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『埼玉県横断ウルトラ遠足~リベンジ~』完走の感想

2024年4月29日~5月1日
『埼玉県横断ウルトラ遠足~リベンジ~』*を決行した。
約6年半の歳月を経て、リベンジに成功した。

*埼玉県三郷市から、長野の県境である三国峠まで、走りや歩きで横断する自主イベント(通称:おもしろ走)

とりあえず、サクッと感想や考えてたことを書く
(と言いつつ、長くなってしまった……)。
一応、関連記事も貼っておく↓


1日目【4/29 三郷市 → 飯能市(ビジネスホテルおがわ)】

4/29 三郷市 → 飯能市(ビジネスホテルおがわ)
スタート地点(埼玉県三郷市)

3日間の中で、物理上の最長区間(約66km)となる1日目。
このイベント、「他県に入ってはいけない」というルールがあるので、前半は東京外環道沿いに進む。後半(和光市から)は国道254号→国道463号→国道299号をメインに進む。
ほぼ街中を進む感じなので、補給には困らない。車や人通りも多い。
前回は雨が降って寒かったけど、今回は天気が良く暑かった。風が気持ちよかった。風が吹いてなかったらキツかったと思う。

東京外環道

気合を入れ過ぎて、早めにスタートしたせいか、ホテルのチェックイン可能時刻前に到着してしまった。
既にヘロヘロだったが、日高屋のとんこつラーメン+やきとり丼セットと、吉野家の肉だく牛丼を食べる元気はあった。

2日目【4/30 飯能市(ビジネスホテルおがわ) → 秩父市(ファミリーロッジ旅籠屋)】

4/30 飯能市(ビジネスホテルおがわ) → 秩父市(ファミリーロッジ旅籠屋)
2日目のスタート地点(ビジネスホテルおがわ)

前回は1日目でリタイアしたので、ここから未知のステージ。
次のホテルのチェックイン可能時刻が15:00~なので、それに合わせて出発。
最終日の体力温存のため、ほぼ歩いた。
天気は雨が降る予定だったが、気になる程ではなく、午後はしっかり晴れてくれた。

この区間最大の難所というか、不安ポイントが、「正丸しょうまるトンネル」である。
グーグルマップでルート検索すると、徒歩だとこのトンネルを通らせてくれない。
「歩行者禁止なのか?」と思い、ネットで調べてみると、通れないことはないらしい。ストリートビューでも、トンネル内に歩道があることを確認できる。
結局、最新の情報が見つからなかったので、自分の目で確かめるしかなかった。もしここが通れないとなると、とんでもなく迂回させられるうえ、峠を越える険しい道のりになる。

ストリートビューでも確認した、危険を示す看板(なんか薄い)
正丸トンネル(長さが1.9kmもある)
正丸トンネル内(写真だと分かりづらいが、歩道と車道は段になって区別されてる)

結果として、徒歩でも問題なく通過できた。感動。
ただ、歩道は並んで歩けるほど広くはないし、泥でドロドロになってる箇所や、デコボコしてるところもあるので、足元には注意。自転車は通らないほうがいい。

2日目のコースは、全体的に飯能と秩父を結ぶメイン道路のおかげか、歩道はしっかりあるし、思ってたより危険な場所は少ない。自販もまあまあある。

秩父市に到着後、昼食ということで、すき屋でカレー牛丼を食べる。
せっかくの旅なんだし、ご当地グルメでも食べればと思うが、長旅で大事なことの一つは、お腹の調子を守ることである
特に運動系の場合、運動行為そのものが緊張の要因になってるので、安定感のあるチェーン店がいい。
あと、コンビニで「ヤクルト1000」「プルーンFe 1日分の鉄分 のむヨーグルト」「毎日一杯の青汁」とか、旅先で不足しそうな栄養を取っておく。

夜、明日の天気予報を確認すると、午前中から雨のようだ。それも、ずっと降り続くような雨らしい。
「マジかー」と思いつつ、「ここまで来たんだからやり遂げたい」という気持ちが強かった(中止したら、また最初からやり直し)。

