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ベクレルとはマシンガンの弾で例えられる

こんにちは。
五十嵐です。

今日も原子力について共に学んで行きましょう。

今回のテーマは、「よく聞ベクレルって何者!?」です。
ここまで解説してきた放射能が関わってきます。

↓↓僕が原子力を知るシリーズを書く理由は、以下の記事で綴っています↓↓


1.ベクレルとは放射能の強さを表す単位

ベクレルとは放射性物質の放射能の強さを表す単位です。

マシンガン=放射性物質、銃弾の数=ベクレル(放射能の強さ)というイメージです。少し分かりづらいですね。

例えば、目の前にゾンビの集団、後ろは行き止まり。
こんな状況になったときに、どんなマシンガンが欲しい!と思いますか?
1秒間に10発しか撃てないマシンガンだったら絶望ですが、1秒に100発も撃てるマシンガンだったら、逆転の兆しがありそうじゃないですか。

マシンガンから出る銃弾のように、放射能の強さも、放射性物質を構成する原子が1秒間に壊変する数(壊変する際に放射線を出します)で表され、これをベクレル(Bq)という単位で表します。

つまり、1ベクレル(Bq)とは、放射性物質を構成する原子が1秒あたりに1壊変するということなんです。

放射性物質を構成する原子が1秒あたり1個壊変すると、それに見合った分の放射線を放出します
つまり、原子が1秒あたりに壊変する数(銃弾)が多ければ多いほど、強い放射能を持つ放射性物質ということになります。

裏を返すと、放射性物質の量が多ければ多いほど、そして、原子が壊変しやすければしやすいほど、放射能は強くなるということです。

2.同じグラム数の放射性物質をベクレルという観点で比べてみる


放射能は、放射性物質の量が多ければ多くなるほど強くなります。

しかし、同じ1gの放射性物質であっても、放射性元素の種類によって放射能の強さは大きく変わります
これは放射性元素によって壊変のしやすさが異なるからなんです。

例えば、ラジウム1g=370億Bq ウラン1g=1.2万Bq

つまり、ラジウムの放射能はウランよりも約300万倍強いということになるので、ラジウム1gの放射能は、ウラン3トン分に相当します。

放射能の強さをグラム数を基準として見てみると、面白いですよね。

3.ラジウム温泉とウラン温泉


ラジウム温泉に対抗してウラン温泉というものが仮にあった場合、一般的な人はどちらの温泉に入るのでしょうね。

ラジウム温泉は有料、ウラン温泉は無料で入れます!ってなったとしても、ウラン温泉に行く人はほとんどいなそうですよね。

「ラジウム温泉の方が放射能が強いし、高い効能が期待できるから、例え有料でもラジウム温泉に入りたい!」という方はおそらく少数派で、ほとんどの方は、「ウランは危ない!一方で、ラジウム温泉は普段よく聞くし、たしか体に良いんだよね!」というイメージ先行でラジウム温泉を選ぶのではないでしょうか。

4.まとめ


今回はベクレルについて解説しました。

温泉の話などから、少しずつでも「知るってこういうことか!」という感覚を掴み始めていただけているのであれば、こんなに嬉しいことはありません。

(*記事出典元:Q&A放射線物理 改訂2版 大塚徳勝・西谷源展著)

今回もご覧いただきありがとうございました。


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