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チェリスト 「宮田大」

世界で活躍するチェリスト宮田大さんに私は惹かれています。まだ35歳という若さで、これからの人生経験や音楽の積重ねでどのような音楽を創り出していくのか、非常に楽しみにしています。

私が宮田大さんを知るきっかけになったのは、YouTubeです。エルガーのチェロ協奏曲で、演奏する音が生命のようの生きており、音楽が語りかけてくるようなイメージがありました。

そして、宮田大さんのついて調べてみると、彼は音楽を表現する時に、色や光、声など、「音」以外の表現を使います。

彼が音楽を別の感覚で表現するように、実は建築にも物質を超えて、その建築が奏でる"音"が聞こえることがあります。

最初に建築から音が聞こえたのは「東京カテドラル」の内部を見た時です。

……??
何を言っているんだ、頭がおかしいんじゃないか?
と、思ったかもしれません。

同業者の設計士にもこの話をしたら、「とうとうおかしくなったか…笑」と、笑われました。

しかし、この感覚が正しかった事に気付く瞬間が何度も訪れます。

建築家が音を感じている例

1.ルイス・カーン
I believe that music is infinitely more akin to architecture than either of painting or sculpture.
A musician sees it as something he hears.
音楽は絵画や彫刻を超えて限りなく音楽と関連性があると。まさに音楽家は建築に音を"見る"。


2.白井晟一
静岡県韮山の江川家住宅を訪れた際、白井晟一は「陣馬の蹄の足音の響きがこもっている」のを聞きとっている。
[参考:日本の家 著:中川武]

3.ル・コルビジェ
ル・トロネ修道院を訪れたとき、「光と影はこの真実の建築の"拡声器"である」と書き記している。


4.隈研吾

蒜山での隈研吾展にあった隈研吾氏の言葉

5.ピーター・ズントー
音と詩は類似していて私も時々詩を作りますが、ピーター・ズントーも皆の前で建物の説明をする場があれば、詩を朗読してから建物の説明に入ります。
そして、「建築は詩的でなければならない。」とも言っています。

6.ユハ・レイヴィスカ

建築は視覚芸術より音楽に近い。建築や建物をその内部の空間やディテールとともに特質化するとは、環境の有機的一部となさしめること、その大きなドラマ、運動や空間的な連続の一部となさしめることである。私にとっては建物がそこにそれとして建つこと、「建築の一つとして」建つことは無意味である。建築や建物が建つことの意味は、ひとえにその周囲や生活や光との対位旋律的な在り方を通してのみ発生する。 ユハ・レイヴィスカ『A+U』1995年4月号13頁

最後に

これらの事から私は確信を持って、建築の奏でる音に耳を傾けています。ですが、音を奏でられる建築は世の中の0.001%ほどでしょうか…。

これからも建築の奏でる音を探し続けるため、音楽に限らず様々な文化芸術や自然の中に身を投じてみたいと思います。


巨匠たちが見ている世界に少しでも近づくために。

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