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お安く、お刺身も美味いビジネスホテル

 ビジネスホテルが好きです。広く豪華で有り余る高級クラシックホテルは勿論好きなんですが、コンパクトに無駄なく、そして全てが備わっているのは、ビジネスホテルです。

 あの機能が詰め込まれた感じ。そして安い。場所によっては大浴場や、サウナまである。アパホテルやドーミーインなど、ホテルチェーンは全国どこでも均一なサービスが得られます。内装も綺麗で、どこかのラーメン発見伝ではないですが、高級をひと巡りして辿り着いた終着点……自分にはこれぐらいが丁度良い……となるのも分かる気がします。数ヶ月くらい全然居られそうです。

 そんなビジネスホテルですが、個人経営然としたホテルも、都内に残っています。その内のひとつが、この間行ってきた『住庄ほてる』です(ちょっと隣のビルの反射がすごいので、逆光気味です)。

住庄ほてる

 人形町の駅から地図をあてにしてちょっと歩くと、オフィスビルに挟まれた縦に細長いホテルがあります。賑わっているあたりから離れているので、偶然ぶつかる確率はあまり高くないと思われます。なので、よく行く街にも関わらず、「じゃらん」で検索しなければ知ることは無かった。

 人形町は東京駅から歩いて行けそうな都心ど真ん中なのに、若干下町っぽくて自分は好きです。老舗も多いですし。鯛焼きの『柳家』さんなんか、生産性はちょっと落ちますが、鯛一匹毎に独立した鏝で焼いているのですぞ。幾つか買うと、経木で包んでくれるから木の香りもする。並びますが、それでも美味いです。

 親子丼やシャモ鍋の有名な、『玉ひで』もあります。あまりに並んでいるので行ったことはありませんが……。そのすぐ隣の『小春軒』は独特のカツ丼が出ますし、すき焼きの『日山』『今半』は言うまでもなく。パンの『まつむら』とか本当に地元のパン屋って感じですし、とにかく、お洒落度があまり極端でない。いい意味で古い。それでいて若者も来る街。駅から水天宮や明治座に至るまで、見所が沢山あります。ホテルに泊まって歩き回るのも良さそうではありませんか。

 『住庄ほてる』をじゃらん検索した時、驚かされたのがその値段です(2021年11月時点)。なんと一泊素泊まり3300円。後述しますが、(小さいものの)大浴場も完備している。都内で大浴場付きのチェーン系ビジネスホテルというと、大体5000円からという感じに思われますので、じつにお安い。もうちょっと下がるとカプセルホテルの価格帯に行ってしまいます。レビューを見ても、去年リニューアルしたなどの情報があり、概ね良い感じの評価だったので、早速来てみました。

 入り口はまず割烹があり、外からのお客も食べることができます。夜は日替わりらしいです。調べたら、鯛出汁ラーメンとか、おでんとか、なかなか多岐に渡るようですね。自分の時は刺身定食と天麩羅定食でした。

 チェックインは先払いです。説明はそこそこに、すぐ鍵を渡してくれます。部屋内の説明も、渡された紙に最終チェックアウト時間が載っていたくらいで、割と簡素です。お風呂は、別館と新館で男女の時間交代制です。何時に交代になるのか、利用可能な時間などの情報は、エレベーターに貼られているので、すかさず見ておきましょう。細かい事は殆どエレベーターにある。この辺は慣れです。

 部屋へ入りました。とても新しくて綺麗です。流石リニューアル直後。大きさとしては、スーパーホテルとかのシングルより、もう一回り、部屋もユニットバスも縮めた感じです。確かに小さいですし、窓は隣のビルと隣接していて、カーテンを閉め切るしかありませんが、不満はありません。やはり全てが揃っている。

 元々何をしに来たかと言えば、引きこもって小型ワープロのポメラを打ち、小説を書くために来たのです。というわけで、小さなテーブルを前に、ひたすらポメラを打ちます。時間がどんどん溶けてゆきます。……すぐに夕食の時間となりました。1Fの割烹へ行きましょう。

 割烹の、本日のメニューは先程書いたとおり、刺身定食と天麩羅定食です。あと、ばらちらし定食なんてのもありますし、おつまみ的な品もあります。割烹なので鮮魚に強いようです。

さしみ定食

 掘りごたつ式の畳に座り、ニュースをぼんやり見ていると、頼んでいた刺身定食が来ました。ご飯に味噌汁に……おお、飾り気無い、だが、こういうのがいい。

さしみ定食_アップ

 食べてみますと、いいですねー、刺身が美味いですね。かなり良い刺身に思います。鯛に、カンパチ(?)に、切り身と叩き(もしくは、アラ?)のまぐろ。お米が進みます。きんぴらも美味い。隣の方が頼んだ、天麩羅定食も山盛りですね。あっちでも良かったなあと思います。御飯と部屋が綺麗なら旅の印象は大体良いのです。

 つづいてお風呂です。大浴場は本館と別館、男女が時間交代制で分かれていて、どっちかフロントに隣接している方はカランが4人入ってギュウギュウくらいです。もう一方はホームページに載っている、6人ぐらい入れる比較的大きめの風呂となっています。夜は24時まで利用可能です。自分の時は前者の4人風呂でした。

 夜の20~21時に来てみたのですが、フロントはチェックインで溢れているし、大浴場はいっぱいだし、一番忙しい時間帯みたいでした。これではいかんと部屋に戻ってポメラを打ち、深夜まで待ってみます。タイミングを読むのが難しいので、お部屋の風呂を使っても良かったかもしれません。

 22時半以降になって、もう一度行ったら割と空いていたので、無事入ることができました。いっその事、15時チェックイン即風呂、あとは引きこもってポメラ、というプランにすべきだったか。


 翌朝は7時~9時30分までが朝食の時間になります。最終チェックアウトは10時。前日チェックイン時に朝食も頼んでおいたので、黄色の朝食券を持って、再び割烹へ。

朝食

 朝食、これまた良いです。熱々の焼き魚に、つゆの浸みたがんもどき、茎のなにか、サラダ、味噌汁、ご飯、漬物。やっぱりお魚が強いです。昨日の晩に外から来たお客さん、なんか常連かと思ったのですが、割烹の人が「いつも美味しい魚をありがとうございます」とか言われたように聞こえたので、仕入れの人かもしれない。やはり食事の満足度がなかなか高いです。

 最後は部屋を片付けて、チェックアウト……どうでしょう、確かに本館と別館を繋ぐあたりを見るに、建物は古いけど、やはり無駄なく全てが揃っているとは言えませんか。今のところ引きこもって小説が書ける宿を探しているのですが、住庄ほてる、こちらは東京観光にも良いかもしれません。お安く、大浴場があって、部屋が新しい、食事もできる所……という希望、大体満たしてますよ。

 今朝は日曜日、人形町を一通り歩いて帰りたい所ですが、実は日曜定休のお店が少なくないです。そんなわけで、週末に人形町を歩くなら土曜日が良いと思います。

焼き鳥丼

 玉ひでの系列店『江戸路』で、焼き鳥丼を食べておしまいです。さて、小説の進捗はどうですか……意外と進んでません。年末ヤバいです。楽しい。

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