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メロンパン専門店のメロンパンの3ÐモデルをBoothで販売するためにした事

概要

3Dモデルを配布・販売する際、テクスチャ素材としてメロンパンの写真使用する許可を取るためにメロンパン専門店に連絡した時の話

なぜ許可を取ることにしたか

2018年のバーチャルマーケットにメロンパンの3Ðモデルを出展するため、Boothにて販売という形にしたかった。
フォトグラメトリソフト等は使用せず、上下から撮影した写真とパンの断面を撮影した画像をテクスチャとして使用した。
一般的な2Ð写真と同様に盛り付けなど、特徴的な見た目をした料理は著作権侵害となる場合があることを知る。
私はメロンパンが好きで多くの店舗のメロンパンを食べており、食べたことのあるメロンパンはどの店舗のメロンパンかある程度特定可能で、今回作成した3Ðモデルやテクスチャから店舗が特定可能な出来栄えになった。
つまり、店舗の特徴的な見た目があり、このメロンパンは購入した店舗の作品であり、その作品を写真に撮った画像は店舗の著作物と判断し、店舗に画像の使用許可を取ることにした。

結果①

メールで使用したい画像・360度から撮影した動画・3Ðモデルデータを添付して問い合わせしたが、もちろん店舗スタッフさんも訳が分からないといった様子で、すぐに返事が返ってくることは無く、数日後電話にて詳しく話すことになった。

使用許可を取ったテクスチャ

電話で追加説明したこと

  • (まず、訳のわからない内容のメールを送ったことについての謝罪)

  • 料理を作品と見ると、料理の写真に著作権があるということ

  • 3Dモデルの展示会にその店舗のメロンパンの写真から3Ðモデルを作成したものを展示したいと考えているいうこと

  • 作成した3ÐモデルをBoothと言う販売サイトで販売したいということ

    →(当たり前だが)3Ðモデルについてはよくわからないとのこと

  • カメラで撮影したメロンパンの写真を加工し、画像データをブログなどでDL販売するのに近いことをしたいということ

  • 店舗の名前を出すことで宣伝になる可能性があること

  • 世界中にメロンパンというものが発信されること

  • 3Ðモデルが売れることにより実店舗に不利益が出る可能性は殆どないこと

  • 画像が出回ることにより、実店舗に不利益が出る可能性はSNSでの大炎上等、余程のことが無ければないこと

  • インターネット上にアップロードされたデータを完全に削除することは難しいこと

  • 海外ではフェアユースの考え方があり、規約等で使用用途を厳格に縛ることが難しいこと

  • 悪意ある人に使用される可能性が0ではないこと
    (例としてゲームなどでメロンパンに毒を盛られて人が死ぬなどの表現に使用される可能性が0ではないこと)

結果②

→店舗名は出さない
と言う条件で3Dモデル販売での加工済み画像の使用許可をいただきました。

全く3Ðについての知識の無い方に使用許可の交渉するということで、私が必要以上にメリットよりデメリットの説明をしたため、色々と検討した結果、このような結論に至ったものかと思います。
訳の分からない問い合わせに対し、真剣にご検討いただき本当に助かりました。

私の結論

料理人、3Ðモデラー共にクリエイターと判断し、
私自身は3Ðモデルの販売に関してはかなり厳しめの判定にて線引きすることにしました。

・料理を提供する立場の人は自社製品を見分けることが可能な場合がある
・料理は特徴的な作品と判断できる(かもしれない)
→店舗にて提供している料理をそのままフォトグラメトリアプリなどでスキャンした3Ðモデルは無許可で販売などはしない
→総菜などの料理をそのまま盛り付けのみフォトグラメトリアプリなどでスキャンした3Ðモデルは無許可で販売などはしない

利用規約で使用用途を縛る
・自身の料理が悪意ある使われ方をしたら嫌
・法的拘束力はないが私も同意

私の個人的許可を取る基準例

以下の基準には法的拘束は一切ありません。あくまでも私の基準です。

3Ðモデルを販売するのに許可を取らないモノ
(販売時点と見た目が変化しているモノや素材)
自宅で小麦粉を捏ねて焼いたパン
・総菜コーナーのカツを使用して自宅で調理したカツ丼
・肉、魚、野菜など食材

3Ðモデルを販売するのに許可を取るモノ
(販売時点と見た目が変化していないモノ)
店舗で購入したパン
・総菜コーナーのカツ単品

現時点では結論が出ず、要検討と考えているモノ
(販売時点と見た目が僅かに異なるだけのモノ)
・店舗で購入した焼くだけのピザ
・総菜コーナーのカツを使用して自宅で調理したカツカレー

最後に

お互いに気持ちよく利用できることを最優先とし、
3Ðモデルの販売について私は厳しめに自己基準を設けることにしました。
無料での配布や、ビルド済みデータの共有、3Ðモデルを撮影した動画像データの共有などについては、また別の自己基準にて取り扱うようにしています。

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