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誰もがカッとなると別人になってしまうのはなぜか ~あるいは賢者モードの仕組みについて~【本から学ぶ】

こんばんは、福田達也です。

皆さんはカッとなってつい心にも無いことを言ってしまうような経験は無いでしょうか。あるいは、非常に興奮している時に、冷静な時であればしないような選択をしてしまった事は。

男性の方であれば賢者モードになった瞬間、なんであんなに興奮していたのか分からん…という経験をしたことが無い人はいないでしょう(断言)。

今日は賢者モードの仕組み、あらため、興奮状態と冷静な状態では意思決定が大きく変わるという話を紹介します。今日も行動経済学のお話です。

今回のお話は、こちらの本『行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』の第六章『性的興奮の影響 なぜ情熱はわたしたちが思っている以上に熱いのか』からの紹介です。

内容のまとめ

私たちは誰もが、性的興奮など「情熱的な」状態になると、平常状態の時とは大きく異なる意思決定をしてしまう。更には、この意思決定の変化による影響を大きく過小評価してしまい、正しく判断することができない。

私たちが興奮状態でも過たないためには万一の意思決定に備えて準備をしておくこと、興奮状態における感情の状態をなんとか経験し理解することで隔たりを埋めること、そしてたとえそこまでやったとしても不十分かもしれないことを認めることが重要だ。

興奮状態の意思決定は予測できない

極度に興奮している状態において、わたしたちは平常時ではありえないような大胆な決断や意思決定をしてしまうそうです。

極度に興奮…とオブラートに包みましたが、一番わかりやすい例は性的に興奮している状態などですね。冷静な状態であればやってはいけないと分かっているにも関わらず、興奮している状態においては、その欲求を満たすことを正当化するような思考が働きます。要は溜まってる時には何でもオカズになるということです。また、カッとなっている時にも同じように意思決定が大きく変わります。

更に興味深いのは、私たちは日々こういう欲求と戦い、選択をし、その結果を見続けているにもかかわらず、興奮状態の自分の意思決定を予測できないという事です。まるで、映画のジキルとハイドの二人のように、正反対の意思決定をしてしまう事があるとのこと。ゲームでついカッとなってコントローラーを投げそうになる時など、自分でも思い当たるフシはありすぎるほどあります。

興奮状態では無いですが、寝る前には『スッキリ起きるぞ(キリッ』と言いながら、朝には『後五分…(ムニャムニャ』となるのも、似たような理屈を感じます。

皆さんは思い当たるフシはありますでしょうか?

予測できないことを認識する

どんなに事前に決めていたとしても、興奮状態にある時には冷静でいる時と同じ意思決定はできません。それでもなお、冷静でいるときのような選択をするためにはどうすれば良いでしょうか。

1つ目は、興奮状態の意思決定の変化の経験を積み、記録し、理解することです。意思決定のコントロールは難しくとも、自分がどのような時にどういう選択をする傾向があるのか、ということは自分の起こした行動から逆算することができます。

2つ目は、興奮状態にある自分の行動が変わることを認め、それに対する準備をしておくことです。熱くなってコントローラーを投げてしまうのであれば、近くにクッションを用意しておく(投げないという選択肢は諦めましょう)。誘惑に負けてしまいそうなのであれば、そもそも近づかない。などと、興奮状態を避けるか、興奮状態になった時の対策をします。

3つ目は、ここまでやったとしても、完全にはコントロール出来ないことを認識することです。私たちは感情に大きく揺り動かされる生き物であるということ。そして、感情が変われば意思決定や優先順位が変わるということを心に刻んでおくことです。

終わりに

今回は性的興奮を含む、興奮状態において、自分の意思決定が普段と大きく異なってしまうこと、そしてそれが避けられないということを紹介しました。

感情を管理下に置くことはとても難しいからこそ、自分の行動を理解し、対策する。1次感情は変えられなくとも、そこからの行動は変えることで、自分の行動を管理下におく訓練をしていこうと思います。

本日も読んでいただき、ありがとうございました。
また次の記事でお会いできるのを楽しみにしています。

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