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コロナでゼロに戻ったプロモーションを、実現までこぎつけた経緯のすべて

こんにちは、ミルボン経営戦略部の池田と申します。
 
本日8月25日、私が関わることになった新スタイリングブランド「DOOR」を発表いたしました。今回のnoteでは、このDOORのデジタルプロモーションにおける、実現までの紆余曲折について書かせていただければ幸いです。
 
プロモーション決定から3カ月、本当に多くの方のサポートをいただき、実現までこぎつけることができました。
 
この記事では、いったん白紙になったプロモーションを再度練り直すまでの経緯および、新ブランド「DOOR」の魅力について説明させていただければと思います。
 
まだ発売まで2週間(2020年9月10日)ありますが、改めて関係者の方に感謝をお伝えします。

■1.コロナ来たりて、すべてがゼロに

社長の承認も降り、プロモーション案が決まった矢先のこと。2020年4月7日に緊急事態宣言が発令、すべてが白紙に戻ってしまったのです。
 
新ブランド「DOOR」のプロモーション案は、『モンスターエナジー』を参考にした2週間のPOPUPストア方式でした。SNS広告でターゲティングした上で集客し、表参道で現品サンプリングを実施する予定でした。
 
サロン専売品であるミルボンの製品サンプリングを、一般発売前にPOPUPストアにて行なう。ミルボンとしては初の、チャレンジングな試みでした。
 
これらすべてがキャンセルとなったため、新しい施策を考えざるを得なくなりました。

■2.モンスターエナジーの優れたUGC施策

商品認知を考えるうえでは、デジタルとリアルが融合したプロモーションが重要と考えました。その思いが強くなったのは、前述のとおりモンスターエナジーの施策を見たためです。モンスターエナジーは、マーケティング面でも優れた先行者Red Bullに対して鮮やかな戦い方を見せ、2017年には徐々に引き離し、2019年には見事なシェアを奪っていました。(日経XTREND2019年10月17日より)。

背景には、商品サンプリングに対する手法の決定的な違いがありました。
 
Red Bullもモンスターエナジーも、毎日どこかでサンプリング施策を行なっていました。しかし、Red Bullがその場で缶を空けて提供し、感想を聞くスタイルに対し、当時のモンスターエナジーはステッカーと商品の現物の缶が入った透明な袋をランダムに手渡すスタイルでした。

UGC(ネット上の口コミ)を生み出すうえで有利なのは、後者でした。手元に現物がない商品は、UGCが生まれません。これは空いてしまった缶や、飲みかけの生ビールをSNSにアップすることが少ないことからもおわかり頂けるでしょう。
 
一方、モンスターエナジーはSNSにアップするシチュエーションを自分で選べます。学校へ行く前、バイト前、出勤前、移動中など。誰かの目に触れるところに持っていくことができ、モンスターエナジーを飲もうとすると
 
「モンスターエナジーじゃん!」「気合入ってるね!」「疲れてるの?」
 
といったコミュニケーションが生まれ、サンプリングのUGCがさらに広がるのです。こうして、モンスターエナジーは地上の口コミとSNS上(空中)のUGCが発生しまくる状況を作りました。これは、たまたまかもしれませんがSNS世代のインサイトをよく捉えた施策になっていました。
 
これを踏襲し、表参道・渋谷エリアでPOPUPストアを開催しようとした矢先でしたが、完全なる方向転換を余儀なくされたというわけです。

■3.美容とは「ネガティブを払拭する」ものではない

 
2020年のゴールデンウィーク。どこにも行けなかった私は、実家の自室にこもってすべての時間を新プロモーション案の策定にあてました。
 
当初企画したのは、クラウドファンディングでした。「DOOR」とクラウドファンディングをかけ合わせ、負の状況を脱しようというものでした。
 
しかし、この案は上司に見せるや「要するに、やりたくないってことで大丈夫?」と一蹴されてしまいます。
 
実際、上司の見立ては正しかったと思います。美容とは本来、使う人をポジティブな気持ちにさせるもの。ネガティブな状況を救済する考え方自体は悪くありませんが、今回のブランドプロモーションにはハマっていない何より、私自身が腑に落ちていませんでした。
 
再検討を重ねる中で、新たなプロモーション案の方向性が徐々に見えてきました。きっかけは、株式会社ホットリンクさんが4月に主催した#NEWWORLD2020 です。

 
「世界は変わった。私たちは変われるか。」というテーマで、各界の著名人がそれぞれの視点で、出口の見えない未来に向けてトークを繰り広げていたのです。ライブ配信で数千人を巻き込んだイベント。
 
「こんな未来を語るトークライブを、DOORでも実現できないだろうか?」
「SNS時代に生きる人たちを、美容業界が少しでもサポートできないだろうか?」
 
そう考えた末、新しいプロモーションとして「BEAUTY Channel SNS世代のカワイイを語る。」という企画が生まれました。

■4.新企画「BEAUTY Channel SNS世代のカワイイを語る。」

この企画はインフルエンサーさん、モデルさんと担当の美容師さんに、「SNS時代特有のカワイイってなんだろう?」という大きなテーマについて語っていただくものです。

Instagram/Twitter/YouTubeすべてのSNSアカウントの顧客接点を活かし、5日間にわたってライブ配信を行ないます。事前に美容師さんのスタイリングシーンを撮影し、ライブでトークと切り替えて配信する。ミルボンでは前例のない、新しい企画です。コピーライティングは、#NEWWORLD2020 さんと同じくカラスの牧野圭太さんに依頼しました。

