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The Artist' Way  Day0

夢を見た。私はよく夢を見ると思う。物語のような夢や取るに足らない本当にくだらない夢。現実と地続きのような夢。起きた後に詳細に内容を覚えていることもある。

夢の事を書いたメモが至る所にあってなかなか面白い内容だと思うのだが夢なので作家さんのように辻褄を合わせてくれるわけでもなくそのままでは何にもならない。小説にするには文章を書く経験値があまりになくてたどり着けないので漫画にしてみたが辻褄を合わせようと別物になっていく。(それはそれで良いと思うんだけど)なのでこれまでそれをどこにも出すことはなく「アーティスト」と一般的に呼ばれる人たちにだけこっそりとその話を聞いてもらったりしていた。

「それは形にしたほうがいい、才能だよ」と言ってくれる人もいた。夢を見る才能?って思わなくもなかったけど、こんなに膨大な意味のないものを観るだろうか?とは思っていた。「君は映画を作って僕が主題歌を歌う、作中の音楽は彼にお願いしよう。3人で仕事しよう」などと盛り上がったことがあった。

その日はかの有名な新海誠監督の「言の葉の庭」という映画の舞台挨拶付きの上映を見た日だった。すでに私自身は心に触れるものがあって3回程一人で見に行っていた映画だったけど、その時の彼も何か感じてくれそうで見て欲しくて誘ってみたのだ。整理券を貰うために下北沢トリウッドを訪れる。数人並んでいた気がするけどなんとか整理券を手に入れることが出来た。


新海誠監督といえばその次の作品「君の名は。」で時の人になってしまうので、あの時だからこその奇跡だったと思う。私は監督の作品の中でもやはり「言の葉の庭」が今でも1番好きだ。新宿御苑には何度か行ったことがあるけれど映画で描写された雨の風景の美しさに心打たれてその後はもれなく聖地巡礼!と言う気持ちで心を開いて何度も足を運ぶようになった。

この作品の主人公は周りの人より大人びていて夢があるけれどそれだけではいられない家庭環境のことや、学生時代のあれやこれや、大人の女性に恋心を抱いて相手の態度を受けて傷つき「やっぱり違いました!やっぱり嫌いです!」とかつい言ってしまう心理など、どうして大人になってあんな風に書けるんだ?とそれはもう苦しい気持ちになった。第三の主人公と監督も言っていた雨のしっとりした感じ、梅雨の湿気で少しぼんやりとした夢のようなその雰囲気も、その時の自分の心情などとも相まってとにかく心に引っかかる要素が満載の映画だった。あんな美しいものを作りたい。

立場と当時の年齢的にも雪野さんの方に共感出来る部分が多いが、主人公の孝雄の方にも両方感情移入出来る部分はある。学生時代の夢は夢だけど大人になると夢と生活、好きなことを仕事にするかしないかとか、そういう問題が生まれるようになるから。今回の「The Artist' Way」の話にも少し繋がりそうな感じはある。


上映会でまたまた大号泣し、その後に監督に見ている全員が質問できるというなんとも素敵な事が起こった。私と一緒に行った彼は少し遅れて来たので私が最後から二番目、彼は最後だ。なんなんだこのクライマックス感。全員が色々な質問をしていく中、私の番がやってきて特に何かを明確に考えていたわけでも決めていたわけでもない、ただ、伝えなくちゃいけない気がして

「何度もこの作品を観るために映画館に行きました。私も、こんな風に人の心を動かせる作品を作りたいです」
と・・・

質問は?(笑)質問ではなくただの目標を宣言するヤツ。「頑張って下さい」と監督も苦笑いしてくれていた。や、優しい。最後の彼は自分がミュージシャンであることと素晴らしい質問をしていて最後にふさわしい感じだったと思うのだがごめん、全然覚えていない。妙な高揚感に包まれていた。

会場を出た後、どうやら監督が出てくるっぽい空気を感じてそわそわしている私に連れの彼は声をかける。
「言いたいことあるなら言ってきたら?こんなチャンスないよ」
言われてまた何も考えずに階段を駆け上がって監督の前に立つ。
「監督・・・あの・・・」
「あ、さっきの!作品作りたいって子!頑張ってね」
「はい!私も監督みたいに素晴らしいものを作ります!」(うろ覚え)
覚えていてくれた(そりゃそうや)という嬉しい思いで頭真っ白な私にエールを送ってくれた。どうしてこんな大事なことを忘れていたのだろう。


大分話がそれてしまったけど、今思い出す限りで生き辛さと自分の中身を表現したい、湧き上がるものを形にしたいと本当にもがいていて、且つそれが現実になるかもしれないと強く信じていた頃の一番新しい記憶だ。

今夜(書いているのは6/3の0時を少し回ったところ)はタイトルに書いてある「The Artist' Way」日本では「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」として発売されているジュリア・キャメロンさんの本のワークをやりはじめる前日、つまりDay0。「このワークは私がこうやって忘れたりおいてきてしまった夢や、まだ見ぬ可能性に出会えるかもしれない」と本の冒頭を読んだだけで希望とワクワクでいっぱいだった。


