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映画館を貸し切ってた話

貸し切りって聞くと何を思い浮かべます?

俺はマイクロジャクソンです。ディズニーランドを貸し切りにしたり、プライベートジェットで来日したり、なにかと貸し切りをするイメージがある。

それも飲食店をとか、スナックをとかじゃなくやっぱり貸し切りにする場所の規模がちがうよね。さすが金があると違うねぇ
飲食店の貸し切りすら経験がない人が一般的には多いというのに。

俺もそんな一般人の一人。

でもふと思い返してみたら過去に一度だけ貸し切りをしたことあったわ

しかも映画館を。


これ結構大規模な貸し切りだよね?

なんで映画館を貸し切りに?どうやったの?いくらかかったの?

って思った?ごめんな実は偶然貸し切りになったってだけなんだ



あれは22歳のころ、いわゆる一人旅ってやつにあこがれてた俺は、東北一周旅行に行った。その時の秋田県でのことだ。


居酒屋で比内地鶏雑炊のうまさに全身を感動させながら、ホテルまでの道を歩いていた。

「うーん 一人旅だからこその何かをやりたいな~」

そう思いながらきょろきょろしていたら昭和だな~って感じのビルの前で立ち止まった。
映画館だった。


上映スケジュールを見ると最新のアニメ映画がやっている。最終上映時間は19時。時計を見ると19:03
スケジュールの横には「上映開始時間を過ぎての入場はお断りしています」

構わず俺はビルのエレベーターに乗った

「映画ってスタートから数分はほかの映画の宣伝だし、ダメもとで行ってみよう」

今思い起こせば迷惑行為でしかない。若いって怖い

エレベーターの扉が開くと映画館スタッフとみられる若い男女がふざけあっていた。
俺に気づいてこちらを見る。
「あの、この映画まだいいですか?」

「え!」

想像以上の驚きっぷりにこっちが戸惑う。


ダメなのかな?一人増えるくらいいいじゃんか・・・上映中に扉が開いてもほかの客もそんなに気にしないと思うけどな・・・

スタッフは数秒お互いに目配せした後、
「あ じゃあいいですよ どうぞ」

ほっ

観音開きの赤黒いドアを邪魔にならない程度だけ、すき間を開けて中に一歩足を踏み入れる。

と・・・・・




席には誰もいなかった。
客はゼロだったのだ。

めっちゃびっくりした。戸惑った。

「最初はCMばっかりで映画本編はまだ始まってねえっしょ」
と思って入った映画館ではCMも始まっていなかった。
というか客がゼロなので上映自体していなかった。ライトも真っ暗。
ただの暗室だった。


のどまで

「あ、じゃあやっぱりいいです」
と出かかってスタッフさんの方を振り返ったが、男性スタッフがばたばたと作業を開始しながら言う

「始めますんでどうぞ~」

そういわれて引くに引けなくなった。多分この人が上映作業を行うみたいだ。

めっちゃ悪い気がしてきたが、そういわれて椅子に座った。





映画が終わって、明るくなった自分しかいない映画館の席の写真を撮って帰った

思わず味わった「貸切られてた」だが、いつか「貸し切り」を味わいたい

ただそれだけの話


#映画館の思い出

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