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高齢者が転倒しやすい場所と転倒予防

みなさんこんにちは!
たつやとまさとです。

今回は、「高齢者が転倒しやすい場所と転倒予防」についてお話しできればと思います。

「なぜこのテーマにしたのか❓」


前回は、「老化による体への影響と転倒」についてお話しさせていただきました。その記事を書く中で、転倒の原因は体への影響の他に、環境の影響により起こりやすい事も重要であると考えました。
環境とはいろいろな意味がありますが、今回はご自宅内の環境について説明させていただきます。ご自宅内のどこに転倒するような場所があるのか、なぜそのような場所で転倒してしまうのか、それを防ぐためにどのような対策をすれば良いのかを説明できればと思っております。
そして、これらの情報を少しでも多くの方に知っていただき、少しでも転倒予防の参考にしていただけると幸いです。


では、本題に入りたいと思います。


みなさまは、高齢者が転倒しやすい場所はどこかと考えていますか❓

内閣府によると、転倒した場所として、画像1を上げています。

画像1

 (画像1:「内閣府:自宅における転倒事故」より引用)

画像を見ていくと、一位は屋外です。原因として考えられるのは、まず、歩く場所が不整地や坂道など平坦ではない場が多く、屋内に比べてバランスを取るのが難しいことが挙げられます。屋内であれば、ほぼ平らな場所を移動することができますが、屋外になるとそうはいきません。道路でもゆるい傾斜になっていたり、自宅の庭でも土の所もあれば、芝生の所もあります。なので、外で何か作業をする時には、いつもより転倒しやすいことを意識しながら行動するのが大事だと思います。また、作業に支障が出なければ杖や、歩行車(シルバーカーなど:写真1)を使用するのが安全かと思います。

画像2

(写真1:シルバーカー)

次に多いのは玄関周りです。どのご家庭もそうだと思いますが、ここには数十センチの段差があることが多いと思います(最近は段差がない家もあるみたいですが)。高齢者の方は徐々に足の筋力が衰えていく方が多いです。足の筋力が衰えることで、玄関の段差が上手く上がれず、躓いてしまう方もおられます。また、外出先から帰宅した時や、外出する時には玄関で靴を履くと思いますが、不意に片足立ちした時にバランスを崩したりして転倒する方が多いです。
そのため、一段の高さを低くするために、高さの低い段を一段入れたり(写真2)、段差の横に手すりを設置したりする場合(写真3)があります。ちなみに手すりの高さは、一般的に足の付け根の外側にある骨の部分を基準にして(床から750mm〜800mm程度)取り付けられます。また、関節リウマチ により手すりがうまく掴めない方は、前腕(肘〜手首の間)で体を支えられる様に、床から1000mmほどの高さで設置するとなっております。その他、立ちながら靴の着脱が難しければ、玄関の土間に椅子を置き、椅子に座ってから靴の着脱をされる方も多いです。

画像3

(写真2:段差解消用の踏み台)


手すり

(写真3:手すりの設置)


浴室の転倒数も多いです。浴室は、床が水で塗れていたり、石鹸の泡で滑りやすい環境になっています。よく、小学生がプールサイドを走っていると先生から注意されますよね?(僕はよく怒られていました笑)。お風呂はリラックスできる場でもありますが、かえって注意が低下する場でもあると思います。低い椅子から立ち上がる時も、体には負担が増している場合もあります。使用する椅子の高さを高くする(福祉用具のバスチェアーを利用すれば、足の長さを変更でき、対象者様にあった高さに変更できます:写真5)、手すりなどを設置し体を支えられる環境にする(浴槽手すりの設置:写真6)などが対応として挙げられます。

画像5


(写真5:バスチェアー 脚の部分で座面の高さ変更が可能)

画像6


(写真6:浴槽手すり)


次はリビングです。リビングにも様々な転倒原因が潜んでいます。
例えば、以下の画像2をご確認ください。

図1

(画像2:リビング)

まず、部屋が暗いですよね。高齢者は、視覚の低下によりどんどん目が見えなくなってしまいます。目が見えないことにより、床に落ちている物や段差に気がつかず転倒する可能性があります。そのため、部屋は明るく設定する必要があります。その他、高齢者は色彩も低下すると言われています。そのため、可能であれば段差の部分に床と違う色のテープを貼るなどして、周りの色とコントラストをつけると、より良いと言われています。
次に、床が散らかっています。これらにつまずいたり足を引っ掛けると転倒につながります。また、これらを避けることができても、狭い道を歩くことになるため、歩幅が狭くなりバランスを崩しやすいです。そのため、床にはできるだけ物を置かない様にしましょう。また、カーペットなども足を引っ掛ける可能性があるため、両面テープなどでカーペットがめくれない様に工夫しましょう。

次に寝室です。寝室の説明に入る前に、転倒の多い時間帯を説明すると、夜中〜早朝、朝が多いと言われています。なぜかと言うと、体が起きたばかりでうまく動きにくい場合が多いからです。私も、朝起きた時はフラフラします(笑)。ただ高齢者にとっては、少しのバランスの崩れが転倒に繋がりやすいと言えます。寝室で転倒が多い原因は、朝起きてベッドに座った際やベッドから立ち上がる際に、そのまま床に滑り落ちて尻餅をついてしまう方が多いです。その他は、ベッド周りに置いてある物を取ろうと無理な体勢をした際に滑り落ちるなどもあります。そのため、ベッドで座る場所の床に滑り止めのマットを置く、立ち上がる際にふらつかない様に持てるものを置いておく、できるだけすぐ届く範囲に物を置くなどの工夫があります。


福祉用具はどの様に手に入れれるの❓手すりの設置は誰に相談すれば良いの❓

ちなみに、歩行車などの福祉用具は、購入のみではなくレンタルできる場合があります。また、手すりの設置に関しても、介護保険制度を利用して助成金を受けることができます。これらの相談は、各市町村の窓口(市役所・地域包括支援センターなど)に問い合わせていただければ可能です。

手すりの設置場所や、どの様な福祉用具を使用すれば良いのかなどは、我々に個人的にメッセージをいただければアドバイスも可能です。そのほか、市町村の窓口の方に、専門的な方を紹介していただくなどの方法もあります。



少し長くなってしまいましたが、今回のコラムはこれで終了させていただきます。
これらはあくまで一つの例ですが、参考にしていただけると幸いです。
少しでも転倒要因が減り、安全に生活ができる環境が世の中に浸透していってくれればなと祈っています🙏

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