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創業期のスタートアップだけどコロナ禍を機にフルリモートで組織を作る事にした話

政策×テクノロジー領域のスタートアップ、株式会社issues代表取締役の廣田といいます。ネット世代の要望を政治家に届ける政策実現プラットフォームissuesというサービスを運営しています。

私たちは2019年3月からサービス開始し、フルタイムメンバー3名でやっている創業期のスタートアップです。2019年秋には2350万円のシード資金を調達しています。

(ちなみに私自身は今の会社を始める前は、マナボというEdTechスタートアップをやっていたり、フローレンスという保育のNPOで官民連携事業を立ち上げたりしていました)

弊社は以前、全員が毎日オフィス勤務をすることを前提として組織を作っていく方針でした。しかしコロナ禍を受けて潮目が大きく変わったなと感じ、フルリモートで組織を作る方針に180°転換しました。

元々オフィス勤務ありきで考えていた理由

初期のスタートアップにおいては「PMF(Product Market Fit)を探り当てる事」が最も大切なことだと感じています。

特に弊社は国内に成功事例がない政策×テクノロジーというマニアックな領域です。大量の試行錯誤と仮説検証を素早く回す必要があります。

そのため、対面で濃密・頻発的なコミュニケーションをとることで、少しでも打ち手の精度と数が高めようという意図でした。

またPMFさせたあとは急激な成長フェーズに移行し、組織の規模も拡大していきます。組織をグリップし成長痛を乗り切る上で、日頃から密に対面でやりとりし、信頼関係を築くのが良いだろうと考えていました。

コロナ禍以前はコワーキングスペースに入居していました

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選択肢は2つ:完全オフィスか、完全リモートか。

実は役員の一人が通勤時間を削減できるリモートワークのメリットを強く感じており、コロナ禍以前からリモート勤務を一部でも導入してはどうかという話はしていました。

しかし僕は一部の人がオフィス勤務、一部の人がリモート勤務という組織作りは避けたいと思っています。主な理由は、対面とリモートではコミュニケーションプロトコルが全く異なるからです。人によってリモート勤務・オフィス勤務を切り分けると、プロトコルが異なるため組織内に亀裂が生じがちです。成熟した会社ならいざ知らず、ただでさえ心身ともに負荷がかかるスタートアップでは致命的なダメージになるなと思っていました。

また今は感染予防のため、週1出社・週4リモートのような形にシフトしている会社も多いようです。しかしこの形では対面・リモートそれぞれのメリットが充分に享受できず、コストパフォーマンスが良くないように感じます。

選択肢は、完全オフィスか、完全リモートか。創業当時は前者を選択していましたが、コロナ禍を経て後者にシフトしたわけです。

意思決定の背景

理由はずばり、エンジニア・デザイナーの採用競争力を上げるためです。

この2つは元々、リモート勤務を好む人が多い職種です。それがコロナ禍に伴いさらに大きく加速したように感じます。僕の周囲にも、緊急事態宣言の期間に半強制的にリモート勤務になりそのメリットを痛感した人、自粛生活で家族と過ごす時間の大切さを改めて感じるようになった人、これを機に地方移住を始めた人がたくさんいます。今後はリモートでないとTop Tierのエンジニア・デザイナーの採用がままならなくなってくるはずです。

またフルリモート体制にすることで、地方(あるいは海外)に住んでいる人たちも採用ターゲットにすることができます。一流のエンジニア・デザイナーから(多くは家庭の事情により)「どうしても地元を離れたくなくて...」という話を聞くことは珍しくありません。

ソフトウェアスタートアップでは、素早く改善を繰り返し顧客のニーズにあったプロダクトに育てていけるチームが必要不可欠です。そのためには一流のエンジニア・デザイナーが集まる組織を作らねばなりません。

With/Afterコロナの世界で強いプロダクトチームを作る上で、リモート体制のメリットは計り知れないほど大きいと判断しました。実際、足元で接点を持たせていただいている方々とお話しても、このファクターは非常に大きいように感じます。

またもちろん、フルリモート化により以下のようなメリットも享受することができます。これらも非常に大きな影響がありますね。

・感染拡大の状況に応じた対応力が増すこと
・通勤時間をなくして作業時間に充てられること
・オフィス家賃や水道光熱費などが不要になること

働き方のフィットが一番の採用競争力になる

今回の判断に至ったのには、前職・フローレンス時代の経験が大きいです。

同社では子育て中のパパ・ママ社員が多く活躍していました。様々な要因がありますが、働き方の柔軟性が圧倒的に高いことは大きな理由の1つなのだろうと思います。

NPOなので決して高い給与を出せるわけではありません。しかしそれでも、元の会社では年収1000万円は軽く超えているであろう外資系やコンサル会社出身のバリキャリな人たちが転職してきてくれる。本当にすごい組織です。

詳しくは以下の記事をご覧ください

これは子育て中のパパ・ママも、フルリモート希望者(または地方・海外在住者)も本質的には同じではないでしょうか。その人達の求める働き方を提供できる組織を作ることが、一番の採用競争力になるわけです。

フルリモートのデメリットをカバーする

ただしフルリモートでは、冒頭で触れたような対面でのコミュニケーションによるメリットは享受できません。悪影響も色々と出てくるでしょう。

そこをカバーするため、頻繁に顧客と話す、毎日のように意図的に雑談をする時間を設ける、四半期〜半期に一度くらい会社合宿をする、定期的な1on1実施などの手を打っていきます。

またそもそもになりますが、サービス公開から1年ちょっとで(PMFはこれからですがその前段としての)「ユーザーにド刺さりするプロダクトの形」がかなり明確に見えてきたこと、またこの数ヶ月の経験から今後はフルリモートであっても充分に「探索」が行えるという確信を得たというのも大きいです。

issuesで働く事に関心を持って頂いた方へ

弊社は2020年秋頃にプレシリーズAの資金を調達予定です。その段階でエンジニアを2名採用し、それ以降も事業拡大と共に組織を大きくしていく予定です。

すぐに転職するとかは考えてないけど、issuesの事業に興味あって...みたいな感じでもOKです。興味を持って頂ける方とは継続して接点を作りたいので、カジュアルにZoom飲みなどを出来たら良いなと思っています。

元から繋がっている方でも、それ以外の方でも、FacebookまたはTwitterまでご連絡いただけますと幸いです。よろしくお願いします!


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