うちのバイトが覚醒する話


私は飲食店の店長をしています。決して褒められる上司ではないし、人間としても本当に未熟です。そんな中でも仕事は進めないといけません。仕事をする上で従業員はとても大事です。しかし、今までいろんな従業員がいましたが、今回はとびきりでした。うちのバイトにはヨシという男の子がいます。年齢は25歳で、作業は真面目ですが、入社から笑顔で接客ができない、いわゆるコミュ障なだけでなく、ことごとくほぼ総ての仕事がとにかく出来ない子だったのです。みんなからはやっかまれ、さらに、いじめられてきた過去や次から次に仕事をクビになった経験から自信をなくてしまっている。今までで一番むずかしい子でした。
仕事はできないので、4ヶ月経っても覚えられず、怒られる毎日に私もヨシも関係は最悪の直前まできていました。なんにでもハイハイ答え聞き流す姿勢に、私は我慢の限界を迎えることもしばしばでした。彼もそれが普通だという反省した顔ではなかったと思います。なにも響いてなかったのです。

しかし、私と彼がある取り組みを実践するようになって、状況は激変しました。
その私たちの取り組みを以下に記します。

幸せのルーティン

終業後、ヨシに一日の仕事の中で自分が出来なかったこと、怒られたこと、失敗したことを3つを紙に書いてもらうことにしたのです。
ほんとは10くらいあるのだけど、3つだけ書くようにしてもらいました。
書いてもらった3つの出来事を一緒に振り返ります。
例えば、30秒前に出された指示を忘れて仕事をしてしまったとか、ジョッキをこぼしてしまったとか、声掛けをしないで無理やり通ろうとして人とぶつかったなどです。
このとき、どんな腹が立つ出来事があったとしても決して怒らないようにしました。
その後、また別の紙に今度は出来たこと、良かったこと、自分で満足したことなんでもいいので3つ書いてもらいました。
「今日はお客さんに喜んでもらった」「声掛けできた」などなど、出来てなくても良いのです。
良かったことを書き終えたら、出来なかった事とは逆に、とにかく褒めながら内容を振り返ります。

そして、ヨシに次のお願いをしました。
良かったことを、お風呂に入ってる時と寝る直前に思い出してほしいと伝えました。

また、次の出勤の際に、始業前に「前回できなかった事」をおさらいして、気をつけて一日の業務にあたるよう伝え。仕事をスタートをするようにしました。このルーティンを続けているうちに

すると、報連相はするし、周りへの声掛け、仕事をお願いしたり、お客様への声掛け、笑顔での接客など、書ききれないくらいに仕事ができるようになり、私も彼に対する不安が払拭されていきました。

また、私としてもヨシが何を考えているかわかるようになったので、非常に諸々の管理がしやすくなりました。これは予想外の収穫でした。

なぜこの記事を書いたか

お互いスムーズに仕事が運ぶことが嬉しくて嬉しくて、逆に今までもったいないことをしてしまったなと後悔の念に苛まれ、僕はヨシに謝罪をしました。そして、ヨシと話をしてる中で、同じ状況の人がいるなら、この方法はきっとうまくいくんじゃないか?という話になりました。なので、僕はこのnoteを書いています。このnoteを読んでいるあなたが職場で上司という立場にあり、仕事が出来ない部下がいたらぜひ試してほしいです。そして感想を聞かせてください。僕たちもまだ発展途上で失敗するかもしれない取り組みですが、みんなが笑顔で仕事ができる日が来ることを祈っています。

終わりかけていた僕とヨシの関係は回復したと思います。そして、今日もお互いとても楽しく仕事をすることが出来てます。怒りではない、彼への慈しみの心がわいてきました

タロリーノ・サンドロビッチ


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