アトピーが治らないのが嫌すぎて家出した話

この話をすると家族にバレてしまいそうなのであんまりどこにも書いてこなかったし、あんまり思い出して嬉しい話でもないので最近まで忘れていたのですが、私は実家が嫌いです。

と言っても、家族(父母兄弟)が嫌いなわけではありません。アラサーになった今でも時々旅行に行くし、一緒には住んでいなくてもLINEや電話もよくするし、仲良し家族だなと思っています。

私が嫌いなのは、生まれ育ったおうちなのです。

一言でいうと、すごく散らかっているんです。それはもう、手の付けようがないほどに。怖くてずっと帰っていないけど、たぶん今も散らかったままなんじゃないのかなぁ。

私は幼いころからアトピー性皮膚炎がひどく、ずっとずっとコンプレックスでした。皮膚科にも何度もお世話になりました。

お医者さんはお薬の説明と一緒に、「お部屋はこまめにお掃除するんだよ」っていつも教えてくれました。

だけど、おうちが散らかりすぎて、こまめにお掃除どころの話じゃなかったんです。ちょっと壮絶すぎるので細かい話は省かせてください。詳細なことを思い出そうとしただけで痒くなってきました。

「せめて自分のお部屋だけは」と何度も断捨離を試みて、一時的にお部屋がきれいになっても、空いたスペースに自分以外の家族の物が置かれてしまい逆戻り。

いくらお薬を塗っても、こんな部屋じゃ一生綺麗なお肌になんてなれないな。

そう思いながら、毎日掻きすぎて血がにじんだお肌を見ては悲しい気持ちになっていました。

アトピーが酷かったのは、物心がついてから高校を卒業するあたりまで。体育の着替え、修学旅行、プールの水着などなど、事あるごとにお肌を見せる時期でした。

その度に、「明日はプールだから、ちょっとでもおしりのアトピーがましになりますように」とか「もう暑くなってきたけど、ひじの裏のアトピー酷いからジャージ着なきゃ」とか、ず~~っとお肌のことばっかり考えていました。

ちょっぴり大人な知識がついてからは、「あぁ、大人になったらセックスするのか。好きな人の前で服脱がなきゃいけないのか。やだな」「私の薬指、荒れてるから結婚指輪きっと似合わないじゃん」なんてことを考えてはどんよりしてました。

他の子、みんなお肌きれい。きっと、1日中体のどこかが痒いなんてことないんだろな。アトピーもうやだな。

そんな感じで過ごしてきた青春時代でした。プール超嫌いだったなぁ。

さて、アトピーのこともあり、何度片付けようとしても片付かない実家に嫌気がさしていた私は大学生になりました。

それまで外泊なんて全く許してもらえなかった厳しい我が家でも、さすがに大学生ともなると友達の家に泊まったり、泊りがけで旅行したりできるようになりました。

もう、実家以外のところで眠れるのが嬉しくて嬉しくて、めちゃくちゃ外泊していたような気がします。

その頃から、あんまり人前で服を脱ぐ機会もなくなり、少しずつですがアトピーのコンプレックスは薄れてゆきました。幸い、初めてお付き合いをした彼氏もアトピー持ちだったので、私のアトピー肌を気持ち悪がるどころか「痒いよね~夏やだよね」みたいな感じだったのもありがたかったです。

だけどやっぱり、当時の私が帰る家はあの散らかった実家。ほんとに嫌だったんです。

そしてある日。留学に行くことを決意しました。それも、2年間。

表向きは、海外の文化に触れてみたい~とか、英語で何かを学びたい~とかそんな感じのありふれた理由でした。

でも本心は、とにかく家を出たかった。出ていきたかったんです。

2年間の留学には、いろいろな審査(学力テストや面接など)に通ることが必要でした。とにもかくにも本気で(かつ、いい感じの理由で)お家を出たかった私はめちゃんこ頑張りました。

今思うと、留学中のどんな課題よりも留学審査を頑張ったんじゃないかと思うくらい。どんだけお家出たかったんや🥺

両親には、「家汚いから出たい!」なんて口が割けても言えなかったので「勉強したいことがあるから留学します」って伝えました。

審査に通ったこと、留学先での学費や寮費などは奨学金が出ることなどを説明し、なんとかOKをもらいました。よかった。

そうして晴れて2年間の留学を勝ち取った私は、留学先で初めて自分で好きにしていいお部屋に住むことができました。

それはもう快適だった~~~びっくりした!

まぁ、散らかったおうち出身だから時々散らかしたりはするのだけど、「あ、やばいな」と思って数時間お掃除すればめちゃくちゃスッキリ綺麗になるお部屋。一人だから、好きな時にお洗濯できるしシーツも洗い放題。幸せ~~~!

多分その頃はお肌の調子もかなりましになっていた気がしていました。

(が、実際は留学楽しすぎて気になっていなかっただけかもしれないということに最近気づきました。写真見たらまあお肌荒れててびっくりした)

気のせいでもよかったんです。お肌のことが気にならないくらい楽しくて快適な生活だったんですから。

そんなこんなで、楽しい留学生活はあっという間に終わりに近づきます。合法的家出の終了です。

あまりに快適だった留学生活から一転、実家に戻らなきゃいけない現実に耐えきれなかった私はまたもや合法的に家出をすべく、

東京にある会社を狙って就活をしました。

いやあほんと、、どんだけ嫌いやねん、、

それからまあいろいろあって、ほんとに今は東京で働いています。あれから実家には戻ってませんが、家族には何度も会ってます。

今、アトピーを治したくていろいろ頑張っている方にとっては「なーんだ!なんも解決できないじゃん!」と思ったかもしれません。ごめんなさい。

でも、少なくとも私は、環境を変えてお肌が気にならなくなりました。

今でも季節の変わり目にはお肌荒れやすかったり、水着きたい!とは思わなかったり、お尻は特にアトピーが酷かった名残で色素沈着しちゃってたりと、ちょこっとした悩みはありますが、今は楽しく毎日を過ごせています。

みんながみんな、環境を変えて上手くいくわけじゃないことは分かっているけれど、選択肢のひとつとして、知っておいてもらえたら嬉しいです。

おわり!アトピーの話するとほんと痒くなる🥺

お読みいただきありがとうございました!

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