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ただ女性が生きづらい世の中だということを知って欲しかった

pixivで開催中の「第2回百合文芸小説コンテスト」に三作目を応募してきました。

今回は、SF百合にチャレンジしてみました。

SF百合とは言っても、じつは「SF百合の皮をかぶった社会派フェミニズム小説」です。


このツイートを見たのが小説を書こうと思ったきっかけ

以前、たまたまTwitterで見かけたこちらのツイート

男性の方のツイートなのですが、こちらを見て「なるほど!」と思ったんですね。

十代の頃から、女性の自分たちに向けられる社会(とくに男性)からの期待に、すごくもやもやしたものを感じていました。
このツイートを見て、すとんと胸落ちしましたね。

「ああ、そうか。男性からは同じ人間だと思われてなかったんだ」と。

すべてのもやもやに説明がついた気がしました。

あ、ちなみに、私はこのツイートをぜんぜん悪くは思ってなくて、むしろ「明文化してくれてありがとう! 長年の謎が解けた!」と感謝しています。


例えば、ほんの二十年くらい前までは「昼は淑女、夜は娼婦」な女がいい女である、みたいなことが平気で言われていました。
(まあ今でも、恋愛指南のWEB記事などで「男を落とすテク」みたいに紹介されてますけど)
どう考えても矛盾してますよね。

ひとりの人間が、そんな都合いい二面性持ってるかーい! と思うわけです。
でも、社会は平気でそれを女性に要求する。

今の社会でもそうです。

「地域での介護をしよう」
「子育ては祖父母(とくに祖母)に助けてもらって家庭で」
「女性の力を活用しよう」
「女性の社会進出を」

などと言われますが、

「その女性って誰? 何人いるの? 子育てしながら介護してフルタイムで仕事すんの? それ、女性が『愛』の名のもとにぜんぶやってくれると思ってる? 超人? 分身の術使えるとでも?」

って思っちゃうんですよねえ。


男性にとってたいしたことなくても、女性には恐ろしい

作中では、主人公の佐和が、電車内で精液をかけられるという痴漢に遭います。
男性がこういう痴漢をどう感じるかはわかりません。でも、女性にとっては(少なくとも私にとっては)、見知らぬ悪意のある人間のそんなものをかけられたりしたら、ほんとうに気持ち悪いし、怖くてたまらないんですよね。

このまとめ記事も、とても興味深く読みました。ほんとうに男性と女性では見えている世界が違う。

今回の小説「マリアシステム」は「男が悪い」と糾弾したくて書いたわけじゃなくて、

「女の目から見た社会は、たぶん男性が思っているよりずっと恐ろしく理不尽で苛立ちを感じるものなんだ」

ということを、ちょっとでも理解してもらえたらいいな、と思って書いたものです。

「百合文芸」という性質上、たぶんコンクール参加者も読者も女性が多いと思いますが、男性にも読んでもらえたら嬉しいです。


百合文芸にはあと二作出していて、ひとつは幼なじみ女子高生のじれったい両片思い百合。王道の純愛ものです。

もう一作は恋愛ではなく友愛ものの社会人百合です。周囲の人たちの優しさに触れて、上司とクールな部下が仲の良いバディになっていく話です。

三本とも、読んでいただけたら嬉しいです!

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