「タクティカル・アーバニズムとルールメイキング」というコラムを寄稿しました

LIXILのウェブマガジン「これからの社会、これからの住まい」に「タクティカル・アーバニズムとルールメイキング」というコラムを寄稿しました。


近年、大学の授業や講演などでお話ししていることで、真新しい内容ではありませんが、このような建築系メディアで一度簡単にでもまとめておけたのはよかったかなと。

DDAA元木大輔さんが同じメディアで少し前に書いてらっしゃったので、緩やかにこれに接続させることは意識しました。


あと、個人的に興味深かったのは、本稿を書いている最後の時期に注4に記載している饗庭伸さんの近刊『平成都市計画史──転換期の30年間が残したもの・受け継ぐもの』(花伝社、2021)を読んだんですね。

饗庭さんの前著『都市をたたむ』は大変話題になった本ですが、『平成都市計画史』も、(都市計画家の誰もが避けたいであろう)平成期をこの段階で総括しようという意欲作で、様々な切り口が用意された、これからの議論の種が詰まった著作です。


饗庭伸さんとは、槇文彦・真壁智治編著の『アナザーユートピア:「オープンスペース」から都市を考える』でご一緒させていただき、その後、昨年、刊行記念トークイベントで田中元子さんとご一緒させていただきました。

このとき、饗庭さんは『平成都市計画史』にも出てくる都市計画における「法と制度」に話しもされていたのですが、このとき微妙に話が噛み合わないなと感じていました。
もちろん、「話が噛み合わない」というのはネガティブな意味合いではなく、近いところでとても気になる話をしているのになぜか双方の声が小さく聞き取りづらい、といったような「興味深く話が噛み合わない」という感じです。変な日本語だが(苦笑)。

今回のコラムの注にも書きましたが、『平成都市計画史』を読んで、饗庭さんが「法」「制度」という言葉を、ジル・ドゥルーズの議論を援用して、かなり特殊な意味で使用していたことが判明し、法制度という観点からは、ほとんど近しいことを言っていたのだと合点がいきました。

饗庭さんのドゥルーズの議論の援用による整理と、「「多くの制度とごくわずかの法」を目指すことが私たちにとってのよき状態=民主主義につながりそうだ」という言葉は示唆的でした。今後考えていきたいと思っています。




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