僕の音楽の礎

今日は僕の音楽人生の中で大きな影響を受けたアーティストについて書いてみたい。もちろんいろいろなアーティストからいろいろな影響を受けているのでここに書いていないからといって影響を受けていないわけではないし、ここに書いていないアーティストの中でも好きな曲はたくさんあるのだけれど、今回は5組に絞って書いてみたいと思う。


SEKAI NO OWARI

まず一番最初に紹介するのは他の誰でもないSEKAI NO OWARIだ。僕が音楽を聴きはじめたきっかけでもあり、僕がバンドでボーカルやギターを始めたきっかけでもあり、間違いなく僕の音楽の始点と言える。尊敬や愛が溢れすぎて、いつか記事1つ分でしっかりと書きたいと思っているが、ここでは少し短めに綴っていきたい。

彼らの音楽は変わり続ける。それがまず最大のポイントだと僕は思っている。アルバムEARTHに収録された曲はどちらかというとバンドっぽい(?)サウンドがメイン、ENTERTAINMENTの頃はバンドっぽさとオーケストラや壮大なシンセなどが混ざり合う雰囲気、treeではどちらかというとオーケストラ色が強くなりつつEDMなどの雰囲気も濃くなり始める。そしてeye、lipではシンプルな構成から壮大なオケ隊まで多種多様な構成の曲が現れる。最近のライブではFukaseがベース、DJ LOVEがドラムを演奏するなど生音にこだわったパフォーマンスも見られ、いつまでも進化していく、というスタンスが見てとれる。
決して安定に立ち止まらない、自分たちを信じて変わり続けるという姿勢が僕にもたくさんの影響を与えた。アースチャイルドという曲の歌詞に書かれている「変わらないために僕らはいつまでも変わり続けるよ」という言葉は、僕の座右の銘の一つにもなっている。
また、彼らの音作りへのこだわりも僕に多大なる影響を与えた。彼らの曲は少し小さめの音量で聴いても十分に厚みがあって満足できる上に、そこから少しボリュームをあげたり、静かな場所で聞き込んだりしてみると、その奥、それまで見えてこなかった景色が見えてくるのだ。気づけば僕も音作りにこだわるようになり、音作りの成否で曲の良し悪しも大きく左右されるのだと感じた。

他にも、メンバーの仲の良さ、互いへのリスペクト、また、社会への関わり方など、多く尊敬している部分があるのだが文章がどこまでも続いてしまいそうなので、今回は心を鬼にしてひとまずここまでにしておきたい。


MY FIRST STORY

続いては、SEKAI NO OWARIから一転、比較的ハードな方のロックに入るであろうMY FIRST STORYだ。

マイファスの音楽が僕を惹きつけた最大の理由は、多分その壮大さだと思う。ストリングスが似合うロック、というのが僕のどツボにはまったのだ。そして、コピバンをしてみてわかったことは各楽曲が確実なイメージのもとにあって、いつどこでパフォーマンスが行われても、常に圧倒的に「彼らの曲」であり、どのようにパフォーマンスをすれば良いのかまで明確に見える、ということだった。
彼らにも絶対に下積み時代はあって、うまく行かないことや様々な苦労があったはずなのに、彼らの音楽を聴いていると、パフォーマンスを見ていると、最初からこんな風に圧倒的な存在だったのではないかと勘違いしてしまいそうになり、その輝きに魅了されるのだ。努力は見えないところですべし、ということを教えてくれているように思える。
そして、彼らの曲は歌、ギター、ベース、ドラムのどれをとっても技術が光っていてそれぞれに難しいフレーズを演奏しているのに、お互いが邪魔することはないというのも自分の楽曲に取り入れられたら、といつも思っている。
僕も、彼らのように圧倒的な存在になれたら、と思いながら練習をする日々だ。

[Alexandros]

