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たてよこのあれこれ #09

たてよこ書店は今のところ東京と上越市で2拠点生活をしながら運営している。上越市にいる間は実務的なことというか、お店を整えることに結構な時間を使うのだが、東京にいる間はそれができない。ゆえに事業のコンセプトや思想を整理したりよく考えたりしている。本屋だけで終わるつもりはないし、今活用している空き家で終わるつもりもない。

コンセプトを考える上で、「文化をつくる」ということがよく頭によぎる。本屋を中心とした複合施設から何を発信していきたいのか。どういう状況をつくりたいのか。どんなまちにしていきたいのか。どんな生活をつくりたいのか。

「文化をつくる」というのは
”その対象に抱くイメージや雰囲気、もっと言うと言葉を共有すること”
なんだと思う。

たてよこ書店といったら、〇〇だよね。
雁木通りといったら、〇〇だよね。
高田地区といったら、〇〇だよね。
上越市といったら、〇〇だよね。
新潟県といったら、〇〇だよね。

つまり、この〇〇をより多くの人と共有のものにしていくこと。共通言語をつくっていくこと。
さらに言えば、〇〇に入るものが形あるものだとわかりやすいし、共有されやすいが、形のない思想的なことだとより難しくなるんだと思う。

「たてよこ書店といったら、本だよね。」
書店なのだから当然だがこれはわかりやすい。

でも、「たてよこ書店といったら、手作り感のあるあたたかい雰囲気だよね。」とか「たてよこ書店といったら、日常生活をちょっぴり豊かにしてくれる感じだよね。」といったようなコンセプト、思想的なことをたくさんの人と共有していくのは難しい。
まず現地に行ったり、商品を購入するなどして、何かしらその世界観に触れる必要があるし、世界観に触れて何を感じるかは人それぞれだからだ。

話を小さなお店からまちに広げてみても同じことが言える。
「上越市といったら、桜だよね」というのを共有するのは簡単だが、
「上越市といったら、情緒あふれるまちだよね」(仮の話)というのを共有するのは難しい。

だからこそ、この〇〇が共有できているお店や会社、まちは強いんだろうなと思う。たとえば、「京都といったら、、、」と問われてイメージするモノや雰囲気、イメージは多くの人で共有されていると思う。「ユニクロといったら、、、」「北欧暮らしの道具店といったら、、、」と問われたときも然り。

「たてよこ書店といったら、、、」
「たてよこ書店のある複合施設といったら、、、」
「雁木通りといったら、、、」

さぁどんな文化をつくりたいのか。どんな〇〇を共有したいのか。
よく考えよう。

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