私が大好きな岡崎直子さんという占星学などを専門にしている方がいる。知識が豊富な上に常に勉強されている方で学者のようでもあり肩書をなんと言ったら良いのか悩んでしまうのだけど、考え方は論理的でもありながら知識や歴史に対する愛の深さ、文章や語られる言葉の表現が豊富でさらに美しい。たまに感情が出てきてぐっときているのが伝わってくるとそれがなんだかかわいらしいなぁと思えて(こんなことを思うのは失礼かもしれないけど)そんな人間味を感じられるのでそれが好きすぎてトークライブには課金している。そんな岡崎さんのこちらの動画を見るとその本のことや、魅力が伝わると思う。

職業的なアーティストを目指したい人でなくても、外から受けたものを自分の中に入れて自分の中から湧き上がるものを外に表現するという クリエイティビティを本来人は持ち合わせている。それを多くの人は制限してしまっているから、最高の自分の可能性に目を伏せて縮こまった人生になってしまう。日々こんな人生じゃないはずだったとか、もっと自分は何かしたかったことがあるはず…と思うことがある人は動画を見てみてもらって、本も手にとってもらえたらと思う。まぁ、私もこれからやるんだけどね(笑)


ワークをやる前から人に紹介したくなるくらいにテンション上がっちゃってこれからの自分の変化に対する期待が高まっている中、一番最初に書いた夢を見たのだ。晩御飯を食べて少し横になった後だった。
自分のお客さんだった人が、他の人(同業者)に依頼をして「こらからはこちらを新しい相棒にして生きていきます」と述べて、作品をべた褒めし、遠回しに私のことを批判しているような(されたように感じる)投稿をしているというものだった。更に自分の知り合いや友人もそこに「やっぱりこの方の作品はいいですよね」と私と比べたりしていないのに私の心は「私よりもいいと思ったんだ」と反応した。

そしてそれを夢であってくれ!あ、やっぱ本当だったショック。やっぱ夢かも?あ、やっぱ本当だ。そろそろ目覚めないかな?あ、やっぱ現実だ。と3回繰り返した。他の人の作品を手にすることはあることだし私にも不得意分野もある。なのでその事自体は私の思い込みで反応しただけなのでいいとして、その後。岡崎さんも動画で話しているがアーティストになれないのは心の検閲官が自分の力を発揮できないように厳しい声をかけるのだ。


「ほら見ろ、偉そうなこと言ってお前はやっぱりだめなんだ」


そんな言葉を言われた。私は悲しくて一緒に住んでいる彼の背中を見て「今悲しい気持ちなの」ということを言おうとしたけど声が出ない。彼は今集中しているから私のこんな感情的な何の説明にもなっていないことを話してはだめだ。そう思っても悲しいことはここで何度も繰り返し起こっていてどうにも出来なくて私は子供みたいにわんわん泣いた。

彼が現実でボイトレを始めた声によって目覚める。良かった夢だったという安心感と夢の中での泣き疲れみたいなもので廊下をフラフラさまよった。部屋に戻る途中に彼がやってきたのでペラペラとあったことを話しながら抱きついて泣いてしまった。


その後思いついたように突然に彼の作った曲の名前が口から出てきて、歌ってもらったら歌詞を私用に変えてくれたの?と思うほどにかつてないほど自分にリンクしてしまい響いたので、ここで公開させてもらうように撮りなおしてもらった。ありがとう!

彼も私の夢の話を毎朝ぼやっと聞いてくれるアーティスト。岡崎さんの動画を紹介して「これは投資だから」とすぐに本を買ってくれて一緒にワークをはじめることになった。彼は私の思い込みを敏感に察知してくれるので、彼がいれば百人力だ。

(モーニングページは自分との秘密のノートなので見せたりはしないんだけどね)

絶望の淵に立って/サットン



夢の中まで私の検閲官は気を張っている。希望に溢れた私、創造性を発揮していきたい私の心を折りに夢にまでやってくる。そのことに愕然とした夢。


本で紹介されている「モーニングページ」というものは、そんな検閲官から逃れて自分の心の中をまるっと書いていくというもので、昨年2ヶ月弱くらいテーマはなかったけど取り組んでみたことはあった。私は星座的にも向き合うのが苦手(どこかに蠍座あるらしい)で心の奥の奥まではなかなかたどり着かせてくれない。今回は本に習って各テーマごとに向き合ううことになるのでどこに何をしまい込んでしまっているのかが分かるかもしれない。


私が夢や外から受けたものをどんな風に料理して外に出していくのかは未知数。アクセサリーを作ったり、歌を歌ったりしていたけど、その方法を自らの制限のある思考で限定してしまうのは非常にもったいないなと思っている。私は表現をすることが好きだ。本を読むのも好きで、それを自分なりに絵にしたり、お話したり、演じたり、まだ検閲官の声が届かない子供の頃からそうだった。新海誠監督にも話したようにそんな唯一無二の私の中からしか決して生まれることのない表現をしたい。この流れが正常化すればそれは唯一無二になるしかないのだ。それをクリエイションしていくのが私の幸せ。私が社会で生きていけるように、人前で恥ずかしくない親の自慢の娘でいられるようにと差し出してしまったものはなんなのか。それに会いに行く旅が夜が明けたら始まる。





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