見出し画像

目を気にして暮らす。

自宅の敷地内に、二箇所に祠がある。

一つは母屋の玄関を出て正面左(南側)、もう一つは母屋の裏手(北側)にある。

「屋敷神(やしきがみ)」と言って、古い邸宅内や集落近くの林の中にあることが多いそうだ。

民俗学者・直江廣治によると、各戸屋敷神・本家屋敷神・一門屋敷神の三つに分類することができる。

【各戸屋敷神】
集落の全ての家が屋敷神を持ち、それぞれで祭祀を行なっている。
【本家屋敷神】
集落の家のうち、特定の旧家のみが屋敷神を持っており、祭祀している。
【一門屋敷神】
集落の家のうち、特定の旧家のみが屋敷神を持っており、旧家に一族が集まって祭祀している。

この3つの形態は集落構造の変遷に対応している。集落内の親族関係が密接で本家分家体制が強固なところでは、一族がそろって本家に集まり祭祀をする「一門屋敷神」であるが、親族同士の関係が弱まり、希薄になると、本家に一族がそろって祭祀を行なうことはなくなり、「本家屋敷神」の状態となる。親族の制度的繋がりが消え、分家が台頭して独立した生活単位となると、分家においても屋敷神の祭祀を行なうようになり、「各戸屋敷神」の状態となる。このように屋敷神の形態と集落内の各戸の関係は対応しているといえる。

                       ー Wikipedia 屋敷神

我が家にある祠は、【各戸屋敷神】ということになる。

(ちなみに【一門屋敷神】も我が家から30m以内の集落の中心にあって、ついひと昔前までは一門で祀っていたと聞いている。)

【各戸屋敷神】を、代々住んでいた方なみのお祀りはできないまでも、できる限りの敬意を払いたいと思う。

しかし、実家には神棚もないぐらい信仰とは無縁の人生を送ってきたので、正直不安にはなった。きちんと失礼のないように、維持できるのだろうか。。。

神棚がバッチリある旦那さんの実家に相談した所、毎月朔日と十五日を目安に榊をきらさないようにしていればOKとのことだった。それぐらいならと思っていたが、春になって掃除が結構大変ということに気付いた。油断していると、すぐ周りに蜘蛛の巣が付いたり草が出て荒れた印象になる。

屋敷神さんが敷地内に居ることで、きれいにしておかなくちゃと意識が向く。その目が気になる。(ちょっと怖くなる。)

日本にはあらゆる場所に神様が居るとされているが、その目を気にして暮らすというのも単に信仰というより生活の知恵の部分も大きいのではないかと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?