僕が社会人になって一番震えた受注の話

けっちです。

仕事が終わりました。



きょうは
僕が社会人になって
営業人生で一番震えた受注の話です。



それは社会人3年目のこと。


当時も今も
僕は飲食店の企画営業の仕事をやってます。



担当店舗の良さや課題を見つけ
お客様が来ない時間の集客や
客単価を上げたり
再来店率アップの提案したり



お客様に来店して頂いて売上をつくることで
担当店様との信頼関係を築いて行きます。
そのためにいろいろな企画を提案します。



かっこよくいえば集客パートナーです。
提案からその企画の振り返りまで行う


飲食店と同じく信頼のビジネスだと
僕は思ってます



そんなある日
とある担当のお店のシェフから
連絡が来ました。


『けっちさん、うちの社長にもう会いました?』



会ってません。
いや、会えるわけありません。


その社長とは、その地域でも有名な
フレンチのオーナーシェフ。


上京して経験を積んだのち
フランスに留学して帰国
地元で開業して一代で成功した方でした

その後は数店舗のフレンチを開店


ですがその方は広告や販促などの
企画やプロモートに否定的。


しかも営業許可や登記は法人格でしたが
実質の経理業務や仕入、
目利きはほぼそのオーナーシェフがやります。


忙しさが桁違いでした。


そんな実質経営者が
一端の営業マンに会いはしない
そう思ってました。


『けっちさん頑張ってくれてるし
売上になるかもよ?』


連絡をくださったシェフは
僕の売上目標をお気遣い頂いたんです。


要は姉妹店受注で実績作れば?と。


僕は早速、連絡先を聞いてスマホを構えました


とにかく会う前に
徹底的にその人を調べる


けど思い立ちたました。
今いきなり電話して会えるのか?と。


手を止めて
1時間ほど真剣に考えました。


どんな営業に会いたいと思うのか?
この方が俺に会う理由は何だ?

GoogleやFacebook
インスタ。


とにかくそのシェフのこだわりや
理念などについて徹底的に調べました

何時にお店に来るのか
お店にいらした後の一言目は何のお話をされるのか
ご連絡頂いたシェフにもこだわりを徹底的に伺いました。


受注が出来なくても
こいつ使えない
と烙印を押されたら今後の提案機会もなくなる



心配性の僕はそのことを懸念しました。



結果、その懸念と事前リサーチは大正解。



アポの電話をした時も
あなたのこと知ってますよ
感を満載で会いたい理由を伝えました。



僕はあなたのファンですと。


実際に僕はその方を調べるほど
男としてかっこいいなと本当に感じました。


その結果は



僕はプロと仕事がしたい



あなたほどプロ意識があるなら
まず話は聞きます。と。


そう返ってきました。


会えないと思って電話した僕は拍子抜けです


いいの?


そう思った矢先
そのオーナーシェフはこう返答しました。


僕はプロ意識があって
そしてプロである人と仕事をします。


契約書を添える手が震えました


そんなこんなで
先方の指定先のカフェに
提案資料を持って行きました


上司に何度も何度も突っ込まれ
作り上げた渾身の提案です。


僕は自信がありました。


なぜならこの提案通りに進めば
必ず売上をお返しできると思ったからです。


約束の15分後に
オーナーシェフは息を切らして来てくださいました。


『ごめんね、仕込み長引いて』



まず
オーラが違いました。


何というか。
数々の修羅場・死地を乗り越えた男のオーラ



そんな感じでしょうか。


名刺交換も緊張しました。


オーラが凄くて。


今思えば、弱々しい営業マンだ


そう思われてもおかしくなかったでしょう


けど、目は真剣にこちらを見てくれました。


本当にファンになった
その言葉をまず伝えさせて頂きました。


その理由も一緒に
そして、僕がやりたいことを伝えました。


そして、自分がどんな思いで働いてるか。


そしたらこう言われました。


売上上がる?と。


僕が背負うものは
お客様と従業員の命


飲食店が扱う食材は
お客様の口に入る


口に入るものに毒が入っていたら
お客様は命を落とすかもしれない。


だから僕は真剣に食材を選びます


だから取引業者は
プロじゃなきゃいけないんです。


けっちさんに任せたら
必ず売上は上がりますか?


従業員の給料は上げてやれますか?


そのカフェはテーブル席でしたので
きっとオーナーシェフから僕の足は見えてなかったはずです。


たしかにガクガクと震えてました。


俺、仕事してると思いました。


『必ず上げます。だから、お店のことできる範囲でこれから教えてください。必ず売上に紐づく課題を見つけて提案します。』

『なら明日、契約書持ってきてもらえる?』


僕は家に帰っても手の震えが止まりませんでした


この印鑑はあなたとの信頼の証だ


その明日、訪問をしてご捺印頂きました。


晴れて契約は結ばれました


僕は尖っているから
印鑑だけは丸くしてるの


そんな冗談を言ってくださり


僕は『プロ』として契約してくださりました。


結局その後、コロナで売上自体は減りましたが
売上のうち僕の提案での企画がほとんどを占めました。


色んな企画をやりました。

夜中に電話がきていて
クレームだっ!
と思って翌朝慌てて電話してこともあります。


けどその内容の殆どは
世間話や相談でした。お店に関する。


結局コロナは終息せず
僕は東京に異動となりました。


その方に挨拶したかったですが
新店舗の立ち上げと人手不足で
電話でのご挨拶となりました。


異動をして担当を外れた今でも
たまにご連絡を頂きます。


相変わらずマイペースな方だ。
と思う時間にです。笑


ありがとうオーナーシェフさん。


僕はあなたのお店の担当を外れましたが


これからもずっとファンです。


また新しい出会いを提案させてください。


それが僕の夢であり働きがいです。


読んでくださりありがとうございました。


けっち

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