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熱戦!慶応vs広陵。 どんなタイプのチームだったか、地区予選データの振り返り。

大熱戦だった慶応vs広陵。

ベスト16での大激突でした。

手に汗を握る素晴らしい試合でしたね👏

延長タイブレークの結果、慶応が勝ちました。



さて、詳細な戦評や試合の分析は他の媒体でも行われるでしょう。

なので、このnoteでは、僕なりの視点で振り返りたいと思います。




試合の振り返り方


当然ながら、どの高校も各都道府県を勝ち上がって甲子園に出ています。

なので、その地区予選でのデータが、その高校の傾向を示していると考えています。

「そもそもこの2校は、どういうタイプのチームなのか? 実力がこの試合で発揮されたのか?」

という視点を中心に、見ていきたいと思います。




まとめ


・地区予選の結果からして、両校のストロングポイント同士の勝負と捉えるのであれば、
  広陵高尾投手 vs  慶応打線

と言えるものだったと思います。

・地区予選のデータから言って、高尾投手頼みの広陵。複数投手の継投が基本の慶応。
 タイブレークで敗れたことから、高尾投手が150球以上投げることになった時点で、疲れのある高尾投手と、フレッシュな慶応松井投手の投げ合い
の勝負。
この展開になった時点で、慶応の勝利が近づいたとも言えます。



では、詳細について、以下に書いていきます。



各指標の説明

▶︎ エース依存率

エース依存率とは何なのか?という話もあると思いますので、まずはその説明からさせて頂きます🙏

エース依存率とは、僕が勝手に作った指標ですが😅、個人的には「あんまりエースに依存してへん高校の方が、勝ち上がりそうやな」という思いから、指標化してみました。

 エース依存率 = 地区大会で最もイニングを投げた投手(エース)の登板イニング数/地区大会の全イニング数

エース依存率を低くできている学校というのは、つまりは複数の投手が力を持っていると言えます。監督が、そのようにチーム作りをしてきたことを示唆していると思います。
チームが甲子園で勝つことや選手の将来のことをよく考えている監督のチームは、エース依存率が低くなりそうですよね。(もちろん、たまたま学年に有力投手が少なくて、甲子園に出るために止むを得ずエース依存率が高くなるケースもあると思います。🙇‍♂️)

エース依存率は、低い方が良い指標と考えて頂けばと思います。
その方が、エース以外の複数の頼れる投手がいるということを意味していますので。


▶︎ K/9

1イニングあたりで、何個三振を奪取するか、という指標。
高い方が良い値です。
投手の奪三振能力の高さを示します。

▶︎ BB/9

1イニングあたりで、何個四死球を出していまうか、という指標。
低い方が良い値です。
投手のコントロールの良さを示します。



①投手人数とエース依存率


そもそも広陵はエース依存率が非常に高いチームです。

高尾投手への依存が高く、エース依存率が0.7を超えていました。


一方で、慶応はエース依存率が0.6を下回っています。

主な投手3人で、バランスよくイニングを分配しています。


僕の昨年の分析では、エース依存率が低いことは甲子園で上位に行くための重要条件です。(もちろん例外もあります)

なので、慶応の方が、甲子園で勝ち上がる準備が出来ていた、とも見て取れます。


この指標からしても、慶応の方が有力だったと言えます。


なお、投手人数は両校5人で同じでしたね。

ちなみに甲子園出場校の平均投手人数(地方大会で登板した投手の人数)は、4人です。

なので、両校とも、平均よりは多く投手が居たと言えます。


結果的には、150球を投げて力尽きた感がある広陵の高尾投手。
それに比べて、慶応のエース依存率の低さがそのままに、最後に素晴らしいリリーフを見せた松井投手の存在が大きかったです。
疲れのある高尾投手と、フレッシュな松井投手の投げ合いとなったタイブレーク。
結果は、自ずと慶応が有利なものとなりました。


②K/9とBB /9

これは、チームとしての全投手の合算のK/9とBB/9です。

広陵の方が、K/9とBB/9が良い値を示しています。

ただし、これは上述の通り、エース依存率が極めて高いチーム事情からして、ほぼ広陵のエース高尾投手の数値です。

つまり、

  • 広陵にとっては高尾投手の調子次第であり

  • 慶応にとっては、高尾投手に球数を投げさせるなどして、マウンドから下ろしさえすれば、有利な展開が望める

ということを示唆しています。

結果的には、広陵の高尾投手が完投しましたね。
序盤は不調の様相でしたが、尻上がりに調子を上げていました。
データが示す通り、高尾投手頼みのチームであり、そのような試合展開でした。
慶応は、いつも通りの3投手の継投で逃げ切りました。


③チーム打率とチームホームラン数(1試合あたり)



チーム打率は慶応の方が高く、ホームラン率も慶応の方が高いです。

広陵は、ボンズこと真鍋選手の存在で打力のイメージがありますが、打力だけであれば慶応の方が有力と言えます。


両校のストロングポイント同士の勝負と捉えるのであれば、
 広陵高尾投手 vs  慶応打線

と言えるものだったと思います。



④犠打と盗塁(1試合あたり)


慶応は、バントや盗塁などの作戦は使わないタイプのチームと言えます。

盗塁は、1試合で1つ未満です。

それに比べて、広陵は盗塁数の多さが際立っています。

1試合で2、3個は盗塁を成功させています。


結果的には、まさかの慶応丸田選手が2盗塁。
広陵は、松下選手が痺れる場面の試合終盤で、ディレードスチールを決めました。
持ち味が出たように思います。



ご参考(過去の分析)


なお、僕が実施した昨夏の甲子園のデータの分析からも、

「複数投手が登板するチームの方が、勝ちやすい傾向にある」

と言えます。(以下のnoteなど、ご参考)






今日も読んで頂いて有難う御座いました😃



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