雨でも行ける理由を探す。
覚えてる限り、大雨の中の山行経験は2回。2016年のSTY(大雨のためレース中に中止)と、2019年の北丹沢12時間山岳耐久レース(荒天のため距離短縮)だ。
大雨じゃないけど、過去に40km以上のトレラン大会は何度も走ってきた。
なので、今回も何とかなると自分に言い聞かせる。
今後の大会のことも考えると、これくらい乗り越えなきゃいけない。

そんな訳で、雨でも行く決意を固めてたが、どのみち雨降ったら嫌なことに変わりない。
いろんな天気サイトをハシゴし、秩父や長野(川上村)の天気を何度も確認してた。

3日目【5/1 秩父市(ファミリーロッジ旅籠屋) → 三国峠】

5/1 秩父市(ファミリーロッジ旅籠屋) → 三国峠
3日目のスタート地点(ファミリーロッジ旅籠屋)

最終日、結局あまり眠れなった。
外は薄暗いが晴れてる。気温も寒くない。よし。
目標は12:00までに三国峠(ゴール)に到着。雨が強くなる前に下山。
逆算し、4:30からスタート。

国道140号。山の中へ入っていく
ご無沙汰してます「道の駅 大滝温泉」。ここが登山前、最後のコンビニ

前半、約25kmの舗装路区間は晴れ。
三峰口駅を過ぎたあたりから、歩道がなくなる。
交通量は少ないが、車の気配がしたら慎重に行動する(運転手は早朝、こんなところに人が歩いてるとは思わないだろう)。

栃本関所跡
いよいよ登山道へ
一度舗装路に出るが、すぐに登山道に入る

登山道入口に着くと、三国峠まで残り20kmくらい。
熊注意の看板があるので、熊鈴(セリアで購入。税込み110円)を装着。
いよいよ最終決戦に突入する。

白泰山の分岐。ゴール(三国峠)目指すなら、登らなくてもよい
一応寄った白泰山。地味に道が不明瞭で迷ってしまった……。

入山しても、雨はまだそんなに降ってなかった。
「これはもしや?」と期待したが、白泰山はくたいさんを過ぎたあたりから、本格的に降ってきた。
衰えない雨、寒い。
移動中でも寒くなってきたので、レインウェアの上を着た。

同じような景色が続く。
時々現れる標識には、所要時間も距離も書いてないので、あとどれくらいなのか分からない。ゴールまで近づいていることを信じて進むしかない。

止まって休憩すると寒いし距離が縮まらないので、食べたり飲んだりしながら進み続ける。
遠くにログハウスに見えてきて、「十文字小屋か!?」と思ったら、ただの木の密集だったりする。幻覚が見えてきた?

十文字小屋
十文字峠

すごく長い時間に感じられたが、ようやく十文字峠に到着。
小屋の近辺から、つゆを温めてるような香りがした。
事前の調べでは、今年の十文字小屋の営業は始まってるようで、誰かいたのかもしれない。
ちょっと近くをうろうろしたけど、結局誰もいなかった。
ここで小屋の人が出てきて、うどん や おしるこを勧められようものなら、100%休んでた。
なんとなく、ちゃんと探せば誰かいたと思うのだが、そこまでする気力がなかった(何より、この状況においても人と会うのが恥ずかしい……)。

ついに標識に三国峠が現れた

ここまでくれば、三国峠まであと4kmくらい。
また一段と寒くなってきたので、レインウェアの下も着る。人生で数えるほどしかない、レインウェア フル装備の完成。

このあたりがコース上のピーク(標高約2000m)なので、後は下るだけかと思いきや、最後の最後までアップダウンは続く。
さらに、道がまあまあ不明瞭で、しるしのテープはあるが、何度かコースを踏み外しては戻る。足元も雨で悪く、ロードシューズのせいもあってか滑りまくる。
曇ってる影響もあり、相変わらず景色は変わらず、いつ終わるか見当もつかない。ガーミンウォッチが1km毎にピロピロ鳴るので、それで進んでることを確かめるしかなった。

遠くにたくさんのゴミ袋が見えた。ようやく人工物が見えてきたかと思ったら、岩だった。また幻覚? 人工物が恋しくなってる。

電波塔(?)が見えてきて(今度は本物)、ようやくゴールが近づいてることを実感。
登山道が砂利道に変わり、砂利道が舗装路に変わり……ついに三国峠に到着!

