オーストラリアでオーガニックガーデンに挑戦!ガーデンベッドの作り方をいちから紹介
こんにちは、タスタスです!
2024年6月からオーストラリアでワーキングホリデーをしています。私はいま、NSWにあるNarara EcoVillage に住んでいます。
EcoVillageには作物栽培に精通している人がたくさんいて、多くの先生に教えてもらいながらエコフレンドリーな方法でガーデニングをしています。
自分の食べる野菜を育てたり、庭を彩るのはすごく楽しくて、ガーデニングが大好きになりました。
今回は「ガーデンベッドの作り方」と「苗の植え方」をオーストラリアの環境に合わせて、紹介します。
ガーデンベッドの作り方
①ガーデンの場所を決める。
まずガーデンベッドを設置する場所を決めます。ポイントは「日当たり」と「スペース」です。一般的には、野菜や花などの多くの作物は6〜8時間の直射日光を好みます。
また、ガーデンベッドを設置する際には作物が育つための十分なスペースが必要です。作物ごとの成長サイズを予測し、通気性を保つための間隔も確保してください。これにより、病気を防ぎ、作物が健康に育つ環境を整えることができます。
②ガーデンの枠組みを作る
次に、ガーデンベッドの枠組みを作成します。
まずは、作物栽培に支障が出ないように、地面に生えている雑草をしっかり抜き取ります。
その後、雑草の成長を抑制するために、段ボールを地面に敷きます。段ボールは生分解性があり、通常約6〜12ヶ月で分解が進みます。段ボールを敷くことで、雑草が再び生えてくるのを防ぎ、ガーデンベッド内で作物がより良く育つ環境を作ることができます。
枠組みは、木材や再利用可能な材料を使って作るといいです。ガーデンのサイズや形状に合わせてカットします。木材を固定するために、鉄材などで安定させます。高さや広さは、育てる作物や庭のスペースに応じて調整しましょう。高さはだいたい25〜35cmくらいあると根が深く張れるのでいいです。
③土を用意する
ガーデン全体をいい土で埋められる環境であればいいのですが、そうもいかないことも多いと思います。
私達は3層の土を用意しました。下から順に「普通の土」「良質な土」「コンポスト」の順番で層を作ります。
下層:普通の土
最下層には、通常の土を敷きます。特別な栄養素がなくても構いません。庭から取れる土や、購入した一般的な土を使用してください。この層は、ガーデンベッド全体の基盤を形成し、安定させる役割を果たします。
中層:良質な土
中層には、栄養豊富な良質な土を使います。この層には、ホームセンターで購入するような有機物が多く含まれた栄養価の高い土を使用することで、作物が健康に育つための栄養分を供給します。
上層:コンポスト
最上層には、家庭でつくったコンポストを使用します。上層には石や大きな枝を取り除いて、根がしっかりと伸びやすい環境を整えてください。コンポストを使用することで、微生物や栄養素が豊富な環境が整い、作物の根がしっかりと成長できるようになります。コンポストを手でほぐしながら良質な土と混ぜ、土を柔らかくすることで、根の成長をさらに助けることができます。
エコビレッジでは、リサイクルと再利用の精神が根付いており、資源を最大限に活用するために、手作りのガーデンベッドを作っています。
手間はかかりますが、オリジナルで環境に優しいガーデンがつくれますよ。
コンポストの作り方
もちろんコンポストも手作りです。私たちは2種類のコンポストを作りました。
生ごみを使ったコンポスト
まず、大きなゴミ箱と専用のコンポスト容器を用意しましょう。家庭で出る生ごみ(骨、野菜・果物の皮、卵の殻、茶葉・コーヒーかすなど…)はほとんど使えます。コンポスト容器にゴミがたまり次第、大きなゴミ箱に入れていきます。
鳥のフンや枯葉などを数回加えて6ヶ月ほど放置すると、分解されて肥料が完成します。
鶏がいない場合は、ホームセンターで鶏フンを乾燥したものとして購入することができます。フンを混ぜることで、分解が早くなり、コンポストが肥料として完成するまでの時間を短縮できます。
コンポストがうまく分解されるには、湿度と温度が重要です。水分を適度に保つために、必要に応じて米のとぎ汁などの水分を加え、乾燥しすぎないようにしましょう。
また、温度も分解に影響します。温かい時期には分解が早まりますが、冬場は時間がかかります。
生ごみを混ぜたコンポストは、約2~6ヶ月ほどで栄養豊富な肥料になります。分解が進むと容器の中のゴミが減っていき、ふかふかした土のような質感になります。肥料として使う前に、大きな未分解のゴミが残っていないか確認し、あれば取り除いて再度分解を促しましょう。
雑草を使ったコンポスト
雑草や不要な植物もコンポストとして有効活用できます。
雑草を積み重ねるための通気性の良い木箱やコンポスト用のフレームを用意します。
刈り取った雑草を箱の中に積み重ねていきます。ある程度の高さになったら鶏のフンを数回加えます。雑草が細かく分解されやすいよう、こまめにかき混ぜることで、分解が早まります。
