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日本酒蔵のお仕事とは。美味しさの基準。

私たち(株)本田商店は、兵庫県姫路市で「龍力」という日本酒を造っています。

蔵の母屋

蔵のお仕事というと、日本酒を造っているとなるのですが、日本酒と一言で言っても様々な味わいがあります。

味わいの事について。

よく、「美味しいお酒を頑張って造ります。」や「良いものを提供します。」よく聞くとおもいます。
この「美味しいお酒」って何でしょう?「良いもの」って何でしょう?
様々な答えがあると思います。しかし嗜好品を造るという事は、「美味しい」とは何か?「良いもの」っていったい何?と言う疑問に答えを求め、私たちの「美味しい」定義はコレです。「良いもの」の定義はコレです。と決めていく事がお仕事と考えています。

龍力の「美味しい」は何なのか?


日本酒を、「香り」、「味わいの前半」、「味わいの後半」と3つに分けると、「香り」の部分は、お酒を醸す酵母が主に担当する部分です。「味わいの前半」の部分は、主に米。素材の味わいがメインになってきます。精米歩合、つまりお米をどれだけ磨くか。という事で味わいの濃淡に影響します。「味わいの後半」これは、蔵の技術です。蔵の考え方が最も現れる場所です。「麹の造り方」や「発酵の温度」「米の選定」などトータルの部分です。

龍力では、この味わいの後半の部分に基準を置き、飲み終わった後にスッキリする味わいを求めました。お酒は、飲んでほしい温度で発酵させることがBESTです。冷やして飲んでほしいので発酵温度は5~10℃で発酵させます。そうすると後味がスッキリしてきます。
ちなみに常温や燗で飲んでほしい場合発酵温度は、15℃です。これ以上の発酵温度だと、高級アルコールが生成され、香りが悪くなります。

発酵中のもろみ

低温発酵を基準とすると、発酵期間は長くなります。長期発酵に耐えうる麹を造る必要性がある為、1升盛の麹箱を使い、麹をつくっていきます。

龍力では、味わいの後半をスッキリさせる事「美味しい」基準を設定しています。

兵庫県特A地区山田錦の田圃

そして、味わいの中心部である「米」には、最高の素材を使っていきます。
「良いもの」にも色々あると思っています。「どうでもイイもの」や「都合のイイもの」なんてものも良いものです。これでは意味がありません。素材には徹底してこだわる。龍力では、使用する山田錦は全て兵庫県特A地区産山田錦です。正直、価格は高いです。コロナ禍では、業績が悪いこともありましたが、しっかりと次年度、而次年度の収量を確保する為購入いたしました。農業は一度でも休んでしまうと、復活は困難です。農家を守る為にも購入する。私は「素材は覚悟」だと考えています。
覚悟を持って品質を追究していく。「都合の良いもの」ではありません。

稲木掛けをした山田錦

酵母は、香りは派手ではないが、味わいのバランスが優れている9号系を採用しております。

龍力の「美味しい」とは?

龍力は、「原料米に特化する」×「味わいの後半がスッキリ」を目指しています。
純米大吟醸から本醸造まで、ランクにかかわりなく一貫して同じ造りをしております。
値段の違いは、素材の価格の違いです。

ぜひお試しくださいませ。

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