放射性物質として一番身近なのものは、実は「人」なのだ
こんばんは。
五十嵐です。
これまで放射線と放射能の違いについて解説してきました。
今回は、放射性物質はどこにあるだ!どんな種類があるんだ!ということについて解説していきたいと思います。
↓↓僕が原子力を知るシリーズを書く理由は、以下の記事で綴っています↓↓
1.放射性物質の種類
自然界には太古の昔から、以下の図のような放射性物質(便宜上、この記事では放射性同位体と表現します)が存在し自然にある放射性同位体と人工の放射性同位体に分けられます。
(出典:浜島書店生物図表Web 放射線の影響)
半減期という言葉も使いたいのですが、頭がこんがらがるので、割愛。
まずは、放射性同位体が自然と人工の2種類あるということを理解していただればOKです。
2.天然の放射性同位体
放射性同位体は何処にでもあります。
例えば、地殻の中には、天文学的な量(500兆トン)のウランやラジウム、放射性のカリウム-40などが埋蔵されており、広さ200m2、深さ1mの土壌には、約1kgのウランが埋もれています。
また、放射性同位体は雨水や地下水、河川や海水にも溶けています。
海水中にはウランが1m3あたり3mg(総量45億トン)も溶けていて、大気中にもラドン、炭素-14、三重水素(トリチウム)などが含まれています。
放射性同位体は、意外と自然に溢れかえっているんですね。
土壌や空気、水の中に含まれている放射性同位体は、動植物の体内に取り込まれるので、人の体内にも食物を通して、種々の放射性同位体が取り込まれます。特にカリウム-40は食事などから体内に自然に取り込まれるので、実は人の身体からも絶えず放射線が出ています。(ベクレルで表すと4000~5000Bq程の量です。)
3.地熱と温泉の関係
ここでちょっとだけ脱線します。
地熱、地熱とよく言いますが、これは地殻の中に含まれている放射性物質から放出される放射線のエネルギーが、熱エネルギーに変換されたものです。
よって、放射線のエネルギーで温められた地下水が温泉になっているのです。
実は温泉も放射線が密接に関係しているんです。意外ですよね。
4.人工の放射性同位体
放射性物質(放射性同位体)には人工的に作られるものがあります。
例えば、コバルト-60やセシウム-137は、原子炉やサイクロトロンなどの装置を用いて人工的に作られます。
このように人工的に作る放射性同位体も大事で、コバルト-60については、放射性物質を取り扱う施設では線量計として用いられたりと、放射性物質を安全に扱うために必須の放射性同位体になっているんです。
やっぱり使用する目的を知るって大事なことですよね。
5.まとめ
放射性物質はどこにあるだ!どんな種類があるんだ!ということについて解説しました。
実は自然の中には放射性物質がめちゃめちゃあって、普段食べている食物にも放射性物質が含まれているくらいありふれているんです。
またご覧いただければ嬉しいです。
(*記事出典元:Q&A放射線物理 改訂2版 大塚徳勝・西谷源展著)
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