【詩】隣人

私がいつか死んでしまっても、

私の言葉達が生き続けてくれたなら、

きっと私が死ぬことは無いのでしょう。

私は、死ぬのではなく、

ただとけてゆくだけなのです。

とけて、私の姿は視えなくなって、

ただ透明に為っていくだけのことなのです。

そして私はあなた方の娘として、

或いはあなた方の母親として、

単なる役割でも、そこに私の“名前”が、

名札でなく、きちんと刻まれていてくれることを、

私は、狭い箱の中から祈るのです。

ただ、そうなってくれることを、瞼の裏に、

どこまでも続く青空を映しながら、私はとけるのです。


ごきげんよう、皆さま。

私は、今日も、貴方の中で生きています。


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