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美容医療トラブル増加を受けて、検討会に出席しました

こんにちは!
まだまだ暑い日が続きますね。
今日も僕のnoteをご覧いただきありがとうございます。

さて、今日のテーマは美容医療をめぐるトラブル増加を受けていよいよ厚労省が設置した検討会の話です。

この検討会では医師や専門家が集まり、違法・不適切な事例に対する対応策について話し合いをします。

これから数回にわたり、検討会の内容をレポートしてまいります!


美容医療の適切な実施に関する検討会について

美容医療の実施件数は年々増加しています。

2019年度の実施件数が123万回。
2022年度は373万2000回。
たった、3年で3倍以上!

一方で、
国民生活センターによると
美容医療をめぐるトラブルの相談件数は
昨年度が5,833件で、
5年前より約3倍も増えているのだとか。

これは由々しき事態、ということで
厚労省は、この問題に対する対策を協議する
「美容医療の適切な実施に関する検討会」を設置しました。

実は僕もこの厚生労働省の検討会の構成員になっています。

美容医療を提供する側として、
・JSAS理事長の僕
・個人開業医として共立美容外科の久次米先生
・JSAPS理事長の武田先生
・先日まで国際美容医療協会の理事長をされていた、JSAPS開業医の代表として青木先生

その他有識者として、
日本医師会の理事や
倫理・医療関係の政策に精通している方、
保健所の方、ジャーナリストの海野さんなど・・・
こうした面々がこの検討会に参加しています。

検討会第1回目は6/27に行われ、次は8/26。
年内に数回行われる予定です。

3つの検討内容

検討内容は次の3つです。
実際の状況を収集しながら、どう対策するか公開で話し合います。

  1. 美容医療のなかで、明らかに違法行為をしているクリニックへの対応。
    違法ではないものの、グレーな部分に対してどのように注意喚起をしていくか。

  2. モラルに欠ける活動、行動をする医療機関や医師の問題にどう対応するか。

  3. 契約関係、金銭に関するトラブル。

6月に実施された第1回検討会では
美容医療の現状と、検討会の進め方が議題でした。

次回からは実際に美容医療に携わる構成員から
いろいろな報告を受けて、どのような対応をするか検討していくようです。

医療行為のはずの永久脱毛がエステで常態化

今日は、1つ目の検討内容である「違法性」についてお話しします。

例えば、美容医療の現場で医者でもない「無資格者」が医療行為をしていれば、明らかに医師法違反だということは、みなさんもご存知だと思います。

ここで難しいのが、
以前から問題になっている「脱毛」です。

永久脱毛は医療行為です。

永久脱毛とは、施術を行った後に生えてくる毛の本数が
以前より減り、その状態を長い期間維持できる脱毛のこと。

厚労省の通達では、
「毛根部を熱で破壊させるような行為は医療行為」とあり、
機械の種別を問わず、光でもレーザーでも医療行為。
当然、エステでは永久脱毛はNGです。

しかしながら、実態は「永久脱毛」とは謳っていないものの、
「結果的に」永久脱毛になっている脱毛行為を
エステで普通に行われている現状があります。

(毛根部が熱で破壊されているかは、その場では検証できませんから、なかなか難しいのですが)

10年ぐらい前に日本医学脱毛学会の報告で
「エステ脱毛を受けている人」
「医療機関で医療脱毛を受けている人」にアンケートをとったところ、
エステ脱毛を受けている人の中で、
結果的に永久脱毛になった人は、半数いることが分かったそうです。

つまり、厚生労働省の通達で
永久脱毛は医療行為と言っておきながら、
実体はエステで行われているのですね。


今回も最後までお読みくださり
ありがとうございました。

この検討会は公開で、メディアも多く来ていました。
そのメディアに対して、
青木先生が面白い発言をされたんです。

「メディアは今回の検討会の内容を報道するわけですが、あなたたちはお金をもらって、違法行為であるエステ脱毛の広告を載せています。そこに責任があるのではありませんか?」

ごもっともです。

メディア席を見たら
苦笑いした人たちがたくさんいましたよ。

厚労省だけが頑張ってもダメ。
美容医療の現場も頑張るのは当然ですが、
メディアも含めて、
正しい美容医療の知識を発信していかないと
中途半端に終わってしまいます。

医療機関もメディアも
情報を共有し、
正しいやり方で発信していくことが重要ですね。





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