進行管理からSNS施策までは、ホットリンクさんに依頼しました。SNS時代に触れるなら、同社に頼まない手はありません。いいたかゆうたさん、増岡宏紀さん、朝山高至さんには、手厚いサポートを頂きました。特に朝山さんにはnote公開の1時間前にキャストの方々のサムネイル画像(上の画像)の変更にも臨機応変にご対応下さって本当に助けられました。
 
事前のスタイリングシーンの撮影、当日の脚本については、シングメディアのプロデューサー安枝新介さん、ホワイトフィルムのカメラマン川口雄介さんの力添えをいただきました。お二人とも僕と同い年で、著名なCMも多数担当されている動画プロデューサーとカメラマンさんでとても頼りにしておりました。また、安枝さんはtoC向けコミュニケーションにおける天才です。モデルさんの各トークテーマや台本は、安枝さんなしでは作れませんでした。非常にクオリティの高いライブ配信がお届けできると思うので、是非期待して頂きたいです。
 
Day1とDay5に出演するLOG 齋藤さんは、DOORの開発に携わっていただいた美容師さんでもあり、SNS世代から絶大な指示があられる方なのでオープニング・エンディングどちらもご登場頂きます。
 
ライブ配信の最後には、DOORシャイニーオイルの現品プレゼントの告知もあります。合計5,000本(1,000本/1日)ご用意していますので、ぜひそちらも楽しみにしてください。

■5.新ブランド「DOOR」について

最後になりましたが、新スタイリングブランド「DOOR」について説明をさせてください。
 
DOORはソーシャルネイティブ(SNSネイティブ)世代をターゲットにしたスタイリングブランドで、以下の5商品を展開します。

右から、シャイニーオイル・シャイニースフレ・シャイニジェル、フェードクリーム、フェードワックスの順です。シャイニーとフェード、二つの質感をヘアスタイルに表現し、SNS上で可能にするアイテムです。
 
※シャイニーとは今でいうウェット、フェードはマットの質感を表します。
 
ブランドターゲットは、ソーシャルネイティブ世代。だからこそ、彼ら彼女らが自分自身でヘアスタイルをきれいに、カワイく表現でき、SNSにアップできるようなスタイリング剤でなければいけませんでした。
 
また、ウェットの質感スタイルは、Instagram上で非常に多く見られるようになりました。2020年8月16日現在、「#ウェットヘア」で検索すると11.5万件の投稿があります。しかし、そのほとんどは美容師さんがセットした画像の投稿です。この理由は、 
 
「ウェットスタイルは、顧客自身では作れない」
 
ことに尽きます。そのため、美容師さんがSNS上にアップすることで、「この美容師さんなら、ウェットスタイルを作ってもらえる」と思ってもらい、来店していただく狙いがあります。
 
さらに、ウェットスタイルをデザインしてもらった顧客にスマホで自撮りを投稿してもらい、さらなるUGCを生む狙いもありました。
 
“ウェットスタイルかわいいな"
→自分では作れない
→SNSで出来る美容室を探そう
→スタイリングしてもらおう
→SNSにアップしよう
⇒“ウェットスタイルかわいいな"
 
というネット上の口コミ(UGC)が連鎖し、ずっと回り続けている状態を作れればいいと思いました。
 
もっとも、自宅で再現できないスタイルには限界があります。そこで、ミルボンは誰でも簡単にウェットスタイルを実現し、SNSへアップできるようシャイニーのアイテムを開発しました。
 
また、海外で流行しているマットな質感にチャレンジしたい女性に向けて、フェードのアイテムも開発しています。この商品は、「マットに挑戦したいが、手ぐしが通らないのがイヤだ」という悩みを解決したスタイリング剤です。 
 
シャイニーとフェードの質感を誰でも簡単に実現でき、SNSにアップしやすい環境を創造し、SNS時代のカワイイをサポートする。それが、新スタイリングブランド「DOOR」です。

■6.まとめに代えて 

ここまでお名前を出したサポーターの皆さま、また出せなかった弊社メンバーの皆さん本当にありがとうございます。

今年のコロナの影響で、様々な分野がオンラインとして加速しており、美容もそのうちの1つとして急激に変化しています。オンラインコマース、オンラインライブ、オンラインカウンセリングとどんどん新しいことが生まれ、当たり前に変わっていきます。そしてSNS発信に関してもますます加速するでしょう。

コロナを経て、リアルとオンラインの比重は逆転しました。

「まずオンラインがあり、その先にリアルがある」

そんな時代になったと考えています。 

美容とは、自分の気持ちを高めるためのものです。同様に、SNSで自己表現をすることで、自分の気持ちを高める方も多いと思います。新ブランド「DOOR」は、SNSで自己表現をする皆さんをサポートするために誕生しました。

そして、SNSで自分をカワイく表現する一環として、「BEAUTY Channel SNS世代のカワイイを語る。」を企画させていただきました。
 
私自身、SNSは中高生の時の前略プロフィール、大学生の時のmixi、Instagram、そして社会人になってからTwitterやnoteなど多くの時間触れてきました。当時のSNSから大きく進化して、今やSNSから多様な価値観の発信、コミュニティの形成(フォロー・フォロワーの関係性)ができるようになりました。この進化はもはや文化となり、カルチャーや考え方を変えるほど大きな力を持っていると感じています。

今回のライブイベント「BEAUTY Channel SNS時代のカワイイを語る。」を通じ、最先端の感性をもったモデル・美容師さん・キャストの皆さんから、「新時代のカワイイとはなにか?」を感じていただければ幸いです。

配信はこちらから @milbon.japan

編集:澤山モッツァレラ

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