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胸中の手記 5月8日 体の外に出たくなる
5月8日 水曜日 曇りと雨
寝ている間に体の外に出る方法があるということを小耳に挟んで、体の外に出てみようかと試してみたけれど、体から出ようとしたら体も一緒に体から出ようとしたから、結局わたしは体とぴったり一緒でした。
夢の中で自分の好きなように動けたこともない。夢の中でするより、現実でできると自分を信じるために、まず夢の中で確信を持って見ようかと思ったけれど、いつも夢の出来事に驚いて、反応して
胸中の手記 5月7日 時間が変わる
5月7日 火曜日 風と霧雨
お元気ですか。なぜかわたしの周りでは、体調を崩して仕事を続けられなくなった人が何人もいます。
一昨日、心に何かを決めてから、どんな風にそれを為せばいいのかと悩んで、一番良かった答えは、わたしの場合は、真っ直ぐにやることでした。
真っ直ぐが取り柄ということなのかなと思います。
気付けば日記の中で、一昨日と書いていることが何回もあって、字も、日記も書いていられないくらい
胸中の手記 5月5日 大いに励まして気を引き立てる(激励)
5月5日 日曜日 晴れ
また、自分じゃない自分になりたくなったの?
それはたぶん、やめておいた方がいいよ。
しばらくの間、わたしは「こうはなりたくない」という気持ちに集中して「こうありたい。これを知りたい」という気持ちを忘れてた。
人のせいにはしなくていい。なりたくないものに、ならないと決めたらいい。
夢を疑ったよね。足を引っ掻かれたとき、蟹に足を挟まれてる夢を見てたから、夢って全部現実の置
胸中の手記 5月4日 仕事前のお母さん
5月4日 土曜日 快晴
日中の気温が三十度に達したそうだけれど、屋根の下で全ての窓を開け放って仕事をしたから、風が次々に吹き抜けて行って、体も洗濯物もサラサラしていました。
薄い布は風に靡いて木の葉のように優雅だった。
日々の生活は問題ありません。
だけど、わたしの心の力は余っています。
言葉にするのが難しいことをたくさん感じて、やっと宿題が楽しくなってきた。
生きるのがやっとのところから、
胸中の手記 5月3日 怒るというのは何
5月3日 金曜日 晴れ
祝日であることを忘れて、郵便局へ支払に行った。行きました。
間違って出掛けたついでに、カルピスとアイスクリームを買っちゃった。
ついでに来月誕生日の人のプレゼントの予算を考えて、なら今年のわたしの一張羅を決めて、あまりいろいろ着なければ出費少なく、集中もできて、随分いいだろうと考える。
そんな一日も必要ですか。
一昨日までは怒っていたから、ガジュマルの幹の形は人間の想像
胸中の手記 5月2日 雲間
5月2日 木曜日 曇りのち晴れ
部屋の中のものを、使っていないものから片っ端に捨てています。
嫌な思い出になったものなどは、昔の自分だと思って捨てています。
物には罪はないけれど、わたしも物であるので、いつかは塵になる。
朝は曇り空だった。曇り空といつか誰かが呼んだのと同じように、太陽とわたしたちの間に雲が広がっていて、その向こうにあるはずの太陽の光がおぼろに見える。それを曇り空と呼んでいる。
胸中の手記 5月1日 雨の日植物たちが愛おしく
5月1日 水曜日 雨
雨が降っているのがわかる。
見ていないけれど、わたしは傘を持って、これから出掛けてゆくでしょう。
窓を通して聞こえる音が、わたしには、通る車が地面に溜まった水を跳ね上げながら進んでいる音に聞こえるから。
夕食は摂らないまま行きます。
「準備はいいかい?」という言葉と、ハンバーグの絵を電話で見て、もうすぐ外で食事だと思っているから。
人も植物たちも動物も、わたしといて、幸
胸中の手記 4月30日 一瞬前の過去とさよなら
夜風が吹いている。夜風の中を走ると空気が止まっていても風になるようです。
汗と水蒸気が混じって、体の面だけが冷たくなっているけれど、暑さがある。
橋の下を走ってすれ違ってゆく二本の電車の中が皎々と、中にいる人々を照らし出して、たくさんの生活の一瞬だけど、わたしははっきり見た。
遠くから見るとあんなに小さい。遠くから見るとあんなに明るい。あんなにたくさん一気に見える。楽しいけれど、橋を通り過ぎた。
【日記風小説】4月5日 胸中の手記 準じようとして疎かにならず自分から逃げず。
4月5日 金曜日 曇り
確かに曇っています。確かなことは。
確かなことは、鼻が詰まっている。確かなこと、掃除、楽器でコード進行を組み立てるとき、自分から逃げる自分を発見したこと。
美しさの規準、幸福の規準、楽しさの規準が世にありまして、自分が苦悩することがあるのは、それに順じて、ではなくて、準じていないからだと考えていたけれど、これではまだ浅はかです。
規準に準じ切れていないからと、
【日記風小説】4月4日 胸中の手記 恋心よりも日記の時間。
4月4日 木曜日 曇り
日記。それは重要です。わたくしのように、人を動かすよりも自分を動かすことが必要になっている人間にとっては、感じたことに忠実になる時間もまた重要です。
たとえば、そうする時間もないまま合羽を着て仕事に行くとね、この、仕事に行くのに合羽を着ている時の自分の考えがわからない。
雨の感覚も飛ばして、時間のために走って、理想を忘れた感じのまま、寝てしまっている、疲れて寝て
【日記風小説】4月2日 胸中の手記 くじらの肌の記憶
4月2日 火曜日 曇り
どんなに小さな音でも、その音が高まることに役立つ音ならば、それが雨と土のようにわたしを育てるなら、聞き取って、どう響いているのかを確かめよう。
明らかに空気中に水蒸気が増えているのを感じる。
湿度計を見るまでもなくそれはみんなの肌が直接知るところなのだ。
どうしてか、そうすると、鯨になったかのように陸を歩いてしまう。
恐れていては勿体ないほど日本の季節でご
【日記風小説】4月1日 胸中の手記 わたしは動力
4月1日 月曜日 小雨
なんだか、何かを面倒だと感じている夢を見たような気がする。
知らないご婦人たちの中で、ただ警戒心を表されつつ、その場にいるのだ。
悲しいことでもあったのか、彼女たちは他人に向かって怒ったような態度をするのは当然だという感じで空気をひりつかせているのだった。
今の季節には、新芽があちらこちらでとんでもなく美しい、太陽の光を透かしてしまう未完成の緑色の顔を出してい
【日記風小説】3月31日 胸中の手記 心を見透かす
3月31日 日曜日 晴れ
出世の決まった先達との会話中に、選択肢が現れる。
こちらから先達がどのような人間に見えているのかを、率直に伝えるのか、気を遣って黙っているのかの選択肢である。
そこでわたくしは率直であることを選択した。
研究や探究の程を確認できる小さな機会である。
出世を喜び恐れていた先達は、自分の心を見透かしてもらったと大変喜んで帰って行った。
しかしこれは期待していな
3月30日 胸中の手記 汚れた目で見たくない。
3月30日 土曜日 初夏のような陽気
溜め息もつかず、空も見ず、心の内で人を責め、自分を責め、気忙しくて、金曜日は春の地中の虫みたいな本当の自分で過ごしてしまった。
出来るフリが通ってしまうよりは、良かったのかも知れないね。
土曜日。何もかも、自分ひとりで解決できたらいいのにと花を仰いだ。
まだ満開になって欲しくない。
誰にも頼らないでいることを、守ってくれる人がいないのだろう、孤独