時間が経つと、雑草がゆっくりと分解され、土のような質感になります。このとき、まだ分解されていない硬い枝は木箱に戻し、ゴミは取り除きましょう。
コンポストを活用することで、家庭から出るごみを減らし、栄養価の高い土壌を作ることができます。自然の恵みを活かしながら健康的な作物を育てることはほんとうに楽しいです。
ミミズを使ったコンポスト作り
ミミズを使うとコンポストの生成が早まります。
訪れたご家庭では、ミミズを育てるための容器を用意し、
2層以上の箱構造になっていました。
上部の箱に生ごみを入れると、ミミズが食べ物を分解し、約6か月でコンポストが完成します。
下部の箱には、ミミズの糞や分解された土がたまります。
この土をガーデンの土に混ぜることで、肥料として活用できます。
また、上部から水をかけると、箱の底にたまった液体が栄養豊富な「液体肥料」となります。
下部の箱に蛇口が設置されており、それをひねることでガーデンに使えるようになっていました。
訪れたご家庭では、ミミズの快適な住環境を作るために、マルチを混ぜたり、乾燥防止のために上部に小さな布のカバーをかけたりしていました。
これにより、適度な湿度が保たれ、ミミズが活動しやすい環境が整います。
また、必要以上に生ごみを投入すると腐敗臭が発生する可能性があるため、適量を守ることが大切です。
こうして、土作りのプロであるミミズを育てながら、自然の力を活かしたコンポスト作りを学べました。
苗を植える方法
①土の高さを均一にする
土の高さを均一に整えておくことで、苗がまっすぐ育ちやすくなります。
②土全体に水をたっぷり与える
苗を植える前に、土全体にしっかりと水を含ませます。
土が乾いている状態で苗を植えると、根が水分を吸収できず、植えた直後に苗が弱ってしまうことがあります。土はしっかりと湿らせ、さらに苗自体も植える前に水に浸しておきます。
バケツに水をため、苗を3分程度沈めておくと、根が十分に水分を吸収します。土の中の空気が抜けたら完了のサインです。
③苗の間隔を決める
植物ごとに適切な間隔を空けるのが大切です。
例えば、レタスは20〜25cm、にんじんやビートルートは約3cmといった具合に、根が広がるスペースを確保します。
植物が根を広げるためのスペースを十分に確保することで、病気や栄養不足を防ぎ、健康な成長を促します。
④苗を小分けにして植える
苗が一束になっている場合は、優しくほぐして一つずつ分けます。根が絡んでいる場合も、無理なく解いてから植えてください。
これにより個々の苗がしっかりと育つスペースを確保できます。
⑤マルチを敷く
マルチ(覆い)を苗の周りにしっかり敷いて、土の表面が乾燥するのを防ぎます。植えていない部分にも土の表面が隠れるくらいにマルチを敷くと、雑草も生えにくくなります。
レモングラスの枯葉をマルチに使うこともありますが、ホームセンターでマルチを購入できます。
プラスチックのマルチではなく、天然素材を使うと環境にも優しく見た目も自然でより豊かに見えます。
⑥マルチの上からさらに水をやる
マルチを敷いた後は、もう一度たっぷりと水を与えます。この作業により、マルチの下の土が常に湿っている状態を保つことができ、苗の根が乾燥するのを防ぎます。植物がある程度成長したらさらにマルチを足し、雑草の抑制効果を高め、土の保湿力を向上させましょう。
種から育てる方法
種から育てる場合、最初からガーデンに直接植えるのではなく、小さなポットで発芽させると成功率が上がります。
まず、小さなポットにふかふかの土を入れ、たっぷりと水を与えて湿らせます。
次に、種を土の上にまいて薄く土をかぶせ、ポットの底から水が流れ出るくらいしっかりと水を与えましょう。
発芽までは、日当たりの良い場所で適度に湿度を保つように管理します。
発芽後、苗がある程度成長したら、ガーデンベッドに植え替えます。
ただしオーストラリアの夏は日差しが強く、小さな芽には刺激が強すぎるため、簡単な日よけ対策が必要です。
たとえば、ヨーグルトの容器を切ってカバーを作り、苗の上にかぶせて日差しを和らげると効果的です。容器の通気口も確保し、苗がしっかりと根付いて日差しに耐えられるようになるまで、日よけで保護します。
こうした対策をとることで、過剰な日差しによるダメージを防ぎ、元気な苗が育ちやすくなります。
まとめ
家庭菜園は、体と環境に優しいオーガニックライフを実現する手助けになります。Narara Ecovillageで多くの家庭を訪問し、各家庭の独自のこだわりを学びました。
日常的に食べる野菜を自分で育てることで、食費を節約し、輸送やごみ処理にかかるエネルギーを減らすことができます。オーガニックガーデンを通して、地球のためにできることが増えてすごく嬉しいです。
日本に帰った際には、日本の気候に合ったガーデニングを模索し、自然と向き合いながら持続可能な生活をしていきたいと思います。
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