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第11回インタビュー「システムエンジニア(北海道)」2020/5/31


<まえがき>全国に先駆けて、2月末から独自の緊急事態宣言を発令し、長らく自粛生活にあった北海道。その前後でどんなことが起こっていたのか。札幌在住のシステムエンジニアにお話を聞きました。また、今後はコロナを契機として「IT化が進む」とのことですが、具体的にどのような変化が起こるのか予想してもらっています。

―どんなお仕事をされていますか。
北海道札幌市で、システムエンジニアとして働いています。
主に取り組んでいるのは、ビッグデータを用いたセキュリティシステムの構築や社内システムの構築です。たとえば、収集した膨大な量のデータをどのように活用するか。そのためのシステム開発に取り組んでいます。直近でいうと、緊急事態宣言下で「人との接触を8割減らす」という目標が示されましたが、それがどの程度営業業務へ影響を及ぼすかを調べるため、社内システムに蓄積された情報を集めて、Web上にグラフ化して可視化できるようにするというプロジェクトに取り組みました。

―北海道は日本全国に先駆け、緊急事態宣言が出た場所です。当時のことを教えてください。
ターニングポイントは、2月上旬の雪まつりだったように思います。
私が初めてコロナに危機感を覚えたのは、雪まつりの頃です。雪まつりは中国の春節と時期が重なることもあり、毎年、何十万人もの多くの中国人観光客が北海道に訪れます。当時は中国武漢でコロナが流行していたこともあり「北海道でもコロナ流行してしまうのではないか…」と早くから心配していました。その後、懸念した通り、徐々に感染が拡大。緊急事態宣言が出されたのに合わせて、職場でも時差出勤がスタート。4月からは本格的にリモートワークへと移行しました。私の職場は札幌駅の近くにあるのですが、まだ出社をしていた頃、職場から数百メートルしか離れていない病院で院内感染が起こったこともありました。おそらく感染した方と同じ駅を利用していたはずなので、“自分もいつコロナになっていてもおかしくなかった”と思います。プライベートでは妻と保育園に通う幼い娘、それから父母と二世帯住宅で同居していますが、今でも感染防止のため父母ともなるべく接触しないように心がけながら生活しています。

―コロナ以前と比べて、どんな変化がありましたか。
完全リモートワーク。もう少し落ち着いたら、出社して、歓迎会かな。
4月一杯で以前のプロジェクトが一段落し、5月のGW明けからは新しいプロジェクトに配属されました。ただし、現場には一度も出社はしていません。自宅からの完全リモートワークです。ITの世界は「成果物を作る」というしっかりとした評価基準があるので、他の職種と違い、管理するのもされるのも楽なものです。週2回、進捗管理や打ち合わせをSKYPEで行うだけ。ストレスを感じることもほとんどありません。5月末で緊急事態宣言が解除されましたが、今もリモートワークを続けています。本当に大事な用があれば直接会って、となりますが、今のところは特に見当たりません。強いて言えば、新しい職場で自分の歓迎会もやってもらってないことぐらいでしょうか(笑)。さすがに、歓迎会をオンラインでやるのは厳しいので、「今後、もう少しコロナが落ち着いたら」という楽しみに取っておこうかなと思います。

―これから業界(世界)は、どう変わっていくと思いますか。
IT業界では、至るところでプチバブルの状況が起こると思います。
たとえば、現在、私が加わっているセキュリティ関連のプロジェクトもその一つです。今、様々な業界でリモートワークが進められていますが、それに伴い、既存のセキュリティの脆弱性が問題視されるようになりました。たとえば、ニュースで取り上げられたところでいうと、ある企業のオンライン打ち合わせの画面に、突然、卑猥な言葉や画像が表示されました。これは、本来招待されていない人物が打ち合わせに参加したことによるトラブルです。今後、こういった事態を避けるためには、セキュリティ意識の強化が欠かせません。コンプライアンスを気にする大手を中心に投資が進むと思います。こういった変化は、セキュリティに限らず、感染防止のためのキャッシュレス化、リモートワークに合わせたインフラの強化など、色々な面でIT特需を生み出し始めています。

技術の進歩は、エンタメの楽しみ方も変えるかもしれません。
スポーツ、演劇、コンサートなどのエンタメ領域は「直接見に行く」ことを前提としているため、コロナの影響をもろに受けています。しかし、今後の5G・8Kなど最新技術によって、それとは違う「オンラインで見る」楽しみも生まれてくるような気がします。たとえば、野球などのスポーツ観戦を例にあげると、これまでオンライン映像はボールを持っているプレイヤーにスポットが集まっていました。しかし、私はどちらかと言えば、「内野手はどのタイミングでどういう動きをしているか」など見えない部分が気になります。“人によって見たいと思う部分は異なる”わけで、それがリアルな観戦の楽しみにもつながっていたと思います。しかし、今後5G・8Kの高精細の映像なら、オンライン上でも画面の好きな場所をクリックして、そこにズームを合わせて見ることもできます。3DやVRなどの技術も取り入れれば、もしかしたらリアルを超える可能性もあると思います。もちろん、その場の雰囲気や空間など直接見に行くことでしか味わえない良さがあることは否定しません。ただ、それに固執してエンタメが廃れていくのであれば、それとは違う方法を模索してほしいというのがファンとしての願いですね。

マスクの向こう側では取材対象者を募集しています。
「コロナの影響でダメージを受けた」
「コロナをきっかけに、こんな変化が起こっている」
「業界としてこういう課題を抱えている」
職種にとらわれず、家事・育児等でも何でも構いません。
それぞれの現場の状況をお知らせください。
可能な限り取材いたします(オンライン・1時間程度)。
※対象者の氏名等、個人情報は基本匿名にします。
【連絡先】
masukunomukougawa-2020@yahoo.co.jp
コロナ前後で大きく世界は変わると思います。1年後、5年後、10年後、あの時、何があったのか」をしっかり振り返ることができるように書き残していきたいと考えています。フォローしてもらえるとすごく嬉しいです。twitterもやっています。

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