航の船に乗るためにがんばる
ニワトリと爆竹の音に何度か起こされた元旦の朝。元旦であることはほとんど意識せず、11時にロハス港を出航する船に間に合うかだけを考えていました。11時の次は深夜便しかなく利用できないので、11時を逃してしまうと丸一日ムダにすることになるためです。
ロハス港までの60キロなので約3時間を見込み、余裕を見て6時40分にホテルを出発。ロハス港までは平坦で広い道で交通力も少なく、途中で何度も応援され、快適に走れました。
11時の船は欠航しており、次は14時だと告げられる
港の入り口に着くと、チケットは買ったか?ときかれ、買ってへんわと言うと、すぐ近くにチケット売り場があるから買ってこいとのこと。フェリーは11時発と確認できて一安心。(ネットで確認しただけなので、そもそも11時発であってるのか不安でした。いやまあ実際違ったんですけど。)
チケット売り場にて、11時発のフェリーは欠航しており、次は14時発だと告げられます。後で分かりましたが、元旦は乗る人が少ないので決行になったとのことです。他にも同じようにチケット売り場で欠航を告げられていたり、港で11時前から待っている人が多かったので、ネットには欠航の情報を出してないのかもしれません。
チケットを購入して外に出ると、フェリーの警備員さんに話しかけられました。「ポリスではなく、セキュリティ」と言ってましたが、銃はもってるらしいです。
きくと、イロイロ市出身で12歳から自転車の乗り始めたとのこと。彼の 赤いマウンテンバイクはフェリーに乗る直前に見ることができました。「当然ボラカイ行くんだろ?」ときかれましたが、「いや、すまんボラカイはに行く時間はないんや」と言うと「次はファミリーでフィリピンきてね。そんときはボラカイきてね。」と言われてしましました。う~ん。
港の警備員さん達に褒められる。
港に戻り「言われた通り、チケット買ってきたぜ」と報告。両手でグーしてる港の警備員のお兄ちゃんは、チャリでセブまでいくよと言ったらアンビリーバボーといってくれました。自分は31歳というと若く見えるねと誉められました。彼は30歳なのに40歳くらいに見られると自のことです。そこまでは老けて見えないけどなあ。
「My favorite anime is Naruto!」と言ってたので「Sasuke is Cool!」と返したらめっちゃ喜んでました。小学生以下の英会話ですが、現地民と会話できるとそれだけで嬉しいですね。「チャリで走ってるんだぜ」というだけでスゲえやつと認定してもらって話が盛り上がるのはサイクリストの特権です。
14時発の予定の船が、16時半発に遅れる
9時半から待ちはじめ、14時までひたすら待ちつづけます。しかし予定の14時が近づいてくるも、船が来ません。ですが慌てているのは自分だけ。周りのフィリピン人は慣れているのか、落ち着いていました。
郷に入っては郷に従え。のんびり待つのがフィリピン流だよなと思いますが、それでも慌てますよね。予定が遅れると深夜に走らないといけなくなってしまうのです。それが恐怖。
結局船に乗れたのは15時です。6時間弱はこの港にいたわけですね。
港の様子です。のどかな風景ですが、自分は不安とイライラでいっぱいでした。こういうところで大音量で音楽流しても誰も怒らないのも、日本とは違いますね。
乗船から出航までがまた長い・・・
乗船してもなかなか出航しません。何か船内放送で案内しているようでしたが、タガログ語らしくさっぱり理解できず。レストランで船員にきいてみると、出航は16時半とのこと。絶望。。。
目的地の港につくのは21時ごろになりそうです。そこから宿をとったカリボまでは60キロなので3時間はかかるので真夜中ライドが確定。慣れない外国での真夜中ライドは恐怖です。
宿につくのが遅くなりそうだったので、念のため電話で宿に何時までチェックインできるかなど確認をとりました。こういうときは結局電話が一番確実です。
船乗りのおじさんから学び
不安と暇が相まってウロウロしていると、トイレを探しているのと勘違いした船乗りのおじさん(ミンダナオ島出身)が話しかけてきました。きくとこの船のスタッフ?とのことで、航路図のようなノートを見せてくれました。イライラを悟られないように11時の便はなんで欠航したのかときくと、元旦で乗る人いないから、と教えてくれました。ネットに情報出てた?どうしたらそれにきづけたんや?ときくと、電話するしかないよ、とのこと。ロハス港の警備員さんは11時出航予定だって言ってたし、電話しても100%正解が得られるわけではないんだろうけど、一番マシな確認の仕方だと学びました。
How are you?は日本語でなんて言うんや?ときかれたので「調子はどう?」と教えるも発音を全く真似できなかったようです。ジャパニーズは発音が難しい、ジャパニーズはタレンティッドだからなー、的なこと言ってました。
フィリピンの現地語を多少は勉強してくれているんだろうと期待して、知ってる言葉はあるか?ときかれましたが、「ありがとう」「美味しい」しか答えられず、ガッカリさせてしまったようです。
電話確認重要!現地の言葉の勉強重要!このおじさんからは2つを学びました。
野犬に怯えながら真夜中のフィリピンを走る
出航から4時間、カティクラン港に着いたのは20時半です。
さて走るかと思い準備をしているときに手袋が片方ないことに気づきました。少し引き返すして見つかったのですが、本当に焦りました。手袋くらいなくても走れるのですが、こういう状況だとちょっとしたことで焦ります。自転車旅はメンタル勝負です。早く着こうと急ぐあまり事故に合わないように走ることだけを意識しました。こういうハプニングこそが自転車旅だぜ!と自分を奮い立たせます。
少し走ると慣れてきました。サリサリストアが営業していましたし、民家からはカラオケの音楽も聞こえてきました。夜でも暑いくらいですし、人が住んでるぶん、日本の田舎を夜走るより安全かもしれません。
ただし、野犬は恐怖でした。台湾自転車旅のときも野犬に追いかけられたのが最大の恐怖でしたが、今回も同じです。海外の野犬は狂犬病の可能性もあるので、最悪命に関わります。昼間の野犬は大人しかったので大丈夫と思っていたのですが、なぜか夜は凶暴化しています。ライトが刺激になっていたのかと思い、暗めにセットすると、多少マシになった気はします。(舗装が良くないのでそれはそれで危険なのですが。)
それでも追いかけられることはあり、そのたびにスプリントで逃げました。犬の全力疾走より自転車の全力疾走のほうが速いのが救いと気づいてからはちょっと安心しました。
現地民が野犬に吠えられながらも落ち着いて歩いているを見かけました。もしかすると、近づいて吠えて威嚇してくるだけで、実際に噛みついてくることはないのかもしれません。とはいえ怖いけど。
サリサリストアは11時頃までは営業していたと思いますが、それ以降はさすがに閉店してしまったようです。そろそろ水が切れるなーと気づきつつも、早く目的地に着きたいと思うあまり水を買いそびれてしまって困りました。夜でも暑いので、野犬の次は脱水症状に怯えました。
急がば回れ。こういうときこそ止まってためらわずに補給を買うのが重要と学びました。
Marzon Hotel Kaliboさんに宿泊
Marzon Hotel Kaliboさん(朝食抜き5500円)に宿泊。いいホテルでした。フェリーから電話したときに対応してくれた感じの良いお姉さんも受付にいてくれて話が早かったです。ホテルの中では食べ物は買えないとのことで、少し逆戻りしてマクドナルドで夕食を買ってから戻ってようやくチェックインです。
5日目に続く
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