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便利とは何か。多機能か一点突破、便利なものは両極端である

みなさんこんばんは、福田達也です。

先日ネットで面白い記事を見つけました。やったかどうか忘れてしまう問題を防止するために、ボタンを押すと押した日時が表示されるというだけの簡単なガジェットを作ったという話です。お花の水やりのように、何度かに一度発生するタスクを管理するのに便利だとのこと。

これ以上無いぐらいシンプルな機能なんですが、世の中の便利なものって、意外とこういう無駄のないシンプルなものか、何でもできる多機能なものかのどちらかが多いような気がします。

今回は、便利とは何かから考えて、なぜ多機能と単機能に便利なものが多いのか、その使い分けは何かを考えてみたいと思います。

便利とは

そもそも「便利なもの」の「便利」とはどういった状態を指しているのでしょうか。広辞苑では以下のように記載されています。

べん‐り【便利】
①都合のよいこと。うまく役立つこと。「これは―な道具だ」
②転じて、あることをする都合。たより。「―の悪い土地」
③大小便の通じ。徒然草「一日のうちに、飲食・―・睡眠・言語・行歩、止む事を得ずして多くの時を失ふ」

今回のようなガジェットやツールの場合は、①の意味になるでしょう。都合のよいこと、上手く役立つこと、つまり「ある目的を達成するために」、「無いよりはあった方が都合がよくなるもの」を「便利なもの」という風に考えると良さそうです。

先程のガジェットの場合ですと、「いつ水やりをしたかを記憶しておかないといけない」という状態を、「前回の水やり日時が記録されているので記憶しないでよい」という状態に変えます。これにより、「定期的に水をやる」というタスクに対して、「水をやったかを忘れることによる、過剰/不足を起こりにくくする」という意味で都合が良くなります。

また、他に「便利」なものがある場合は、どちらの方がより都合がよくなるか、で比べることでどちらがより「便利」かを決めることが出来ます。例えば、上記のガジェットか、メモを取るか、などですね。

多機能で便利なもの

多機能で便利なものといえば、真っ先に思い浮かぶのがスマートフォンでしょう。電話にメールにカメラ、ウェブ検索にSNS、ゲームに読書にタスク管理と、一台あるだけで非常に多くの事ができ、便利になります。

多機能であることのメリットは何でしょうか。私の考えでは、「一元管理ができる」事です。電話もカメラもゲームも、それ単体でよりシンプルで扱いやすいものは存在します。しかし、日々多くの物事を抱えている現代人にとって、それぞれに個別の機能を持つガジェットは、物理的/手間的な面で不便です。

物理的な面では、持ち運ぶ量が多くなることです。どこかに出かけようとする時に、携帯電話とカメラとパソコンとゲーム機と書籍と手帳と…と何でもかんでも持っていくのは重たくなるしかさばります。

手間的な面は、利用を切り替える時のスイッチングコストです。例えば、写真を取って、それを編集して、SNSにアップロードしたいという場合。それぞれが別の端末であれば、持ち替えやデータ移送の手間が発生します。これがスマートフォンの中に収まっていれば、アプリを切り替えるだけで事が済みます。

このように、単機能であることの便利さは、その一元性にあると言えそうです。

単機能で便利なもの

逆に単機能の良さは何でしょうか。これは表現が難しいですが、「目的外のノイズ(手間)が少ないこと」により、「特定の目的達成に特化した解決策が出せること」がメリットであるように感じます。

例えばボタンを押した冒頭の時間を記録するガジェットですが、スマートフォンを用いても全く同等のことは可能です。押した時間をメモしていってもいいですし、ガジェットと同じ機能を持つアプリを作っても達成できます。

ですが、時間を記録するだけのガジェットと、スマートフォンとでは、「定期的に水をやる」という目的達成においては、前者の方が便利であると直感的にも感じるでしょう。恐らくスマートフォンでは、「面倒」で続かなくなりがちです。

なぜなら、ガジェットはボタンを押すだけで前回水をやった時間を記録できるのに対し、スマートフォンは端末を立ち上げてロックを解除してアプリを起動してメモをして保存をするという多くの手間が必要になるからです。

単機能で便利なものといえば、百均のアイデア商品の多くも同じでしょう。汎用性を捨てる代わりに、ある目的達成に特化した形や機能を有しているものばかりです。

このことから、単機能の強みは、特定の目的達成のために無駄がないこと、であると言えそうです。

多機能と単機能をどう使い分ける?

ここで疑問になるのは、この2つをどう使い分けるか、ということです。多機能は一元管理ができる一方で手間が大きくなり、単機能は無駄がな一方で一つの目的達成しか出来ません。

シンプルな考え方は、できるだけ多機能のものを使い、それでも達成できない、もしくは達成困難な目的のために単機能のものを用意するというアプローチでしょう。

これは、スマートフォンで管理しきれないからガジェットを作る、メモ帳では扱いづらいからタスク管理ソフトを使う、というような具合です。

あるいは逆に、単機能のものがたくさんある状態において、ある程度の手間や質の低下が許容できるものをまとめ、それらを達成可能な多機能なものを使うことです。

これは、栓抜きと缶切りとハサミとワインオープナーとペーパーカッターを捨てて十徳ナイフを持ち運ぶ、というような具合です。

終わりに

今回は「便利」という言葉を対象に対称的な2つの側面、多機能と単機能について考えてみました。

最終的なアプローチを考えると、普段無意識にやっていることだなと気づきます。ですが、意識していると、何か自分が問題にぶつかった時に考える指針にはなりそうです。

今回の記事がなにかの参考になれば幸いです。

本日も読んでいただき、ありがとうございます。
また次の記事でお会いできることを、楽しみにしています。

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