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ドラマ『ゲゲゲの女房』この物語を作りあげた脚本家、山本むつみ氏について!

#ゲゲゲの女房 #山本なつみ #朝ドラ #NHK朝ドラ #水木しげる #松下奈緒  
2010年放送のNHK朝ドラ『ゲゲゲの女房』は、なぜか私は1回目から見ている。2023年12月からBS 12の月曜19時から20時半枠で今放送中だ。再度見ているのだが、またまた感動している自分がそこにいた。

原案は、漫画家水木しげる氏の妻、武良布枝さんの自伝書『ゲゲゲの女房』で、こちらも買い求め読んだ記憶がある。やはり、水木しげるという人物の強烈な個性が垣間見れて、なるほど!と言う思いだった。

ドラマのほうも、同じようによく描けていると思う。このドラマの主人公は、妻の方で、特にこれをした!ということは無い。結婚した当時、貸本漫画家は食っていけるかどうか!の瀬戸際。明日の米や味噌もない状態だった。しかし、そんな夫を影で支えつづける。

借金取りとのやりとりや、出版社が金を支払わない!の事態の対応が、半ば笑いもともなって、物語は進んでいく。

どうしてこんな苦労しても、水木しげるは、漫画を描き続けることができたかびっくり!物語の後半部分に出てくる戦争の話で、納得がいった。水木しげるは太平洋戦争で召集となり、南方の島であるニューギニア島のラバウルに出征している。そこでは、上官からのビンタ平手打ちの日々だった。しかも食料もまともにはない。それが戦後貧しいとはいえ、死の危険は無い生活である。工夫に工夫を重ねれば、生きていけるはず。これが水木しげるの根底にあったと言える。

いくつもの戦記物語やテレビドキュメンタリー番組を見てきた私にとって、なるほど、そういうことか!という思いだった。実は私は、貸本屋で寝泊まりした経験がある。父の弟が、福島県猪苗代の高校の先生をしながら、妻に貸本屋をさせていたのだ。夏休みになると、その叔父の家に厄介になり、毎日ただでその漫画を読んでいた。

ドラマでも、貸本屋は斜陽産業、いつ潰れてもおかしくない!そんな状態に描かれていた。そして、貸本漫画家が、喰うに食えない状況が重なってくる。子供の頃にはわからなかったが、そんな現実があったんだ!という思いでドラマを見ていた。

次にこのドラマの脚本家のほうに目を転じよう!
まず経歴から。北海道旭川市出身。旭川北高から北大教育学部へ。卒業後は、東京のアスキーなど4社の出版社で編集者となる。仕事の傍らシナリオ作家養成講座を受けた。2001年初めて書いた脚本『川留め騒動始末』で、BKラジオドラマ脚本賞佳作となる。2003年NH Kの創作ドラマ脚本懸賞に応募し、優秀最優秀賞を取った。その後、テレビドラマの脚本も何本か手がけ、2010年NHK朝ドラ『ゲゲゲの女房』の仕事を受けることとなる。

このドラマの発端は、山本むつみの願いでそうなったもの。武良布枝さんの自伝を読んで感動した!ところから始まった。『人生の幸、不幸は入り口では決まらない』という武良布枝の強いメッセージに重みを感じる。全く知らない2人が、わずか5日間で結婚し、その後50年以上にわたり寄り添って生きていく!これは面白いし、心打つものがある!そう感じたようだ。

山本むつみは、戦中戦後のどさくさを全く知らない世代。なんと、200冊以上の本を読み、時代背景を調べ上げたという。ものすごい熱量と言えるではないか!

脚本は好奇心を持っている人に向いていると言う。調べた90%を捨てても、その残った10%でドラマを書いていくそうだ。そして面白がる。こんな面白い人がいる。だから、それを人に伝えたい!この意気込みだ。

水木しげる夫婦にも、直接取材をしている。水木漫画に込められたメッセージも、この夫婦の人柄や夫婦の愛情にも心を留め、ドラマの中に落とし込んでいったという。

さらに、このドラマには次のメッセージが込められている『人は見えんけど居るものに支えられて生きている!』だ。遠方に居る親族、ご近所さん、仕事仲間など、様々な人との交流で、自分は助けられ生きているんだ!という思い。

ドラマは、初回視聴率(関東地区)で14.8%だった。これは歴代ワーストワンの記録だが、回数を重ねるうちに伸びていき、最高視聴率は21.8%にもなった。それは、多くの人が共感したということだろう。そんな特別なことをしていなくても、日常の中に希望や喜びをえて、日々の試練を乗り越えていく姿に… 。

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