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雇い止めを告げられたら。その3 〜遠慮せず宣言しよう〜

雇い止め、契約が打ち切られることが発覚したみなさん。ショックの最中とは思いますが「助けて!」と誰かに言いましたか?それがいかに重要な話かを、今日は採用の視点でご紹介します。「助けて!」と言いましょう。人の縁は、雇用には最強のツールなのです。

有期雇用、契約社員、派遣社員の方が雇い止めを告げられた時、人は動揺し、過去に足と思考を絡め取られ、自信を喪失します。
本来の自分なら、難なくこなせたようなことも億劫になってしまったり、ちゃんとやっていれば受けられた権利まで放棄してしまうことも珍しくありません。挙句、焦って次の職を「決める」ことだけが目的となってしまい、自分を置き去りにしたような転職をしたり。そんなことが日本全国のあちこちで発生します。

ここまで、焦って行動の前にすることを、制度的なお話からしてきました。「支出を抑えるために健康保険を検討する」→「雇用保険の受給申請を行う」をお伝えしてきました。

今回は「いよいよ転職、再雇用活動」の内容に入る前に、割と多くの人がしない活動の準備活動をご紹介します。

「仕事を失う、助けて」と誰かに言いましたか?

仕事を失うことは、自己否定や尊厳を失う感覚を伴うことが多々あります。そういう時、恥の概念がある方、慎み深い人ほど、ヘルプの声を出せない傾向があります。

痛いときに我慢してしまう人。
辛くても、「みんな辛いことはあるから」と遠慮してしまう人。
人の愚痴を聞く負荷を知っている人。
迷惑をかけてはいけないと思っている人。

そんな、「良い人」たちほど、ご自身が困ったときにヘルプの信号を発せません。自分勝手になったり、自分の負の感情を人に背負わせたり、助けてもらうこと、人に頼むことが苦手な人が多いからです。

ですが、職を失った時は、あえて勇気を出して言いましょう。

「仕事を探しています。何かお話があったら紹介してください」と。

できれば、信頼できる人はみんなに言いましょう。今までの職場の人、昔の同僚、友人、家族、取引先、親戚。誰でもいいです。あなたが、お世話になったら恩返ししたいと思える人、自分のことを理解してくれる人、人間関係を築ける人なら誰でも、むしろ全員に宣言しましょう。典型的な転職活動は、その後からでも遅くないです。これを、最初にやるべきです。限定的に信頼できる人に公開しているなら、facebook、twitterでもいいかもしれません。

「助けて」と言われないと人も助け辛い。

これは、意外と周囲の気持ちでもあるのですが、雇い止めをされた方が、困っているかどうかは、他人にはわからないのです。「雇い止めで気の毒だけど、あの人なら次もう決まってたりするのかな」とか、「すぐ決まりそうだから、余計なことしない方がいいのかな」なんて発想が頭によぎったら、積極的には助けられません。電車で席を譲ろうとしたものの「年寄り扱いされたらかえって気を悪くする年齢の方かな」とか思い出したら何となく動けなくなってしまうことがある感じに似ています。静かに、迷惑をかけないようにしているだけでは、本来助けてくれる人まで遠ざける結果になります。

カッコ悪くて、迷惑をかけてもいい。恩を受けたら返せばいい。だから

「助けてほしい」

と言いましょう。

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求人より、紹介が良い理由

なぜ、求人を探すより知り合いを頼るのが先か。それは、「人を雇うリスク」が下がるからです。綺麗な経歴や、学歴などが評価されるのはある意味の「保証」です。優秀な学校を卒業している方は「学力」が保証されるわけですね。しかし、その会社に馴染むか、社会人として活躍するか、は確約されません。「高学歴でも使えない」なんて人が発生するのは、ある意味当然です。

一方、人の紹介は「人物、仕事ぶり」などに保証がつきます。採用する側からすれば、お互いのことを知っている人が紹介してくれるのは、まったく会ったこともない人をわずか数回の面接で判断するより、はるかに「リスクが低い」のです。その紹介者の信頼度が高ければ高いほど、リスクは下がります。だから、紹介は本当に雇用する側、される側にとってとても安心感が強いのです。だから、あなたが信頼できる人にお願いするのです。あなたが信頼できる人は、他の人からも信頼されている可能性が高いです。そういうところに、情報は集まってきます。

縁故、などを悪く言う風潮があります。確かに、高倍率の公的な採用試験などで「縁故」がものを言うのはどうかと思います。しかし、普通の採用において「縁故」を否定するのはビジネスの経験が増せば増すほど、人を雇う難しさを知れば知るほど、遠ざかります。

これまで真摯に仕事をしてきた人。遠慮せず、「仕事、あったら紹介してください。助けてください」と言いましょう。数は多い方がいいです。

借りは、ある方が人は成長します。
縁と恩を前借りして、大きくしてお返ししましょう。
遠慮は禁物です。


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