三国峠

これにて『埼玉県横断ウルトラ遠足~リベンジ~』完走。リベンジ成功!
生きててよかった……。

EX(帰り)【5/1 三国峠 → 梓山バス停】

5/1 三国峠 → 梓山バス停
三国峠。長野方面の景色

『埼玉県横断ウルトラ遠足~リベンジ~』は完走したが、まだ安心はできない。
梓山あずさやまバス停までの区間が残っている。無論、人力である。
この区間を完走し、バスに無事乗れれば、今度こそ「おもしろ走」完遂となる。
時計(ガーミンウォッチ)を見る

現在時刻:13:45
バスの到着時刻:14:45
バス停までの距離:約10km

「……あれ? これはいけるのか!?」
普段のタタハムなら、10kmを1時間未満で走ることは造作もない。
ただ、昨日と一昨日の行程に加え、今日の約45kmの行程。
雨は相変わらず強いし最悪。ザック(重り)も背負ってる。
どこをどう考え抜いても、普段とは言い難い状況である。

ただ、勝算はあった。
コースは多少荒れてるが、舗装路でずっと下り基調。
今日まで脚がる兆候がなかった。
そして、3日間を共にしてる相棒(シューズ)は、アシックスのターサーRP3。ロードシューズの本領発揮である。

「まあ、間に合わなかったら……そん時はそん時で」という軽い気持ちで、ガチで走った(ちなみに、14:45の次は、16:14のバスである)。

走り始めると、思ってたよりスピードを出せて驚く。
どこにそんな力を隠し持ってたのか。これが火事場の馬鹿力というやつか。
山の中とは違い、下れば下るほど景色が変わる。人里に近づいてるのが実感でき、それもスピードを上げる動機となる。

梓山バス停

結果は、14:30頃に梓山バス停に到着。
無事……でもないが、14:45のバスに乗ることができた。
レインウェアの外も中もずぶ濡れ。
バス汚してさーせん……。

その後と総評

バスが信濃川上駅に着くと、電車(JR小海線)に乗り換え。
甲斐大泉駅で下車、「甲斐大泉温泉 パノラマの湯」でお風呂に入る。
これで、今度こそ本当の本当に一安心。ここまでマジ寒かった。。

甲斐大泉温泉 パノラマの湯

ゴールするか、野垂れ死ぬか
久しぶりに生きるか死ぬかの貴重な経験ができた。
3日目のインパクトが強すぎて、「1日目、2日目何やってたんだっけ?」って感じ。

期間中、何度も脳裏に現れ、タタハムの精神を支えてくれた「田中正人さんの まいにち、鬼軍曹」、「かなやの旅日記」、「松岡修造」さん。ありがとう。
物理的な支えとなってくれた「サロモンのレインウェア」「モンベルのザック」「ザムストの圧着ソックス」「アシックスのターサーRP」など、装備品の数々。
「吉野家」「日高屋」「すき屋」「ローソン」「ビジネスホテルおがわ」「ファミリーロッジ旅籠屋」「川上村営バス」「パノラマ温泉」などなど、あげればきりがない程、たくさんの支援を頂いた。ありがとうございます。
そして、12年間たくさんの経験を積み重ねてきたタタハム自身にも感謝。

『埼玉県横断ウルトラ遠足~リベンジ~』
スタート:2024/04/29 5:57
ゴール:2024/05/01 13:38
04/29:66.34km
04/30:41.06km
05/01:48.97km
完走タイム:55時間41分(2日+7時間41分)
総移動距離:156.37km
※Garmin ForeAthlete55 にて計測

記録まとめ


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