3番目に紹介するのは[Alexandros]だ。ドロスは中学の終わり頃、音楽を始めた時に仲の良かった友達が教えてくれたバンドだ。その頃の僕は、正直今と比べて歌が圧倒的にヘタクソで(今もどうなんだという話ではあるが)、高音も全く出なかったのでドロスの曲が歌えるわけがなかった。ドロスは言ってみれば、僕にとって初めて知った男性高音ボーカルのバンドだった。

彼らの音楽にはどことないおしゃれさと遊び心が潜んでいるように感じる。ああ、こんなふうにおしゃれにバンドできたらなぁ、と彼らをみるたびにいつも思う。英語を織り交ぜながら、少し洋楽の雰囲気を出しつつもジャパニーズロックの良さも持っている。この洋楽の雰囲気というのが僕の憧れでもある。彼らの音楽の持つ飛翔感が僕の音楽に間違いなく影響をもたらしている。
そして彼らは遊び心を忘れない。かっこいいのに、時々ちょっとふざけてあえてそこにギャップを作る。そんな雰囲気がいろいろな人に愛される秘訣なのかなぁと思ったりする。

ちなみにこれは余談だが、僕がYOHJI YAMAMOTOを知るきっかけとなったのもこの[Alexandros]だった(そしてドロスとオーラルに影響されてどんどん好きになっていった)。いつかこれについてもお話ししたいなと思ったり。


Sigur Rós

ん、ここまで割と王道バンドで来てたけど、急に全然違うの来たぞ、と思ったかもしれない。Sigur Rósは北欧のバンドだ。

彼らの音楽は、なかなかに言葉で形容し難い。あえていうなら超人間的、といったところだろうか。正直、歌詞は全くわからない。彼らは自分たちで言語を作ってそれで歌詞を書くということもしているがどちらにせよわからない。だが、彼らの音楽は人間のもの、というよりは自然のもの、語弊を恐れずにいうなら神の生み出したもの、といった感じを受ける。そこでは人間の声も他の楽器と変わらぬ一つの音であり、その表現は言葉を超えた何かとなる。そしてそう考えると、彼らが自ら言葉を作ったのは、あえて言葉を今現在言葉が持つ存在価値としては無意味化するためだったのではないか、とさえ思えてくる。

などとなんだか散らかった文章を書いてしまったが、とりあえず彼らの音楽は言葉がわからなくても受け取ることができる力を持っていて、とにかく音作りがきれいだ、ということだ。あの空間の広がりを持った音作りが、僕の音楽を作る上での一つの指標になっている。


amazarashi

最後に紹介するのはamazarashiだ。

amazarashiの音楽は、歌詞を圧倒的に言葉として取り扱う。なんならポエトリーリーディングさえも用いる。そして、その言葉たちがとても鋭く、とても優しい。

僕個人の見解では、amazarashiの歌が聴きやすいのは生きることと死ぬことを等価に扱っているからだ、と思う。amazarashiの歌詞は暗い、とamazarashiが好きであることを話すと言われることがしばしばあるが、それはその通りだと思う。でも、よくよく聴いているとただ暗いという歌詞ではないのだ。彼は生きることと死ぬことを等価に扱うからこそ歌詞に「死」がよく現れる。でも、それはじゃあ死んでいい、という話ではなくて、生きることを頑張りすぎて苦しくなった僕たちの心を開放してくれるもののように感じる。僕もそんなふうに、何かを追い詰めてしまうようなエールではなくて、そっとただ苦しさから解き放ってあげる、そんな力を持った言葉を紡げるようになりたいと思うのだ。

終わりに

書いているうちにあまりにも雑多な文章になってしまった気がする。書いてみて改めて感じていることは、音楽にたくさんの影響を受けてきたのだなぁということ。もちろん自分の作る音楽にはこれまで聴いてきたたくさんの音楽が影響を与えているのだけれど、それだけではなく、生き方、言葉の選び方、自分の表現の仕方、ファッションなどその影響は計り知れない。

いつか僕の音楽が、言葉が、誰かの大切な一部になることを祈っています。

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