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食ライターの本棚 Part.11

本好きにとって、他人の本棚って気になりますよね。同時にライターとして、同業者の愛用ガジェット(資料用の本も含む)なども気になります。だからこその、この連載企画。
私はかれこれ13年ほど食に関する記事を作ってきました。そんな中、資料や知識の源としてお世話になった、「食に関する本」をサラッと紹介していきます。

天丼 かつ丼 牛丼 うな丼 親子丼

「天丼 かつ丼 牛丼 うな丼 親子丼 ーー日本5大どんぶりの誕生」飯野亮一著(ちくま学芸文庫)2019年

お馴染みの丼ものの発祥や歴史を紹介している一冊。
冒頭には「どんぶり物の誕生は、日本の食文化史における一つの革命であった」と書かれています。
著者の気持ちがこれでもかというぐらいあふれていますね。
そのきっかけは、江戸の街に白米が出回っていたことがきっかけだったと言います。

江戸時代の人間の創作力はすごいです。
文化2年(1805)に発行された「茶漬原御膳合戦(ちゃづけがはらごぜんかっせん)」。昔から日本人にも愛されてる”擬人化”された合戦物語です。
さすが日本人。食にかける尋常じゃない思いを物語にしてしまいました。

そんな本を作ってしまうのだから、ご飯におかずを乗せ、それを一品料理とするある意味”魔改造”してしまうのも納得です。

今でもネット(とくになんJ)では打線を組むのが流行っていますが、昔は相撲に見立てた番付を組むのが流行っていました。日本人の本質は変わりません。
この番付の小結には天丼がランクインしていますね。

日本人の食にかける情熱がたっぷり詰まった一冊です。
図などの資料も豊富に掲載されているので、丼ものだけでなく食文化の情報も豊富です。

丼ぶりに特化した本は珍しいと思いますので、ぜひ一読ください。


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