立教経営BLPのオンライン授業が「週刊朝日」に紹介されました：今後の展開は？

7/14発売の「週刊朝日」で、立教大学経営学部のBLP（ビジネス・リーダーシップ・プログラム）のオンライン授業の事例が紹介されました。舘野のコメントも掲載していただいています。雑誌で紹介された内容が、Webでも閲覧できるようになりましたので、ぜひご覧くださいませ。

コロナ禍での授業の違いが「大学・学部の人気の差に」 〈週刊朝日〉

どんな記事が掲載されたのか？

今回掲載していただいたのは、経営学部で実施している「ビジネス・リーダーシップ・プログラム」のオンライン授業の試みについてです。

経営学部では、毎年約400名の新入生全員に、産学連携のプロジェクト型授業を実施しています。そのほか、２年生や３年生に向けても大規模に、企業と連携した授業を実施しています。

これをオンライン化するというのは、本当に大変な作業だったのですが、無事になんとか7/14にすべての授業を終えることができました。その事例をわかりやすく記事でまとめていただいています。

オンライン授業で「つながり」をいかにデザインするか？

オンライン授業についての評価はさまざまなものがあると思いますが、特に各大学の新入生にとっては「大学コミュニティへの参画」という視点から設計する必要があると思います。

「授業内容を伝える」だけでなく、授業を通して同じ学年の友人ができるとか、先輩と知り合いになる、先生と話ができるなど、大学というコミュニティに入っていくことを支援しなくてはなりません。

サークルなどの課外活動がない中では、現状オンラインで大学の中で知り合いをつくるのは困難です。また、通常であれば、授業の前後の休み時間などに話をしていたのかもしれませんが、そうした隙間の時間もありません。それでは新入生は孤立し、孤独な時間を過ごすことになってしまいます。

そうした状況にならないために、いかに授業を通して、人とつながり、大学・学部の一員であるという感覚を持ってもらうかを考え、サポートする必要があります。

今回紹介していただいた事例は、こうした「授業を通したつながりの支援」を意識した実践例といえると思います。もちろん、我々も完全に試行錯誤しながらなので、足りていないところもたくさんあります。次の手も色々と考えているような状況です。また、今回の事例のノウハウは、他学部など学内にも共有し、大学全体の支援につなげていければと考えています。

今後に向けて何をすべきか？

春学期に関しては、もう本当に怒涛の日々で、ここ１０年の中でも一番忙しい日々を過ごしました。3月中旬までに準備してきた内容を全て捨て、3月末に一からオンラインで作り直すというのは本当に大変でしたが、入学した学生によりよい環境を用意してあげたいという思いでなんとか走りきることができました。こうやって走りきれたのは、自分だけでは到底無理で、教職員、学生スタッフのみなさんなどチームの力で乗り切りました。

しかし、これでサポートは終わりではありません。現在は、春とはまた異なったフェーズに入ってきています。

「オンラインか、対面か？」という議論、または「対面とオンラインの併用」など、今後のあり方はより複雑になります。また、感染リスクをどう捉えるかについても、さまざまな考え方があります。

すでに対面を再開している小中学校と比較されることもありますが、大学の置かれている環境はまたこれらとかなり異なります。これは授業のあり方だけでなく、施設の消毒をどうするかなど、ハードと連動した対策ということになります。

学生の希望などをみても各大学「対面」「オンライン」の希望は割れていることが多いのではと思います。

私個人としては、これまで少人数型のさまざまなワークショップを開発してきた身として、対面授業が非常に恋しいです。しかし、参加者の健康は保証されなくてはなりません。

「関わる人たちの健康が保証され、過度な負担がなく、もっとも学習効果が高い方法」という点から、また頭をひねってアイデアを考え、歯を食いしばって実行する日々がスタートします。

授業場面に限らず「対面」と「オンライン」を実現する方法

ひとつ最近考えているのは、「オンラインと対面のハイブリッド」については、「授業のみ」に固執することなく実現を模索する必要があるのかなという点です。

仮に授業は原則オンラインとなっても、対面で何かすることを諦める必要はないのかなと思っています。「授業のオンライン化」と、「実際に大学にきて対面で交流する」は両立できる可能性があるんじゃないかということです。あらゆる方法を探っていくことが大切なのかなと思っています。

コロナの状況が落ち着いてくれれば、いろいろなことが可能になるのでしょうが、いますぐそれを望むのはなかなか難しい状況です。

何もせずに終息を願うのではなく、知恵を絞って、学生にとって意義ある環境をつくりたいと考えています。

＜お知らせ＞

2020年8月21日（金）19:00～21:30に公開講演会をおこないます。オンライン授業の内容や、その成果についてお話ししたいと思いますので、よろしければぜひご参加ください。

公開講演会「立教BLPカンファレンス2020——BLPのオンライン授業化と学習効果について」
https://www.rikkyo.ac.jp/events/2020/08/mknpps0000019m9i.html