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一眼レフは使ったこと無いです

Midnight Diary #27

写真展を企画しているといろいろな人と話をすることがある。
若い子もいれば年輩の方もいて、本当に息の長い趣味なんだなぁと思う今日このごろ。
先日、若いカメラマンと話をしていて衝撃を受けた。
聞くときによると一眼レフというものを使ったことが無いと言うではないか。
首からはニコンのZシリーズをぶら下げている。
一瞬言っている意味かわからなかった。

でもよくよく考えてみるとそういう世代がいてもおかしくない時代だ。
僕が写真を始めた頃は、デジタルではあったもののハイスペックなカメラと言ったら一眼レフが当たり前だった。
シグマのDP1から入り、初めて買った一眼レフはペンタックスのK-5。
始めてミラーレスを手にしたのは確かオリンパスのOM-Dだった気がする。
それでも十数年前の話だ。
写真歴10年ですと言う人の中にも、実は一眼レフを使ったことがないという人はいたのかもしれない。
当時のミラーレスのイメージと言ったら、おしゃれでちょっと写真に興味のある女子が使うようなカメラといった感じだったが、いつの間にかデフォルトとなってしまった。
というか、調べてみて分かったのだが、僕が写真を始めた2008年頃にはもうすでにミラーレスがパナソニックから発売されていたらしい。
驚きだ。
EVFは今と比べるととても粗いものだったが、撮像を確認しながらの撮影はストレスがなく、とてもリズミカルだったのを覚えている。
歴代の機種の中でも間違いなく楽しいカメラだった。

それにしても、時代の流れというのは恐ろしい。
いつの間にか僕も36歳だ。
なんとなく周囲からの接し方が変化し、若い子たちと上手く馴染めないことに、どこか焦りにも似た感情をを覚える歳となった。
レンジファインダーがどうとかそんな話をしていても、きっと目の前のヤングにとってはなんのこっちゃな話だったのだろう。
僕が小学生の頃、戦争の話をしてくれるおじいちゃんがいた。
どこかSFチックなその話は、少年篠原辰弥の心を惹きつけたわけだが、おそらくそんな面白いものでもない。
きっとヤングたちからすると、意味のわからない話で盛り上がってるオジ達は、どこか別世界の生き物のように映ったに違いない。
写真を撮ることをどのように考えているのだろうか。
僕の性格上、こういった小難しい話を聞きたくなるのだが、それは野暮だろうと思いやめておいた。

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