DEATH / 「死」とは何か (日本縮約版)
シェリー・ケーガン(著)
柴田裕之(訳)
僕は「死が悪いことである」という概念について納得することはもちろん、信じることすらできませんでした。
死は必然であり、定められたものであり、抗うことはできないものだと思っていました。
この本は僕と同じような立場で書かれています。
宇宙空間を見てみれば、そしてこの物性を支配する(現時点で明かされている)理論を前にすれば、”死”は誰にでも平等にやってくる必然です。
一方で、”生”はありえないほどの偶然の積み重ねによる奇跡です。
僕はそこにこそ目を向けるべきだと思っています。
奇跡の1秒を生きているこの瞬間こそが大切だということです。
未来の死を恐怖しながら今を生きることには意味がありません。
奇跡の1秒を大切にして生きることこそが、死と向き合うことです。
また、”奇跡の1秒”は人によって異なります。
だからこそ、他人の死について気を病む必要はないのです。
自分の生を尊重することが、他人の死を尊ぶことになるのです。
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